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2013年5月17日金曜日

SCMというお化け-2

物流・ロジスティクス・SCMどれも最終消費側(需要側)からの視点で、該当商品における一番効率いい流通を考えるものであることは先回ご案内した通りです。

物流・ロジスティクス・SCMは結局は同じことを言っているのですが、言葉の使い方によってニュアンスが違って聞こえます。

表記の方法にもそれが現れます。


物流(漢字)、ロジスティクス(カタカナ)、SCM(アルファベット)の様に表すことによって以下のようなニュアンスを持つようになります。

 物流(漢字)・・・かなり古くからある概念。物を流す(運ぶ)ことについての事柄

 ロジスティクス・・・輸入され、日本において定着してきた概念。保管や配送を最適化
                                             すること

 SCM・・・海外より最近導入された新しい概念。流通全体(調達~消費)を最適化しよ
                         うとすること

漢字、カタカナ、アルファベットで表記するだけで右側の下線部のニュアンスが自然と含まれてしまいます。

これは私たちが日本語を母語としていることによって、学ばなくとも持っている感覚なのです。

英語がこれだけ浸透してきている現在では、SCM(Supply Chain Management)と言えば何となく物の供給についての連鎖を考えることだなくらいは思いつきます。

そして、的確な日本語表現がないことからも新しく海外から導入された考えかな?

最近よく聞くからどうやら役に立つありがたい考え方のようだな。

マネジメントというからどうやら情報システムによって構築されるのかな?

こんなことから立派なお化けが出来上がります。

そうなるとお化けはどんどん大きくなってしまいます。

いつの間にかマーケティングやマーチャンダイジングまでを取り込んだ一大流通コンセプトのようなたいへんな化け物が出来上がってしまいます。

やがて新し物好きが部門名や役職にまでSCMを使用するようになってくると、そこいらじゅうにSCMがあふれてきます。


日本にはもともと企業同士の協業や並行パートナーになじみにくい環境が存在します。

上下関係、元請け下請け関係のほうがすんなりといきます。

そこで生まれる利益は元請け企業がほとんどを得ることになります。

原価構成やコストを互いに開示し、全体で得る利益を適正な配分で獲得するゲインシェアリング的な活動には不向きなのです。

物流の世界での新しい取り組みはカンバン方式やJIT(ジャストインタイム)など日本で醸成されたやり方から改善・改革されたものが多いです。

一番力のある大きな企業が自社の最大効率化を図るために、取引先に自社に一番都合のいい条件で納品するように仕向けたものです。

海外の文化に合わなかったことと、いち早く全体最適に取り組んだ海外での発展系が日本に逆輸入されてきました。

そのまま取り組もうとしたって合うわけありませんよね。

どうも規模の大きいところほど「お上のお達し」が残っているようですね。


今のままで行くとSCMは流通強者のための印籠みたいなものになってしまうでしょね。

中途半端にその中で下請けとして生きる道を選択するのか、小さくても物流としての役割を全うできる場所を選ぶのか。

少数の限られた流通強者たちはますますそのポジションを確固たるものにしようとするでしょう。

SCMというお化けに脅かされることなく、お化けを使って押し付けのシステムを売り込まれる

ことなく物流・ロジスティクスの役割を担っていきたいですね。

物流・ロジスティクスの影響力って生産・販売と同じくらい大きいんですよ。

2013年5月16日木曜日

SCMというお化け

サプライチェーン・マネジメント(SCM)、はやり言葉です。

英語(カタカナ語)の例にもれず、日本で育ってきた流通における様々な言葉(考え方)を一言で単純化してしまう恐ろしい言葉です。

この言葉を使っている人の数だけ、解釈・定義が存在するのではないでしょうか?

私は大嫌いな言葉ですが、現在の物流・ロジスティクスにおいてこの言葉を避けて活動できなくなっているので、SCMとの付き合い方だけちょっと述べたいと思います。


サプライチェーン・マネジメント(Supply Chain Management)、直訳すると供給連鎖管理とでもなるのですかね。

こういう言葉って主語がないんですよね。

「誰が」とか「どこ起点で」がいつの間にかなくなって、いろんな立場から都合よく使えるようになって一般化してしまう。

実は、物流もロジスティクスもSCMもすべての起点は最終消費者にあることが忘れられていることが多いです。

最終消費量は不安定です。

予測はできても常に変化しています。

最終消費が需要です。

「需要に合わせて、必要な時に必要な量をいかに効率よく届けるか」これがすべてです。


物流、ロジスティクス、SCMについて何となくこうだろうなと皆が思っている定義をしてみると、

物流・・・物を運ぶ・移動することを中心とした行為

ロジスティクス・・・情報システムに支えられた保管と配送を融合した行為

SCM・・・原料調達・生産拠点・在庫拠点・配送を最適化する仕組み

こんなことになるのではなかろうか。

漠然と 物流<ロジスティクス<SCM みたいな感覚になっているのではないでしょうか? 


一番実体のないのがSCMです。

SCMというシステムがあるわけではありません。

お化けなんですな。

当初はi2テクノロジー社やマニュジスティクス社による需要予測を中心としたシステムもありましたが、広がりませんでしたね。


SCMの初期の成功例としてウォルマートとP&Gの取り組みが取り上げられることが多いです。

コストを提示し合って、原料調達から店頭消費までの物のストックとフローを徹底的に効率化していきました。

ウォルマートの社員がP&Gの原料調達の方法やコスト、さらには製造方法にまで踏み込んで効率化・コストダウンを実施していきます。

お互いの原価を開示し利益をきちんと確保しながら徹底的な効率化が図られました。

最終的には消費者(購入者)がその恩恵を受けるという発想です。

完全な協業です。

製造、物流だけでなく総務や広報・経理など企業同士のあらゆる部門が協業したのです。

ウォルマートの本社のすぐそばのビルにP&Gのウォルマート専属担当の200名を超えるメンバーが常駐し、ウォルマートの社員と同様に仕事をしたといわれています。

この時に一番のベースになったのがウォルマート側が持っていた需要予測(販売予測)でした。

店頭のPOSのデータを基本に天気やイベント、曜日や時間など様々な要素を組み込んで需要予測がされていました。

あくまでも予測ですので実際には欠品や在庫過多が発生します。

需要予測をすべての出発点として店頭在庫の補充に至るサプライチェーンが動きます。

需要予測を関連するすべての部門が共有し、その予測値に対しての最適なオぺーレーションを行うのです。

需要予測が大きくずれたときも現実需要には対応しなければいけませんが、需要予測を提供した側がずれた分のオペレーションについての責任を負うのです。


SCMなどという言葉のなかったころですので、この取り組みは現実的な内容を表すことによってCPFR(Collaborative Planning Forecasting and Replenishment )と呼ばれました。

ずっと分り易いですよね。

このころSCMラベルという言葉がありました。

ここでいうSCMは Shipping Carton Marking (Label)でいわゆる出荷するときにケースに張り付ける出荷先とか内容の(ラベル)ことです。


なんでSCMという言葉が日本で広がるかというと、当事者が置き換えられてしまうからです。

すでにお分かりのように本来の発想は消費者(需要)からなされなければ役に立ちませんが、SCMというとあたかもサプライ側が管理するように聞こえるのです。

本当にそう思っているおバカさんもいるようですが。

需要(ディマンド)があるから供給(サプライ)があるのであり、サプライ側の独りよがりははるか昔の配給制度を思い出します。

配給にしても実際には供給をはるかに上回る需要があったということができます。

サプライ側にしたら理想は配給制度ですが、すべての資源を最大効率で使用し更に回収することまでを考えなければいけない現在では、そんなことはあり得ません。

今、安易に使いたくない言葉の代表=サプライチェーン・マネジメント(SCM)です。


物流とロジスティクスにおいて様々な業務分野で蓄積されてきた技量が、SCMという強者の理論。

メーカーであろうと小売りであろうと、流通過程において立場の強い企業が自社のために効率の良い物流の仕組みを作りだし、それを取引先に押し付ける。


結果として効率・サービスの両方についてより高レベルの在庫管理システムを持った企業が、提携やM&Aを重ねて市場で勝ち残っていくことになります。





2013年5月15日水曜日

物流と情報システム

サプライチェーン・マネジメント(SCM)が幅を利かせています。

物流という言葉に代わってSCMが使われてきています。

しかも、物流・ロジスティクスに直接かかわったことのない人間ほどこの言葉を使いたがります。


同じような状況が2000年ころにありました。

情報システムの処理能力があっという間に累乗的に発展してきたときに、物流の世界にも一気に

システム化が押し寄せてきました。

始めは在庫管理システムという名のもとに物の出入りをデータとして入出力して管理するものでし

た。

むかしの倉庫にある商品の受け払い表を入力したものにすぎませんでした。

システム化が進んでくるとそれをもとに管理することが増えてきます。

そして一見もっともらしい倉庫での業務を系統だてた、入庫から出庫までの物の動きを追いかける

情報システムが導入されます。

倉庫内の物の動きを追いかけ検品をしますから、スキャニング、ラベリング、マッチングの技術が

進化します。

どこかで導入されるとこれをパッケージ化した倉庫管理を一括する倉庫管理システム(ウェアハウ

ス・マネジメント・システム=WMS)なるものが入ってきます。

日本で個別に作られて標準化したものや、輸入されてカスタマイズされたものなど様々なものが出

てきます。

導入コストも下がってきます。

システム化だといって飛びつく企業も出てきます。

ところがどっこい、物流の業務は会計・経理とは違います。

法律で縛られた処理の仕方・管理の仕方なんかありません。

物流業務の内容は扱う商品のカテゴリーによって大きく異なります。

加工食品と雑貨と飲料では全く異なるといってよいでしょう。

それぞれに専門の業務・設備が必要であり、同一倉庫内で設備を共有しての業務は基本的に不

可能です。

それぞれの企業で業務の内容は大きく異なります、そこいらじゅうでシステム屋と物流現場の衝突

が発生します。



物流のことをよく理解している経営者は決して多くはありません。

それまで見えなかったものが見えるようになれば、経営者としては大助かりです。

システム化の大流行の中で、システム屋のほうがより経営に近い立場にいました。

そんな環境の中でシステム屋主導の一気通貫の倉庫管理システムによって、それまで個別の業

務で築き上げられたやり方・技術が効率化の名のもとに追いやられました。


早めに大規模な情報システム化に取り組んだ企業はほとんど失敗しました。

それもかなり大きな失敗もしました。

システム化したのに想定通りに出荷できない、徹夜しても間に合わないようなことも起きました。

しかし、この失敗によってどうやったら失敗するかを学びました。

そして同じ失敗を繰り返さないようシステム化についての経験を積んできました。

資金力のある企業ほど数多くの経験ができたことは言うまでもありません。


その結果、在庫管理システムは実際の業務を規定してはいけないことがわかってきました。

「この在庫管理システムを導入するから入荷業務のやり方をこのように変えてください」はやっては

いけないのです。

在庫管理システムは物が動いたときにデータが吸い上げられればそれだけでいいのです。

倉庫の業務を効率化・コントロールするためには別の仕組みでやるべきことに気が付いたのです。

それが倉庫業務システム(ウェアハウス・コントロール・システム=WCS)です。

WMSは在庫管理と倉庫の業務管理の両方をやろうとしたので失敗したのです。

在庫管理システムはSAPを代表とする様々なERPに付帯しています。

それで十分なのです。

必要なデータはWCSからすべて提供できるのです。

WCSは倉庫の物が動く業務単位に存在します。

業務上手で入力してもいいわけです、完全自動化でコンベア+ラベリング+スキャニングでもいい

わけです。

自動倉庫でもいいわけです。

それぞれの業務に対して一番効率の良い方法を模索し、その結果をデータとしてとらえられれば

いいのです。

そしてWCSによって倉庫管理者は業務ごとの生産性を把握することができます。

人の配置を変えたり、作業量を調整したりすることによって倉庫の業務管理をするのではなく、業

務のコントロールをするのです。


よほど遅れている企業を除いてほとんどの企業はこの段階にあると言えます。

もちろんいまだにWMSの導入を検討している企業があることも事実ですが。

物流センター・倉庫の効率の良い安定した運営は物流の基本です。

物流センター・倉庫を中心に物流が動いています。

サプライチェーン・マネジメント(SCM)という日本になじまないシステムに躍らされることなく、この

先の選択を誤らないでいてほしいと思います。

たぶん投資力のある企業が同じようにSCMに取り組んで、いろいろな経験をもたらしてくれると思

います。


お気軽にご連絡ください。

2013年5月13日月曜日

物流のパワーゲーム

情報システムの発展によって物流システムは大きな変化を遂げたました。

人手に頼っていた物流はその生産性において飛躍的な発展を遂げてきました。

分散型のマイクロプロセサー処理の一番の恩恵を受け、情報システムの発展に寄与したの

は物流業界だともいわれました。


日本においてはいまだに物流システムを高度化しようとする企業がぶつかり合って対立と  

緊張を繰り広げています。

この状況を物流(システム)のパワーゲームと呼んでいます。


1990年ころバブルの最盛期にロジスティクスという概念がアメリカより導入されました。

一社の効率化では限界にきた物流を流通を通じて(調達から販売まで)、トレードオフの

関係を調整しながらさらなる効率化をしていこうという考え方です。

労働力不足(物流分野に回ってこない)、賃金上昇、扱い品目の増加、納品要件の複雑

化、小口多頻度化などによって企業の物流コストは上がる一方でした。

そこに力を持った(チェーン化や買収、多店舗化によって)小売りによる、卸機能の中抜

きの取り組みが始まりました。

メーカーとの直接交渉によるプライベート・ブランド(PB)商品の開発などです。

危機感を感じた卸売業はロジスティクスに勝機を見出します。

メーカー調達から小売りの店頭までのロジスティクスを一手に引き受けて、力を持ち始め

た小売業へ対する細かな納品サービスに対応するようになります。

特定小売業のために業務を特化した専用の物流センターを設置して効率化による物流コス

トの削減を小売業に提案します。

自社の商流ではない商品群もこの専用センターを利用させることによって小売業への納品

の効率化を実現します。

自社以外の商流元に対しては、物流センターを利用する手数料としてセンターフィーを科し

ます。

小売業は同じカテゴリーの商品ならば商流がどうあれ一緒に納品されたほうが助かります

から、取引先に対して専用の物流センターの利用を強制的にすすめます。

小売業に対しての専用物流センターを運営する卸業者に、この流通の物流のコントロール

が集約されてしまうことになります。


一方で卸売業は大手小売業を取り込むことによる絶対的な購買力(バイイングパワー)によ

って、メーカーとの取引においても優位な立場を築いていきます。

力のある卸企業同士による共同調達機能の成立です。

日本の卸業のNo.1とNo.2(ともに1兆円企業)が共同でメーカーからの調達会社を作って、

巨大な物流センターを運営し、メーカーからの調達を一手に引き受けます。

メーカーとしてはこの会社との取引は死活問題となります。

当然、できる限りの取り条件の上で付き合うことになります。


巨大卸売業による物流システムの競争は、物流システムの高度化とともに小売業とメーカ

ーを巻き込んだパワーゲームの様相を呈しています。

日本の卸業による物流・ロジスティクスはどれをとっても世界の最先端を行っています。

物流専門企業の上を行っているものです。

しかし、それはほんの一部の巨大投資ができた企業だけのことです。

本当にここまでのシステムやサービスが必要なのかどうか、当然そこでコストがかかってい

ますがそのコストはきちんとフィー化されているのかどうか。

各取引業者が適正な利益を確保しながら、その流通に参加できているのか?

日本型SCMは強者の理論であるといわれています。

強者が都合のいいようにできている仕組みに乗らないと、その流通に参加すらできないよう

になってしまっています。


このようなメガ流通に対して、もっと小さな流通として参入しやすい流通があるはずです。

ソーシャルを利用して規模は小さくても面白いものがあるような流通は可能です。

そこで物が動く限り物流からは逃げられません。

そんな物流の組み立てを手伝っていきたいと思っています。

物流からロジスティクスそしてSCMへ

物流という言葉(概念)は比較的新しい言葉です。

その語源は英語の Pysical distribution にあるといわれています。

アメリカで生まれ第2次大戦後に経済が成長する過程で、急速に普及するようになりました。

経済成長を担う企業活動のあらたな領域を統括する概念として定着していきました。


やがて1980年代にアメリカでlogisticsが普及します。

全米物流管理協議会がロジスティクス管理協議会へ改名されたのが1987年です。

この流れは一定のタイムラグを持ってそのままに日本に入ってきます。

おりしもバブルの絶頂期1990年ころに様々な物流の問題が表面化してきました。

労働力不足の深刻化によるドライバー不足、賃金上昇、製品の多品種化、多頻度小口化の拡大

などによって物流コスト上昇に苦しめられました。

こうした状況は企業において改めて物流の重要性が認識され、logisticsが急速に普及していきま

した。

ロジスティクス本部のように部門にロジスティクスが付き始めたのがこのころです。

ロジスティクスの語源はフランス語のlogistiqueで、ナポレオンの時代に使われ始めた軍事用語だ

といわれています。

日本語としてはその訳語として兵站という言葉が使われました。

現在ではこれに加えて後方支援という言葉も充てられることがあります。

極限の状況である戦争において、最先端の兵士に必要な時に必要なだけの食糧や弾薬の物資を

迅速に効率よく届けることがロジスティクスという最先端の軍事科学です。

企業のビジネスにこれが取り入れられるのは自然な流れで、ビジネス・ロジスティクスが生まれ、や

がて単にロジスティクスと言われるようになりました。


日本がバブルの絶頂にあったころアメリカであらたな考え方が普及し始めます。

一企業の枠を超えて、取引企業間で新たな取り組みをし、グローバル化で一段と厳しくなった競争

に対応できるようにするための経営手法でした。

それがサプライチェーン・マネジメント(SCM)です。

これが日本に入った時に取り込み方を間違えました。

いま、日本の物流はおかしな方向に向かっています。


アメリカのSCMは普及するまでにCPFRという時代を経験しました。

CPFR(collaborative planning forecasting and replenishment )は日本語にすると「需要予測と在庫補

充を協業で計画すること」とでもなるでしょうか。

この時代にいろいろな協業(collaboration)が試されました。

特に小売りとメーカーとの間で小売りの需要予測を共有した、店頭在庫補充までのコントロールが

行われました。

このときに主導的役割を演じたのは小売り側です。

共同で製造原価や原料調達まで検討し、小売り側の販売予測に基づいて日々変化する最適の店

頭在庫をコントロールするというものでした。

このCPFRの時代を踏まえて流通に携わる複数企業が、需要予測に基づき各段階で最適在庫のコ

ントロールを効率的に行うSCMの時代に入っていきました。


一方日本においてはCPFRの経験をほとんどせずに直接SCMを輸入することが起こりました。

一つ間違うとSCMは強者のための理論武装となります。

そのポイントは小売り側が持つ需要予測(販売予測)です。

流通の最先端で必要な商品を必要な時期にいかに効率よく供給していくかが本来のSCMです。

日本の現状を表現すると次のように言うことができるでしょう。

日本におけるSCMは、流通における一番の影響力を持つ企業が、自社の効率を最大化するため

に構築したシステムによって流通全体をコントロールすること。

つまりは強者による一人勝ちのためのシステムになっているのです。

小売り側が持っている需要予測(販売予測)を共有することが最初の出発点であるにもかかわら

ず、供給側が勝手に需要予測をすることが起こっています。

SCMにおいてサプライチェーンを動かすトリガーとなるのは最先端の小売りの需要の変化です。

それをきっかけとしてサプライチェーンが連動して一番効率のよいロジスティクスを行うことが本来

のSCMですが、トリガーなしの供給側だけの都合の良いサプライチェーンが行われているのが現

状です。

小売り側がこの中に飲み込まれている状況が多いのです。


一人勝ちを狙う企業は規模も大きいですし、情報システムや物流センターへの投資もできます。

ここが流通全体を牛耳ってしまい、さらに一人勝ちの状況を作っていきます。

同じ流通に携わっている他の企業は、一人勝ちの企業のためのサポート企業としてのみ生き残る

ことが可能となって疲弊してくことになります。

SCMという言葉自体は供給側から見たら都合のいい言葉です。

部門名に使っている勘違い企業もたくさんあります。

日本型SCMは完全に強者の理論となってしまっています。

本来の姿に戻すべくささやかでも少しずづ変えていきたいと思います。




2013年5月10日金曜日

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の現状

物流受託に3PL(サードパーティ・ロジスティクス)という立場があります。

販売する側でも、購入する側でもなく中立的な対場(サードパーティ)として両者間の物流業務を受

託することです。

2000年ころよりチラホラ聞こえ始めてきた言葉です。

初めのころは物流利害当事者(売り手側と買い手側)の間にはいって、物流専門業者として中立的

な立場で業務行うことだと理解していました。

3PLが受託できることを目指してトレーニングを重ねた物流企業もあります。


最近の3PLは物流業務の一括受託(保管・配送)によって競争を排除することによって、荷主と直

接業務委託契約をしている業者の一人勝ちの構図を作ることになっています。

ある顧客のところでは直接契約ができて元請けの立場にいる業者が、他の顧客のところでは下請

けの立場で部分的な仕事を受けていることがたくさんあります。

業者によってはどこでも下請けだけで苦しい経営をしているところもあります。


顧客企業は大手小売業・飲食業が多く、自社の複数店舗への供給を効率化するために専用の物

流センターとして運用するのが一般的です。

その専用センターの運営から納品までを一括して受託してしまうのが今の3PLのやり方です。

そのためには物流センター用地の斡旋からセンターの建築・設備の設置まですべて対応できると

ころが有利となっています。

当然受託業者にとっては本業ではない業務もたくさん出てきますし、数千坪の物流センターとなれ

ばかなりの金額が動きます。

委託する側の企業とすれば1センターについて二ケタ億の投資となる場合も少なくありません。


結果として大規模な3PLを受託できる企業は限られてきてしまいます。

元請けができる企業はかなりの先行投資をして、3PLとしての受託を目指します。

いったん受託してしまえば後は人的に運用するだけです。

仕組みもシステムもまず見直すことはありません。

立ち上げ時と安定時のコストはかなり違ってきますが、これを検証して見直す習慣はありません。

一度受託してしまえば下請けを調整してどうにでも格好がつきます。


専門業者としての改善も改良も顧客企業には反映されることは少なく、利益として蓄えられていき

ます。

そのために立ち上げ時の契約はかなり無理をしても取っていくことになります。


本来ならば専門性を生かして啓蒙しながら存在価値のある仕事なんですがね。


2013年5月9日木曜日

失敗の許されない物流部

物流の業務に携わっている人たちが一番やりたくないことは何だと思いますか?

一般の会社では物流部に所属している人でも、自分で最後まで商品を届けることを仕事と

して行っている人はほとんどいません。

最後のとどけるという仕事は運送屋まかせがほとんどです。


自分の手の届かないこの運送屋まかせのところでおきたトラブルが原因で、頭を下げなけ

ればならなくなることが一番やりたくないことなのです。


直接自分がコントロールできる業務は限られていますが、最後の配送が完了し受領が確定

するまでには様々な業務があります。

そこには委託している業務も入ってきます。

委託している業務についてもその管理責任や結果責任はついてきます。

直接自分がしでかしてしまった失敗はすぐ謝ることも可能でしょう。

そうでない場合はいかに仕事上のこととはいえかなりのストレスになります。

そこで 何が起こるでしょうか?


過去からのわかりきっている業務内容で誰がやっても同じようにできる業務、さらにはその業務経

験者が複数いるという環境を壊したくないのです。

まったく初めて物流部門を立ち上げるとき以外は、すでにある業務をいじったり変更したりしたくな

いのです。

何かの失敗が出たときの他部門や顧客からの物流部門に対する突き上げは大変なものです。

物流現場で発生する問題を物流現場内で自分たちが解決しているときはほとんどうまくいきます。

しかし、外部から指摘された問題や業務の流れが変わるような問題については途端に頑なになり

ます。

これを力ずくでやろうとすると結果として部門総入替えがベストの策となりかねません。


もう一つ物流部門が抱えている以外に気付かれていない歴史的な弱点があります。

むかしの倉庫番が物流の走りですね。

配送はお客と接しますので店の看板ですからいわゆる営業が自分でこれをやっていました。

その倉庫番は誰がやっていたでしょうか?

「読み書きそろばんができないんだから倉庫番でもやっていろ」が倉庫番でした。

それでもよかったんです。

この時の倉庫番は倉庫の開け閉めと出入りの見張りが主な仕事でしたから。

最後の商品点検と鍵は店の責任者・番頭が行っていました。

いわゆる倉庫番・物流について一段下に見ていた歴史的な社会環境がありました。

また倉庫番・物流の担当者は他の業務、特に営業系に対して劣等感がありました。

いまだに物流部門への転属は左遷的なイメージを持たれることがあります。

そのために彼らは閉ざされた物流という世界(失敗さえしなければ他部署との接触はほとんどなく

て済む)でそこの業務についての専門職的なスキルを磨いてきたのです。

設備・マテリアルハンドリング・システム的な発展によって人的能力以外のものが物流の世界に入

ってこなければ、いまだにかかわったこのある人しかわからない世界だったかもしれません。

その物流がいまや企業の命運を左右する基幹業務として位置づけされるようになりました。

せいぜい15年程度でしょう。

まだまだ残っている引き継がれている物流ならでは感覚って結構ありますよ。


ヤマトや佐川の宅配便は消費者向けのきれいなところだけを集約した新しい物流です。

物流関係者にはまだ歴史を背負っている人がたくさんいます。

トップダウンがうまくいかいのもわかる気がしますね。


2013年5月8日水曜日

「在庫」と「罪子」

理想在庫はどのくらいか?

いろいろなデータを検討して商品別に理想在庫を設定したりしています。

しかし、現実の理想在庫を求めようとすると出荷・販売動向や生産動向によって常に変動しているデータから予測を立てることになります。

不確実なデータに基づいて理想在庫を予測することになります。

当然のごとく大きな幅を持って考えなければならなくなります。


流通におけるポジションでも考え方が異なります。

メーカーから小売りに向かって小売りに近づくほど販売機会ロスを恐れるために在庫を持ちたがります。

メーカーはできた製品をすぐにでも出荷したいので、できるだけ在庫を持ちたくありません。

どの立場で在庫を考えるかで理想在庫の考え方が大きく変わります。


現実の不確実なデータに頼らずに理想在庫を設定する方法があります。

そこに在庫があるから移動する行為が発生します。

そこに在庫があるから管理する行為が発生します。

そこに在庫があるから保管する行為が発生します。

理想在庫はゼロです。

この考えに基づいて「在庫」=「罪子」(zaiko)と言うことがあります。

つまり、在庫があることがすべての余分なコストの元であるとする考え方です。

唯一許される在庫は搬送途中の車中在庫のみとする見解です。


極論ではありますが在庫を持つことを前提に物流を構築するよりも、斬新な切り口になることが多々あります。

販売側と購入側がまずはともにゼロ在庫による運用を提案します。

相手のゼロ在庫の効果を考えたうえで、両者で一番効率の良い在庫の持ち方を検討します。

これができると売った買ったではなく、パートナーとしての役割分担が成立します。

売り手側がゼロ在庫を主張すれば、結果として買い手側が在庫を負担することになります。

買い手側がゼロ在庫ならば、売り手側が負担です。

そのコストは当然のことに最終消費者がトータルとして負担することになります。


両者で在庫を調整するといっても売り手側は売った後の物の動きについては分かりません。

勝った側は買う前の物の動きについては分かりません。

そこで需要予測ということが出てきます。

小売り側からか言えば販売予測ですね。

最近とみに需要予測(forecasting)がSCM(Supply Chain Management)のKEYと言われますが、

基本的な視点が違っていると思っています。

Supply(供給・売り手)側が流通の量を計画してコントロールすることはありません。

流通の量をコントロールするのは需要側からの発注量です。

Supply側ができることは大きな意味での需要の創造・市場開拓です。

コマーシャルとかライフスタイルの提案とか啓蒙活動ですね。

買い手側(小売り側)の持っている販売予測を共有できない限り、Supply側からの都合のいい販売はできないのです。


Supply側の理想は圧倒的な力を持つ商品の配給的送り込みです。

現在では、そんな独占的な商品はほとんど存在しません。

仮にあったとしても、すぐに同等品が供給され始めます。

またはきわめてニッチな商品で大きな流通には乗りません。

したがって、もうSupply側が主導権を握ることはほとんどないのです。

唯一の可能性は、大ヒット商品が誕生し生産数量が間に合わない場合の割り当てくらいでしょう。


流通量のきっかけはどんな場合でも需要(Demand)です。

最近では部門名にまでSCMを使用している企業が見受けられますが、需要側(Demand)を軽視していますよと宣伝しているようなものだと思っています。


SCMについては言いたいことがいっぱいあるのでまたにしますね。

今日は罪子のzaikoについてでした。


お気軽にご連絡ください。

2013年5月7日火曜日

問屋に集約された物流機能

物流・ロジスティクスの大きな要素として「運ぶ」ことと「保管する」ことがあります。

現実に物が動くことですからきわめて物理的な環境が大きな要素となります。

つまり、どこで作って、どこで保管して、どこで売るかによって「運ぶ」ことの効率が大きな影響を受けます。

また、メーカーの工場で作ったものを、最終的には小売店の店頭で販売するという一般的な物流を考えると、メーカーは生産に際しての理想的な量とタイミングがあります。

小売側も販売効率を最高にするための理想的な仕入れの量とタイミングがあります。

理想的な在庫の量は双方ともゼロです。

メーカーは在庫ゼロを目指して生産したものをすぐに出荷しようとします。

小売も在庫ゼロを目指して必要なときに必要な量だけ入れようとします。

どちらかの在庫をゼロにしようとしたら、もう一方は常に相手に合わせた余裕ある在庫を持たなければならなくなります。

「保管」することの効率を追求すると、トレードオフの関係となってしまいます。

相手のことを無視してしまえば高い買い物をしなければならなくなり、また相手に合わせて安い買い物をしたとしても運送や保管のコストがとんでもないことになってしまいます。

このように物流の効率においてはほとんどのことがメーカーと小売り側では相容れない内容となっています。


日本ではこの間の調整役を問屋が担ってきました。

メーカーは一度に同じものをたくさん作ったほうが単価が安くできます。

また、できた製品をすべていっぺんに引き取ってもらえればさらに保管のコストがかからないので安くできます。

小売り側も安く仕入れたいのですがメーカー側の提示するタイミング(リードタイム)と量(ロット)では対応できません。

問屋が間に立って、複数の小売やメーカーと調整を取ってそれぞれに合ったリードタイムとロットを設定して価格を調整してきました。

したがって、物流の調整機能を持たない問屋はどんどん淘汰されていきました。


変化が大きかったのは小売り側でした。

複数店舗から始まって、チェーン化そしてメガ小売りが台頭してくると、より細かくなった小売り側の要求にこたえるために問屋の生き残り策の決定打が物流対応になってきました。

問屋の中抜きで価格が下がるといわれた時代がありましたが、そうは問屋がおろさなかったわけですね。

この間に問屋が行ってきた物流対応は目を見張るものがあります。

数多くの物流企業がありますが、現在の日本で最高レベルの物流機能を持った企業は(食品)問屋だといえるでしょう。

メーカーと小売り側の両方を巻き込んでの効率化・健全化は業界の枠を超えています。

特殊物流やソーシャル・ロジスティクスに携わっている以外の物流企業、特に倉庫業や配送業はなんらかの形で問屋物流にかかわっているといえるでしょう。


私が問屋物流(中間流通)にかかわりだしたのが2000年ころです。

問屋が生き残りをかけて吸収合併と物流機能の充実に努めていたころであり、たくさんの貴重な経験をさせてもらいました。

特にシステムの進歩が目まぐるしかったころであり、業務のわからないITベンダーに頭に来ていたことを思い出します。


本当に効率のいい物流センターができ始めたのもこのころからです。

物流センター間のネットワークと機能別物流センターの構築は問屋物流の根幹となりました。

世界的に見ても人件費と土地のコストはスーパートップクラスの日本で物流コストが今の基準で収まっていることは、宅配便の発達と同時に頑張ってきた問屋のおかげだと思います。

でも、これからまだまだやるべきことがたくさんあるのも事実です。

普通にサラリーマンとして生きてきていたら、たぶん物流のことなんか知らなくても一生過ごせたんじゃないかと思います。

しかし、知ったことによってこの世界をライフワークにしようとまで思うようになりました。

問屋の物流機能は企業の優劣を決める決定打にもなるため肝心なところは社外秘のことが多く、触れる機会も少ないと思いますし公開されいる内容もごくわずかです。


これからますます増えてくるであろうネット販売や通信販売のキーポイントは物流です。

機会があったら一度物流の世界を覗いてください。

エスコートしますよ・・・。


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2013年5月1日水曜日

才数と重量

物流に「才」という単位があります。

あまりなじみがないと思います。

年齢の才と同じですのでよけい分かりにくいかもしれないですね。


1才=1尺立方(約30.3cmの立方体、約27,800㎤。27,000㎤とする場合と28,000㎤とする場合があります) です。

つまり容積のことですね。


通常の運賃計算は重量・距離でなされていることは知られていますが、軽くてもガサのはるものはどのように計算されているのでしょうか。

宅配便(宅急便はヤマトの登録商標です。宅配便が一般名詞です。)だとサイズ(タテ+ヨコ+高さ)で料金が決まっています。

でも、よく注意書きを読むと重量制限がちゃんと書かれています。

軽くてガサのあるものは容積を計算して、それを重量に置き換えるのですね。

その時の換算に使われているのが「才」という単位です。

1才=27,800㎤=8kg として重量に換算します。


宅配便サイズだと

80サイズ・・・5kgまで、100サイズ・・・10kgまで となっています。

1才=8kgが基準になっているんですね。


ちなみに、1石(コク)=10才という単位があります。

千石船の名のもとになった積載容量の単位と言われています。

1,000石=10,000才=280㎥ の積荷容積を持つ船ということですね。

ところが、もう一つ江戸時代の大名の米の石高の「石」は同じ容積の単位です。

1升(約1.8リットル)からきた物ですね。 1石=10斗=100升 です。

千石船は米を運んだのだからこちらの「石」のことだとも言われています。

こちらの「石」だと約1,800㎥ということになります。

実はどちらの説もそれなりに根拠があって、どちらが本当だったのか定まっていません。


物流上で余分なコストをかけないために、1才(=8kg)以下に1梱包を収めることが大切になってきます。

小さな物ならば1才以下の梱包にどれだけたくさん入れることができるかによって1個当たりの運賃コストが変わってきます。


この1才の大きさ、重さは人が長時間安定して運んだり持ったりできる限界の数値であるといわれています。

これより大きかったり、重かったりすると途端に作業効率が落ちてきます。

物流センターの作業効率のデータを実際に測ってみた時も、1才以下の物だけ扱った場合と1才より大きいものを混ぜた場合では大きく効率が異なりました。

むかしからの基準ですが、改めて検証してみると考えられた基準だと分かります。

えらいもんだなあ。



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2013年4月30日火曜日

ソーシャル・ロジスティクスについて

私は普段はビジネス・ロジスティクスの世界で活動をしています。

対応する世界としてソーシャル・ロジスティクスというものがあります。


ソーシャル・ロジスティクスとして一番わかりやすいものは公共交通機関です。

航空、船舶、鉄道、バス、タクシー・・・。

人が移動するためにお金を払って利用する乗り物と思っていただければよいと思います。

すでに社会のインフラとして機能しているものが多いですね。

さらには、ごみの収集、郵便などもソーシャル・ロジスティクスと言えます。

ここまで来るとビジネス・ロジスティクスとの境界がだいぶぼやけてきますが・・・。


私はビジネス・ロジスティクスを活動領域としていますが、考えているうちについソーシャル・ロジスティクスの領域に入ってしまっていることがあります。

そうなると頭がこんがらがってしまいます。

自分の中では以下のように区分けしています。


ソーシャル・ロジスティクス=社会のインフラとして根付いており、個人として使用し個人として費用を負担するもので利益を生まないもの。または公共機関がそのサービスとして費用負担をしているもの。

ビジネス・ロジスティクス=企業活動のために必要な調達・保管・移動およびそれに関連する業務で、企業が費用負担をしているもの。


大概のことはこれでうまくいくのですが、説明のつきにくいものがあります。

企業の業態にもよるのですが、企業活動で人が移動する交通費です。

通常の場合は活動費としてソーシャル・ロジスティクスとして考えることができるのですが、人そのものを商品としている業態の場合は時々考えさせられます。

コンサルティングや技術者支援、短期の派遣等ですね。

交通費として顧客に請求するものもあれば、場合によっては定期券や回数券を使用することによって利益を生むこともあります。

ルートによっては結果として利益が出てしまうものもあります。

ビジネス・ロジスティクスとしてコントロール下に置いたほうがいい場合もあります。


結局、区分はあっても絶対的なものではなく、臨機応変に考えればいいという結論なんですが・・・。

いろいろやっていくとロジスティクスだけでなく様々なことで、区分や基準と合わないことが出てきます。

過去の基準や誰かが作った区分を鵜呑みにするのではく、その都度ちゃんと考えて自分でもう一度やってみることが必要になってきているのですね。

「なぜ?を3回繰り返して掘り下げたら真実が見えてくる。」むかし言われましたけどなかなか実践できなかったな。

いま改めて「ほんとかな?」を発し続けたいですね。


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2013年4月26日金曜日

「物流」と「ロジスティクス」



物流とロジスティクスでは何が違うのか?

ときどき聞かれます。

いろいろなところで述べられていますが、はっきりした区別はありません。

私自身はどっちでもいいと思っています。



物流・ロジスティクスを考えるときの私の基本は次の通りです。

食堂を考えます。

おいしいものをお客さんに提供しようとする食堂です。


まずは材料を仕入れに行きます。

一番おいしく提供できる時期の材料を提供するお客さんの数を想定して仕入れます。

前日の残りの材料ではおいしい時期を過ぎてサービスが低下する(信頼の低下)心配があります。

余ってしまったら同様に持ち越してサービスの低下をさせないために不良在庫を処分する(利益の

低下)必要があります。

定番メニューの材料であれば、価格が高くても材料の質を確保するために揃えなければならない

ことも出てきます。


店としてのおいしさを維持しながら提供するお客さんの数に合わせて仕入れと仕込みを最適化し

なければなりません。

そうでないと、顧客サービスの維持・向上と処分損を減らすことによって利益率を維持・向上させて

いくことができません。


材料によっては新しければいいというものだけではありません。

仕入れてから少し寝かせたほうがおいしいものや、加工の仕方によっては同じ材料でも使用する

タイミングの異なるものもあります。

そうすると仕入れてからの材料の管理(在庫管理)も必要になります。


理想は無在庫です。毎日、必要なものを必要な分だけ仕入れることです。

しかし、想定以上にお客さんが多く提供できなければ顧客ザービスの低下(信頼の低下)となりま

す。

想定より少なければ余った材料の処分(利益の損失)となります。


一人で仕入れから調理までやっているお店なら、マスターが経験と勘と度胸(KKD)で効率を維持

できるかもしれません。

今日はこのくらいのお客が来そうだな(需要予測)や仕入れた材料から考えた今日のおすすめメニ

ュー(提案営業)で乗り切れるでしょう。


これが企業となって購買・生産・販売・物流などの部門になってくると、部門間の調整や共有が必

要になってきます。

購買・生産・販売についてはそれぞれの部門の効率化はトレードオフの関係になります。

それぞれの部門単独ににとって最も効率的なことが他の部門の足を引っ張ることになります。

すべての部門に物流・ロジスティクスの要素が一気通貫的に流れています。

全体最適は物流・ロジスティクスの観点から考えるといいですよ。


私は購買を含めた生産、販売、物流の3つの機能のうちで一番弱いところの分しかトータルとして

の効果は発揮されないと考えています。


2013年4月24日水曜日

ネット通販と物流

ネット販売や通販は物流に頼るところが大です。

無店舗販売、ネット販売は増える一方です。

ネット販売のKEYとなる機能は物流センターです。

オーダーを受けてから納品までのリードタイムに比例して、キャンセルが増えることは通販に限っ

たことではありませんが、リードタイムは短いに越したことはありません。

そのためにも高機能な物流センターが必要となります。


また、通販業態が店舗販売と一番異なるのが返品です。

実物確認ができない以上、店舗販売に比べてればかなりの返品を処理することになります。

返品率が20%を超える商品がザラにあります。

通販には返品マニア的な顧客(顧客と言えるかどうか)も存在しています。

返品業務は完全にコストです。

戻ってくるまで通常販売と同じコストがかかっているうえに、さらに返品処理のコストがかかります。


返品の処理の方法の善し悪しが通販業務の効率を決定してしまいます。

返品コストを甘く見たためになくなっていった通販はたくさんあります。

本当に良い商品を扱っていても、成り立たなかったところもあります。


日用雑貨の問屋においてはそれまでの商慣習を改め、日常的にあった良品の余剰返品とそれに

対するメーカー支援を改めました。

小売側の理解を求めて返品を削減しました。その結果、問屋・小売ともに仕入れ価格を下げること

ができました。


通販は実物が確認できない場合が多いですが、販売側がしっかりした商品選定と責任検品で対応

できればきっと減らせるはずです。

ネットオークションの出品者評価や購入者評価も参考になるはずです。

いたずらに売り上げを求めるのではなく「責任選定商品です。不良品以外の返品はできません。」

で対応できる商品を自信を持って販売してもらいたいです。

2013年4月23日火曜日

コストとフィー

コストとフィーのおかげです。

一つの疑問が解決しました。

キーワードは「コストとフィー」でした。

なんのこっちゃ? つい先日の話です。

物流コストについて話をしているときにどうもかみ合わないのです。

よくよく聞くと「うちは配送コストはかかってないから」と言うのです。

「では配送はやられてないんですね」

「やっているけど配送支払いはゼロだから」

支払額がゼロのものに対して意識は何にもしていませんでした。

いい言葉が見つからなくて配送に注意を向けることができませんでした。

ここは中間流通商社で、自社在庫なしメーカーから顧客への直送が流れでした。

メーカーからの請求は配送費込の商品代のみです。

つまりは商品代に配送費が含まれているのです。

メーカーは配送コストはかかっています。

ただし、配送費としてのフィーを商社に請求していないだけのことなんです。

「商品代金に配送コストが含まれていますよ」と言っても帳簿に載っているのは商品仕入れ分だけ

でそれに伴う配送費はありません。

フィーがゼロだからと言ってコストがゼロというわけではありません。

もちろん商慣習上すべてのコストをフィーとして請求できるわけでもありませんが、コストがゼロで

あることとフィーがゼロであること異なります。

物流コストっていろいろなところに隠れていますよ。

2013年4月22日月曜日

エネルギー問題と物流

エネルギー問題と物流は切っても切れない関係です。

エネルギー問題ひいては地球環境問題は物流にとって避けて通れないテーマです。

有限なる化石燃料の大量消費によって引き起こされる様々な事象は、便利さや効率性と引き換え

に人間自らの生存を危うくする状況を作ってきてしまいました。

かつてフロンが発見された時に悪影響の一切ない理想的な物質と言われたことがありました。

使い続けた結果、地球温暖化への道を一気に加速させてしまいました。

しかし、いまはフロンはほとんど使われていません。とても良い経験だと思います。

間違えることはこれからもたくさんあると思います。

でも、みんなで学び、早い段階で気づき、シフトしていけば解決していけるでしょう。

エネルギー問題は危機が迫っているのに、シフトがなかなか進まないことが厳しいところです。

使用するエネルギーそのものについて、物を運ぶ手段について、シフトを加速させる施策について

もっと気にしていく必要がありますね。

キーワードはたくさんあると思います。
 

様々な再生可能エネルギー、メタンハイドレード、ウォーターエネルギー、ハイブリッド、電気自動

車、水素自動車、一貫パレチゼーション、渋滞緩和、モーダルシフト・・・

対極にあるのは既存のエネルギーを利用することによる既得権益による抵抗・妨害です。

経済活動が停滞することを最大の理由にしていますが、人間・地球の持続可能性を考えたら誰で

も答えは同じだと思います。 

「どこでもドア」ができない限りは物を運ぶことはなくなりません。

それまでは少しでも「どこでもドア」に近づけるように、日々意識していこうと思います。

2013年4月20日土曜日

なぜ物流の世界へ

なぜ物流か?

物流に取組みだしたのはふたつの理由からでした。

一つ目は、ものが手に渡らない限り最終的にお金に換えることができないから。

お金を得るためにはお金に換える替えるべきものを何らかの方法で届けなければならない。

ものがなくなることはまずありえないから、物を運ぶ仕事がなくなることはないと考えたからです。

もう一つは、私の周りにいる人で賢そうな人で物流にかかわっている人がいなかったから。

「読み書き算盤ができないなら倉庫番でもやっていろ!」この倉庫番が物流屋さんでした。

一部の物流先進企業を除いて、実際に現場を見るほどに物流の発展余地の大きさと知的人材

不足(失礼!)を実感するようになったわけです。

そこでなら活躍の場があるのではないかと考えました。

物流先進企業において若い力のある人たちが、系統立った分析と実証をもとに新しい物流を作

りつつある姿も参考になりました。

そんなことで今からでも専門家として活動できる余地は十分にあると判断し、飛び込みました。

およそ15年位前のことです。

物流を学ぶ環境としては、もちろん大学の口座に物流関係のものなどありませんし、本屋で

探しても物流関連の本は区分さえありませんでした。

早稲田の大学院で高橋輝夫先生が初めて「ロジスティクス」と名のついた講座を持ったころだと思

います。そんな関係で高田馬場駅前の芳隣堂という本屋に何冊かあったと思います。

なけなしのお金で数冊買い占めてむさぼり読んだことを思い出します。講座で使用するテキストだ

ったのでしょう、やけにわかりにくいものが結構あったと記憶しています。