物流受託に3PL(サードパーティ・ロジスティクス)という立場があります。
販売する側でも、購入する側でもなく中立的な対場(サードパーティ)として両者間の物流業務を受
託することです。
2000年ころよりチラホラ聞こえ始めてきた言葉です。
初めのころは物流利害当事者(売り手側と買い手側)の間にはいって、物流専門業者として中立的
な立場で業務行うことだと理解していました。
3PLが受託できることを目指してトレーニングを重ねた物流企業もあります。
最近の3PLは物流業務の一括受託(保管・配送)によって競争を排除することによって、荷主と直
接業務委託契約をしている業者の一人勝ちの構図を作ることになっています。
ある顧客のところでは直接契約ができて元請けの立場にいる業者が、他の顧客のところでは下請
けの立場で部分的な仕事を受けていることがたくさんあります。
業者によってはどこでも下請けだけで苦しい経営をしているところもあります。
顧客企業は大手小売業・飲食業が多く、自社の複数店舗への供給を効率化するために専用の物
流センターとして運用するのが一般的です。
その専用センターの運営から納品までを一括して受託してしまうのが今の3PLのやり方です。
そのためには物流センター用地の斡旋からセンターの建築・設備の設置まですべて対応できると
ころが有利となっています。
当然受託業者にとっては本業ではない業務もたくさん出てきますし、数千坪の物流センターとなれ
ばかなりの金額が動きます。
委託する側の企業とすれば1センターについて二ケタ億の投資となる場合も少なくありません。
結果として大規模な3PLを受託できる企業は限られてきてしまいます。
元請けができる企業はかなりの先行投資をして、3PLとしての受託を目指します。
いったん受託してしまえば後は人的に運用するだけです。
仕組みもシステムもまず見直すことはありません。
立ち上げ時と安定時のコストはかなり違ってきますが、これを検証して見直す習慣はありません。
一度受託してしまえば下請けを調整してどうにでも格好がつきます。
専門業者としての改善も改良も顧客企業には反映されることは少なく、利益として蓄えられていき
ます。
そのために立ち上げ時の契約はかなり無理をしても取っていくことになります。
本来ならば専門性を生かして啓蒙しながら存在価値のある仕事なんですがね。