屋号という商号がありますが家業という言い方もありますね。
専門的なことをする人に対しても〇〇家や〇〇屋といった言い方もありますね。
ニュアンス的には屋の方が若干卑下したような感覚を持っているのではないでしょうか。
両方が使える言い方があるのでしょうか。
政治家に対して政治屋と言い出したのは馬鹿にした表現であって本来は家だけしかないと思います。
ラーメン屋であって〇〇家という家系の店もありますし、専門家というものも洒落で専門屋ということはあっても日本語変換入力の「せんもんや」では専門屋に一発変換できないものとなっていますね。
感覚的には家の方はそのことを専門的に研究したり実践している人のことを表す言葉のようでありますし、屋の方は商売として生業にしている相手に対して一歩へりくだった言い方のような気がします。
身近なところでよく聞くのは落語家の系譜ではないでしょうか。
その昔、「英国屋ブラック」なる落語家がいましたが10回以上名前を変えていました。
最後は快楽亭ブラックではなかったかと思います。
落語家の系譜で多いのは明石家、橘家、林家などの家系と春風亭、三遊亭、古今亭などの亭系ですね。
大看板が浮かんできそうですが、演芸場(寄席)も一緒に浮かんできそうな気がします。
千歳屋、江戸屋、小金屋なども見ることができますが、数としては屋はすくないと思います。
反対に圧倒的というよりもすべてが屋になっているのが歌舞伎の屋号ですね。
尾上菊五郎系統の音羽屋、中村歌右衛門系列の成駒屋、市川団十郎・海老蔵系列の成田屋、中村勘三郎・勘九郎系列の柏屋などすべてが屋になっています。
お客様相手の商売であることが鮮明に打ち出されているのではないでしょうか。
観客の方も屋号で声を掛けるのが通の見方になっているようですね。
家の音読みは二種類あります。
呉音からきている「ケ」と漢音からきている「カ」です。
「や」と読むのは「いえ」と同じで訓読みになります。
漢語(中国語)読みには「や」はないんですね。
常用漢字以外の読み方としては「うち」と読ませることもありますが話し言葉としての使い方の方が多いために漢字ではあまり使わない読み方ですね。
〇〇家として「〇〇や」と読ませるのは日本語独特の読み方となっています。
そのために屋と混同するようなことが起きているのではないでしょうか
一方、屋の音読みは呉音も漢音もともに「オク」です。
訓読みも「や」の一つになっています。
ともに接尾辞としての使用が例に挙げられており、〇〇家として〇〇を専門に行っている人の意味があり、〇〇屋として屋号として商売をしていることを表していることを示しているとされています。
ただし、〇〇家は「〇〇カ」であり訓読みの「や」は使用できません。
どちらも熟語としての「家屋」があるように家に関することを表している言葉になるのですが、家が全体や象徴としての家系を表していることに対して屋は一部であったり商売的なことを意味することが多いと思われます。
確かに同じことをしていても自分のことを建築家と呼んだり建築屋と呼んだりすることはありますね。
屋が身近なものであり現実的な技術に優れて直接役に立つことをしていそうな感覚を持っているのに対して、家は偉そうな実務離れした先生と呼ばれるような感覚があるのはわたしだけではないと思われます。
少なくとも自分のことを家を付けて呼び始めると現実離れしたおかしな世界で生きていくようになるんでしょうね。
持って生まれた家業として家を名乗らなければならない人ほど気を付けているのではないかと思います。
とくにお互いに家を付けて呼びあうようになっている環境は気持ち悪いものではないでしょうか。
その中で慣れてしまうと埋もれてしまいわからなくなってしまうのでしょうか、いつの間にか〇〇家ばかりの一般世間とかけ離れた集団になっていることがあります。
家であるのか屋であるのかは自分で決めることではないと思われます。
そのためには「〇〇家」を「〇〇カ」と呼ぶことを止めるといいのではないでしょうか。
日本語としての音である「や」で呼べば家も屋も一緒になってしまいます。
「〇〇や」ですと自分を呼び続けていきたいものです。
それが家と受け取られるのか屋と受け取られるのかは相手任せがいいのではないでしょうか。
実際の相手の役に立っている場合であれば屋と見てもらえることが多くなると思います。
「カ」という音にはどうしても疑問の感覚がついているように感じています。
イメージとして表現してみると「カ?」になるのでしょうか。
そのようにしてみると〇〇家という肩書を見るとどうしても「〇〇か?」と感じてしまうのはうがった見方なのでしょうか。
そんなことを思っていたらおなかがすいてきました。
何と、吉野家と松屋がすぐそばにありました。
今日は牛丼でも食べてみましょうか。
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