なぜ物流か?
物流に取組みだしたのはふたつの理由からでした。
一つ目は、ものが手に渡らない限り最終的にお金に換えることができないから。
お金を得るためにはお金に換える替えるべきものを何らかの方法で届けなければならない。
ものがなくなることはまずありえないから、物を運ぶ仕事がなくなることはないと考えたからです。
もう一つは、私の周りにいる人で賢そうな人で物流にかかわっている人がいなかったから。
「読み書き算盤ができないなら倉庫番でもやっていろ!」この倉庫番が物流屋さんでした。
一部の物流先進企業を除いて、実際に現場を見るほどに物流の発展余地の大きさと知的人材
不足(失礼!)を実感するようになったわけです。
そこでなら活躍の場があるのではないかと考えました。
物流先進企業において若い力のある人たちが、系統立った分析と実証をもとに新しい物流を作
りつつある姿も参考になりました。
そんなことで今からでも専門家として活動できる余地は十分にあると判断し、飛び込みました。
およそ15年位前のことです。
物流を学ぶ環境としては、もちろん大学の口座に物流関係のものなどありませんし、本屋で
探しても物流関連の本は区分さえありませんでした。
早稲田の大学院で高橋輝夫先生が初めて「ロジスティクス」と名のついた講座を持ったころだと思
います。そんな関係で高田馬場駅前の芳隣堂という本屋に何冊かあったと思います。
なけなしのお金で数冊買い占めてむさぼり読んだことを思い出します。講座で使用するテキストだ
ったのでしょう、やけにわかりにくいものが結構あったと記憶しています。