2013年4月26日金曜日

「物流」と「ロジスティクス」



物流とロジスティクスでは何が違うのか?

ときどき聞かれます。

いろいろなところで述べられていますが、はっきりした区別はありません。

私自身はどっちでもいいと思っています。



物流・ロジスティクスを考えるときの私の基本は次の通りです。

食堂を考えます。

おいしいものをお客さんに提供しようとする食堂です。


まずは材料を仕入れに行きます。

一番おいしく提供できる時期の材料を提供するお客さんの数を想定して仕入れます。

前日の残りの材料ではおいしい時期を過ぎてサービスが低下する(信頼の低下)心配があります。

余ってしまったら同様に持ち越してサービスの低下をさせないために不良在庫を処分する(利益の

低下)必要があります。

定番メニューの材料であれば、価格が高くても材料の質を確保するために揃えなければならない

ことも出てきます。


店としてのおいしさを維持しながら提供するお客さんの数に合わせて仕入れと仕込みを最適化し

なければなりません。

そうでないと、顧客サービスの維持・向上と処分損を減らすことによって利益率を維持・向上させて

いくことができません。


材料によっては新しければいいというものだけではありません。

仕入れてから少し寝かせたほうがおいしいものや、加工の仕方によっては同じ材料でも使用する

タイミングの異なるものもあります。

そうすると仕入れてからの材料の管理(在庫管理)も必要になります。


理想は無在庫です。毎日、必要なものを必要な分だけ仕入れることです。

しかし、想定以上にお客さんが多く提供できなければ顧客ザービスの低下(信頼の低下)となりま

す。

想定より少なければ余った材料の処分(利益の損失)となります。


一人で仕入れから調理までやっているお店なら、マスターが経験と勘と度胸(KKD)で効率を維持

できるかもしれません。

今日はこのくらいのお客が来そうだな(需要予測)や仕入れた材料から考えた今日のおすすめメニ

ュー(提案営業)で乗り切れるでしょう。


これが企業となって購買・生産・販売・物流などの部門になってくると、部門間の調整や共有が必

要になってきます。

購買・生産・販売についてはそれぞれの部門の効率化はトレードオフの関係になります。

それぞれの部門単独ににとって最も効率的なことが他の部門の足を引っ張ることになります。

すべての部門に物流・ロジスティクスの要素が一気通貫的に流れています。

全体最適は物流・ロジスティクスの観点から考えるといいですよ。


私は購買を含めた生産、販売、物流の3つの機能のうちで一番弱いところの分しかトータルとして

の効果は発揮されないと考えています。