2013年5月13日月曜日

物流のパワーゲーム

情報システムの発展によって物流システムは大きな変化を遂げたました。

人手に頼っていた物流はその生産性において飛躍的な発展を遂げてきました。

分散型のマイクロプロセサー処理の一番の恩恵を受け、情報システムの発展に寄与したの

は物流業界だともいわれました。


日本においてはいまだに物流システムを高度化しようとする企業がぶつかり合って対立と  

緊張を繰り広げています。

この状況を物流(システム)のパワーゲームと呼んでいます。


1990年ころバブルの最盛期にロジスティクスという概念がアメリカより導入されました。

一社の効率化では限界にきた物流を流通を通じて(調達から販売まで)、トレードオフの

関係を調整しながらさらなる効率化をしていこうという考え方です。

労働力不足(物流分野に回ってこない)、賃金上昇、扱い品目の増加、納品要件の複雑

化、小口多頻度化などによって企業の物流コストは上がる一方でした。

そこに力を持った(チェーン化や買収、多店舗化によって)小売りによる、卸機能の中抜

きの取り組みが始まりました。

メーカーとの直接交渉によるプライベート・ブランド(PB)商品の開発などです。

危機感を感じた卸売業はロジスティクスに勝機を見出します。

メーカー調達から小売りの店頭までのロジスティクスを一手に引き受けて、力を持ち始め

た小売業へ対する細かな納品サービスに対応するようになります。

特定小売業のために業務を特化した専用の物流センターを設置して効率化による物流コス

トの削減を小売業に提案します。

自社の商流ではない商品群もこの専用センターを利用させることによって小売業への納品

の効率化を実現します。

自社以外の商流元に対しては、物流センターを利用する手数料としてセンターフィーを科し

ます。

小売業は同じカテゴリーの商品ならば商流がどうあれ一緒に納品されたほうが助かります

から、取引先に対して専用の物流センターの利用を強制的にすすめます。

小売業に対しての専用物流センターを運営する卸業者に、この流通の物流のコントロール

が集約されてしまうことになります。


一方で卸売業は大手小売業を取り込むことによる絶対的な購買力(バイイングパワー)によ

って、メーカーとの取引においても優位な立場を築いていきます。

力のある卸企業同士による共同調達機能の成立です。

日本の卸業のNo.1とNo.2(ともに1兆円企業)が共同でメーカーからの調達会社を作って、

巨大な物流センターを運営し、メーカーからの調達を一手に引き受けます。

メーカーとしてはこの会社との取引は死活問題となります。

当然、できる限りの取り条件の上で付き合うことになります。


巨大卸売業による物流システムの競争は、物流システムの高度化とともに小売業とメーカ

ーを巻き込んだパワーゲームの様相を呈しています。

日本の卸業による物流・ロジスティクスはどれをとっても世界の最先端を行っています。

物流専門企業の上を行っているものです。

しかし、それはほんの一部の巨大投資ができた企業だけのことです。

本当にここまでのシステムやサービスが必要なのかどうか、当然そこでコストがかかってい

ますがそのコストはきちんとフィー化されているのかどうか。

各取引業者が適正な利益を確保しながら、その流通に参加できているのか?

日本型SCMは強者の理論であるといわれています。

強者が都合のいいようにできている仕組みに乗らないと、その流通に参加すらできないよう

になってしまっています。


このようなメガ流通に対して、もっと小さな流通として参入しやすい流通があるはずです。

ソーシャルを利用して規模は小さくても面白いものがあるような流通は可能です。

そこで物が動く限り物流からは逃げられません。

そんな物流の組み立てを手伝っていきたいと思っています。

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