2016年3月3日木曜日

「現代やまとことば」を経験する(3)

今回も同様に次の文を例として「現代やまとことば」への置き換えをしてみましょう。
(参照:「現代やまとことば」を体験する(1)(2)

もともと話し言葉になっていない文章ですので難しさはありますが、そこもいい経験としてやってみて欲しいと思います。

例文:
【IT技術の進展により、様々な知的資源、文化資源をデジタル化して保存、発信する「デジタルアーカイブ」が脚光を浴びています。】

文節展開:
【IT技術の/進展により、/様々な/知的資源、/文化資源を/デジタル化して/保存、/発信する/「デジタルアーカイブ」が/脚光を/浴びています。】

単語抜出(ひらがなことば抜き):
【IT技術/進展/(様々)/知的資源/文化資源/デジタル化/保存/発信/「デジタルアーカイブ」/脚光/(浴びて)】


「IT技術」「進展」は先回やっていますので、「知的資源」からです。

さて、どんなひらがなことばで置き換えができるでしょうか。
ひとことでは難しそうですね。

ここでは次の「文化資源」と一対になっていることに注目しておきたいと思います。


「知的資源・文化資源」と一緒にして対象にしてみたいと思います。

自分のひらがな言葉の感覚でできるだけ直訳的に置き換えてみようと思います。

知的⇒人が頭を使ったもの、人が工夫を凝らすしたもの、人が技を凝らしたものなどでしょうか。


文化との対比でみてみるとわかり易いかもしれませんが、私の言葉では「文化」が上手くひらがな化できませんでした。

自分の言葉として「文化」がきちんと定義できていないことの表れなんですね。

いい機会ですので挑戦してみようと思います。

文化⇒生きてきた工夫、自然と共に生きる術(すべ)などでしょうか。

知恵という言葉を使いたいところですが音読みが含まれていますので避けてみました。


資源⇒役に立つために残しておいたもの、残しておきたいものなどでしょうか。

自分のひらがな言葉に置き換わったらあとは意図に沿ってどの表現が伝わりやすいかを選択することになります。

「様々な」はそのままひらがな言葉ですので使うことにします。


わたしのことばでは「様々な知的資源、文化資源を」が「様々な人が技を凝らしたものや生きてきた工夫を」と置き換わりました。

コツをつかむためにまずは直訳的にやっていますので、しつこい表現になることはあると思われます。

いったんコツがつかめれば意図を把握することで全く別のひらがな言葉に置き換えたほうがふさわしい場面も多く出てきます。


もう少しやってみましょう。

最近よくお目にかかるカタカナです。

「デジタル化」ですね。

ここで言っているデジタルとはアナログの反対の意味ではなくデータ化や圧縮化などのデジタル的な技術のことを言っていると思われます。


しかも、後に固有名詞としての「デジタルアーカイブ」がカッコつきで登場してきますので、意味合いとしてはコンピュータ技術などによって今までよりも簡単に使いやすくなるとなるという意図ではないかと推測できます。

この場合のようにカタカナ言葉は使っている人によって意図する内容にかなりの開きがある場合が多くなっています。

より自分の感覚で意図に沿ったひらがな言葉にすることが大切です。


例題における「デジタル化」はことさらデジタルであることに意味があるのではなくて、デジタル化によってもたらされた便利さのことに意味を置いていると思われます。

したがってひらがな言葉に置き換える場合には特に「デジタル」を意識する必要はないことになります。

「よりやさしく使いやすくして(デジタル化)」とした方がいいのではないかと思います。


次の「保存」についても「知的資源」と同じように後に続く「発信」と一対にして扱った方がわかり易いですね。

「保存・発信」とすればひらがな言葉でも簡単に置き換えられますね。

「保つこと、残しておくことや伝えること、知らせること」などとすればそのままいけるのではないでしょうか。


その次がこの文章の意図ですね。

「デジタルアーカイブ」です。

この言葉に注目してもらうためにこの文章があることになります。

この言葉が今注目されているんですよ、あなたも注目してくださいねというのがこの文章の意図になります。


これ以前の文章はすべてが「デジタルアーカイブ」を説明しているものですが読んでもよく分かりません。

「デジタルアーカイブ」という言葉や技術があることを理解すれば十分に意図が伝わったことになるのではないでしょうか。

わたしにはこの言葉はさっぱりわかりませんので、ひらがな言葉に置き替えができません。

「デジタルアーカ...」の画像検索結果

最後は「脚光」ですがこれは「脚光を浴びる」で一つの言葉として扱った方がわかり易いのではないでしょうか。

「注目されている」や「注視されている」と言った意味になるのですが、練習のためにひらがな言葉を引っ張り出してみましょう。

「数多く取り上げられている」などでどうでしょうか。


「数多く」は漢字で表記されていますが二文字ともに訓読みであり完全なひらがな言葉です。

話しことばとしてはわかり易さのために大切なひらがな言葉ですが文字として表記する場合にはひらがなが続くと読みにくいものとなってしまいます。


私たちの日常では物書きでもない限りは書くことよりも話すことの方がはるかに多いと思われます。

それよりも聞くことの方がさらに多くなっています。

ひらがな言葉で伝えられた時のわかり易さと安心感をもっと経験してもらいたいと思います。


ここまで見てくると気がつく人も多いと思います。

そうです、まさしく言葉を覚えたての子どもたちに説明するのと同じことなのです。

彼らも少ないながらひらがなの言葉をしっかりと持っているのです。

その言葉を使って予測や想像を広げることもできるのです。


同じようにお年寄りでもきちんと音さえ拾うことができればひらがな言葉でしっかりと理解できるのです。

聴力が衰えてきているためにひらがなの音がことばとして聞き取り難いだけのことなのです。

ひらがな言葉は対象を選ばない、誰に対してもきちんと伝えることができる言葉なのです。


実はイヤホンやヘッドホンで音楽をいつも聞いている人は誰よりも多くのひらがな言葉を聞いているのです。

歌詞はひらがな言葉のオンパレードなのです。

だから書かれた歌詞を見なくとも聞いて理解しやすいのです。


もっとも最近の曲ではひらがなの音自体がとても聞き取り難い曲が多くて言葉自体がつかみにくくなっていますね。

それでも中島みゆきやさだまさしなどの曲を聞いた時に感じる安心感と理解しやすさからつながる共感がうれしくなりますね。

明らかに意識してひらがな言葉を使っていると思われる歌詞もたくさんあります。

かなり参考になりますよ。



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