2015年7月1日水曜日

言語で決まる思考の性格

人の性格を決める大きな要素として、持って生まれたものと後天的な環境があると思われます。

持って生まれたものは自分で選んだり意思を持って変えたりすることは出来ませんが、後天的な環境については自らの意思で選んだり変えたりできるように言われることがあります。

自分の意思と行動力によって性格そのものを変えることができるように言われるのもそのためです。


しかし、後天的な環境によって形成される性格においても、基本的な部分についてはいわゆるもの心がつく前に決まって決まっていることがほとんどのようです。

そのように見てくると、自分の意思を持って知的活動が行なえるようになるころには、個人の性格的なことはほとんど決まってしまっているということができます。


この性格は当然のように思考における性格として、ある種の傾向を示すようになります。

敢えてその傾向に逆らうようなことをしない限りは、自然と何らかの傾向を示すようになってくることになります。

この傾向を形作るものが、持って生まれた気質・性格であり、後天的に環境によって形成された性格・傾向ではないでしょうか。


持って生まれた気質については、西洋占星術や四柱推命学などによって知ることができるようになってきています。

これらは、一般的な占いとは一線を画した統計に基づいた科学的なアプローチによるものだということができます。

統計学的なアプローチによるものですから、例外は付ものですしその分類がすべてに当てはまるものではりません。

それでも、グループとしての傾向を示すものとしては十分役に立つものとなっていると思われます。


本格的な占星術や四柱推命になると個人的な細かな情報に基づいて統計学的な分類に照らし合わせることが行なわれますが、一般的な傾向を知るためならば簡素化されて身近になった動物占いや気質学などでも十分対応できることが分かります。

持って生まれた気質については、生年月日時間という固定した情報を基にして統計的に収集され分類されたものがほとんどですので、比較的わかり易い分類が出来上がっています。


四柱推命にしても西洋占星術にしても、元のデータが収集され分類された地域における生年月日が基準になっていますので、その地域と時間的なズレがある場合には修正が必要になります。

四柱推命の発祥地は中国ですので、日本において対象とする場合には中国との時間のズレを調整しなければいけません。

そのズレの修正によっては、日本における生年月日を読み替える必要も出てくることになります。

この修正がしっかり行われていないと、せっかくの統計・分類に対して誤った利用をすることになってしまいます。


後天的な環境は、生年月日のような固定意的な要素がありませんので千差万別の状況になります。

それでも、後天的な環境における一番大きな要素をとらえることによって傾向を知ることができると思われます。

その一番大きな後天的な要素が言語だと思われます。


後天的な環境のあらゆる影響が言語によって行われていることになりますので、言語が持っている基本的な性格はすべての後天的な影響に及んでいると言えるのではないでしょうか。

知的活動は言語によって行われる活動ですので、その中心である思考にも言語の持つ性格や傾向は大きく影響していることになります。


このことは同一言語を使用している環境においては、意識することもなく問題にすることもなかったことではないでしょうか。

様々な言語と触れる機会が増えたことだけではなく、それぞれの言語によって作り上げられた論理に言語の持つ性格が反映されていることが分かってきたからです。

それぞれの言語が持っている基本的な性格が存在しており、その言語を使用してなされる知的活動においてはその性格を反映した傾向が現れることになります。


単一言語の環境においては意識する必要もなかったことが、単一言語やその言語によって作り上げられた論理や技術の中だけで生活していくことは不可能な環境になってきています。

単一言語だけを取り上げているうちは、言語の持っている性格については考える必要もなかったと思われます。

自分の持っている言語が意識しなくとも持っている基本的な性格を知っていることは、これからますます重要になってくると思われます。


持って生まれた性格・気質に母語として持っている言語の基本的な性格が合わさったものが、自分の知的活動における傾向を決める要素となっていると思われます。

敢えて方向性を決めて行わない知的活動においては、自然とこの傾向が現れることになります。


このことは、いくつかある選択肢から選ぶ場合の傾向にも現れてきますし、論理の組み立てにも現れてくることにもなります。

また、この傾向に沿って行なう知的活動が、自分にとっては一番得意な活動方法であり効率が良い質が高い方法でもあることになります。

したがって、自分の知的活動の傾向を知っていることは、効率の良い質の高い知的活動を行なうためにも必要なことにもなります。


持って生まれた性格や気質を知ることと同じように、自分の持っている母語の性格や傾向を知ることでさまざまな活動が楽にできるようになります。

また、違った性格や傾向とぶつかった時のストレスの対処の方法が見つけやすくなることにもなります。


日本語は、他の言語とは違った特徴をたくさん持った言語となっています。

持って生まれた性格や気質は使用言語に関係なくあらゆる人に共通することかもしれません、それに言語が加わった時にさらに細かく分類がなされていくことになるのではないでしょうか。

日本語の性格や特徴について知っておくことはいろいろな場面で役に立ちそうですね。