言語の習得の状況や言語の特徴を見ていくことは、そのままその言語を使用する人の知的活動の特徴を見ていくことになります。
一人ひとりの言語は異なっています。
それでも日本語という特徴の中では同じ種類のものということができます。
ひとつずつの言葉に対する解釈や使い方が一人ずつ異なる部分であり、日本語としての他の言から見た特徴については、日本語話者としての共通の特徴を備えているということができると思います。
一人ずつの日本語は微妙に異なりながら、日本語という共通する特徴を持った言語で知的活動を行っていることになります。
同じ言葉であっても一人ずつの解釈が微妙に違っていますので、共通言語が必要になるわけです。
正確さが必要になればなるほど、そのものを限定的に表す言葉や表現が必要になってきます。
品番という表現方法は、そのものを限定的に特定するのにおいて取られる表現方法です。
誰がどんな表現をしようとも、品番ひとつでそのものが正確に限定されてしまうのです。
一般的に日常会話で使用されている言葉では、そこまでの限定をする必要がありません。
しかも同じ言葉を使っていても、その言葉に対する解釈は一人ずつ異なっています。
発信者が意図したことが、発せられた言葉を通じて完全に伝えられることはないと思っていた方が間違いないのではないでしょうか。
勘違い、思い込みなどということは日常的に起きていることなのだと思います。
反対に言語の使い方を上手に行なえば、自分の意図することを正確に伝えることや相手の感情を動かすこともできるのではないでしょうか。
ここからは世界の他の言語、特に英語と比較したときの日本語の特徴を見ていきたいと思います。
言語の特徴から起きている日本独特の言語習得の段階や言語教育についてです。
言語の特徴から来る日本語独特の言語技術などを見ていきながら、日本語の特徴を生かした知的活動へ結び付けていきたいと思っています。
日本語は世界の言語の中でも特に際立った特徴を持った言語であるので、他の言語の系統とはほとんど交わることがありません。
唯一、漢語として導入されったことによって中国語との接点はありますが、その後の言語としての発展は全く独自のものとなっています。
世界でも完全に孤立したとても珍しい言語となっています。
世界の共通語として英語がその地位をほとんど不動のものとしてきました。
英語とのかかわりもどのようにしていったらいいのか、現在小学校5年生から行われている英語教育が3年生にまで引き下げられようとしています。
本当に必要なのでしょうか、そんなことで何を目的としているのでしょうか。
ネイティブ同士の会話の約90%を理解しようとしたときに必要な単語数が調べられたことがあります。
フランス人同士がフランス語で会話している内容を90%以上理解しようとするには、2,000語のフランス語を知っている必要があるとの結果が出ています。
同じようにアメリカ人同士が英語で会話している内容を90%以上理解しようとするには、3,000語の英語を知っていればできるそうです。
さて、日本語ではどうでしょうか。
実験によれば、日本人同士が日本語で会話している内容の90%以上を理解しようとすると、10,000語の日本語を知っていなければできないそうです。
日本語はおそらく現存する言語のなかで、一番複雑で大きな言語だと思われます。
言葉(語彙)がたくさんあります。
文法(構文)は極めてゆるやかで省略や置き換えは当たり前のようにあります。
文字は「ひらがな」「カタナカ」「漢字」「アルファベット」の4種類もの文字を日常的に使いこなしています。
使えるように習得するだけでも、他の言語よりもはるかに長い期間を必要とします。
それだけに反対にこんな言い方もされています。
日本語を習得している者は、他のどんな言語でも比較的簡単に使いこなすことができるようになる。
英語は必要になった時に取り組めばいいだけのものです。
言語は日々新しくなっています。
10年も前の英語を使っても、笑われるだけです。
コミュニケーションのための言語は最新のものを身につけなければ意味がありません。
日本語であっても外人が「拙者、〇〇でそうろう」などと言っていたら「?」となりませんか。
同じことを私たちは英語で平気でやっているわけですね。
日本語は母語としての日本語を持っている日本人である私たちでしか使いこなせないのです。
その私たちたちが英語に傾いてしまったら、せっかくの日本語がすたれていってしまいます。
こんなに素晴らしい言語を劣化させることはあってはならないことだと思います。
少しでも興味を持ってもらえるように発信していきたいと思います。
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