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2016年9月18日日曜日

日本語の音

ひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットと日本語を表記するために日常的に使われている文字は四種類もあります。

複数の文字種類を持つ言語は韓国語(ハングル・漢字)にようにいくつか存在していますが、その文字が混在しながら日常的な文章が表現されているのは日本語くらいではないでしょうか。

たまに見かけるものは固有名詞として言語の表記が登場するもの程度ではないでしょうか。


漢字としての日本語が存在している言葉については四種類の文字での表記が可能となっています。

そして同じ言葉であっても表記されている文字の種類が異なれば日本語としてのニュアンスが違っていることによって使い分けをされていることが日本語の表現を豊かにしている一つの要因となっています。

一つの言葉について表記できる文字の数だけ日本語としてのニュアンス・感覚が異なる表現を持っていることになっていることになります。


一般的な情報については視覚によって認知されるものが80%以上と言われています。

これをして「人は見た目が○割」などという間違った認識がまかり通ってしまうこともありますが、日常生活においても視覚による情報に頼っている部分はかなり大きなものとなっています。

文字の種類は視覚による認知によってしか判断することができません。


一般情報と比較すると言語情報については聴覚による認知が80%以上を占めているといわれています。

一般的な言語情報といっても分かりにくいかもしれませんが代表的な言語情報として電話による情報やラジオによる情報を思い浮かべるといいと思います。

人が言語を認識している場合にはほとんどの認識を聴覚によって行い、視覚を中心とした他の認知によってその情報を補足しているといわれています。

したがって、文字の使いわけの感覚を言葉の音で表現することができない日本語は表記文字の少ない言語話者から見ると理解しにくい言語であることになります。


日本語の持っている音はどの文字を使用したとしても一種類しかありません。

それは読み方を指定するときの「読み仮名」として利用されているものを見るとよくわかると思います。

そこで使われているものは「仮名」であり、ひらがなでありカタカナであることになります。

表記文字はひらがなとカタカナの二種類が利用されていますが、音としてはひらがなもカタカナも全く同じものです。

ここでは代表として「ひらがなの音」を日本語の音として扱い、カタカナはそれと全く同じ音の表記文字の違いとして扱うことにします。


つまり、日本語は四種類の表記文字と一種類の音で表現されているものということになります。

読み仮名としてひらがなが使われているということは発音記号の役割を果たしていることになります。

しかし、同じひらがなであっても「は」や「へ」のように使われ方によっては「ワ」や「エ」と読ませる場合があることなどから完全な発音記号としては機能していないといえます。


それでは日本語の音は一体いくつあるのか見てみましょう。

日本語の音は「ひらがなの音」ですので、一番安直に言えば五十音ということになるのでしょうがそれでは科学的ではないのでもう少し詳しく見てみましょう。


ひらがな=五十音表 という感覚が染みついてしまっているのですがひらがなの五十音表にある文字数は現代仮名使いでは「ん」を含めて46文字になっています。

文字は46文字ですがその中で同じ音を持っているものがあります。「お」と「を」が同じ音を持っているために46文字に対して音の数は45音となっています。

五十音表にある音のことを清音と呼びますので、清音として45音を持っていることになります。

先ほどの「は」や「へ」のように使われ方によっては複数の音を持っている持ってい文字もありますが、その音については清音の45音の中の音に収まっていますので音数として増えることにはなっていません。


清音に対して濁音と半濁音が別の音として存在しています。

濁音は「が」「だ」のように「゛」が付いているものであり半濁音は「ぱ」「ぴ」のように「゜」が付いている音のことです。

濁音文字は「が」「ざ」「だ」「ば」行のそれぞれ五文字の20文字ありますが、その中でも音としては同じものがあります。

ざ行の「じ」「ず」とだ行の「ぢ」「づ」が同じ音となっているので20文字に対して音の数は18音を持っていることになります。


半濁音は「ぱ」の行だけですので文字数も音数も5となっています。

ここまでの合計で日本語の音数の合計は清音45+濁音18+半濁音5=68音となっていることになります。


さらに「きゃ」「きゅ」「きょ」のような小さなひらがなを含む音があります。

これを単独の音とする場合と「きや」の音の短い言い方として別の音としてカウントせずに68音の基本音の言い方のバリエーションとする場合があります。

別の音とする場合は、小さな「ゃ ゅ ょ」の付く音が「か、さ、た、は、ら、が、ざ、だ、ば、ぱ」行のイ段の音「き、し、ち、ひ、り、ぎ、じ、ぢ、び、ぴ」になりますので10文字になります。

しかし、同じ音が「じ」と「ぢ」にありますので音としては9音になります。

それぞれに「ゃ ゅ ょ」の3音が付きますので9×3=27音が基本音の68に加えられて合計95音が日本語の音として最大のものとなります。


「たっ」「きっ」などの「っ」で表される音は詰まった言い方として音として存在しているわけではありませんのでカウントはしません。

したがって、日本語の音は通常は基本音としての68音として扱うことが多く、場合によっては最大で95音として扱うことになります。


他の言語の音についても様々な取り組みがありいろいろな数字が挙げられていますが、日本語の基本音に相当するものだけで中国語では独特のアクセントである声調を考えなくても400音以上であり英語では1,000音程度ではないかと言われています。

ともに表記文字は一種類しか持っていない言語ですので音によって言葉の違いを付けるために多くの音を必要としているのではないでしょうか。

世界の言語の中でも日本語は際立って少ない音数で成り立っている言語であるということができます。

それを文字の種類で補って多くの言葉を持っていると言えます。

言い方を変えれば同じ音による言葉の存在が一番多い言語であるということになるのではないでしょうか。


世界の言語の中でいちばん同音異義語が多い言語ということですね。

文字のサポートがない場合の日本語の使い方には一段と注意が必要になるということになりますね。



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2016年8月10日水曜日

ひらがなの文字と音

日本語が音としては「ひらがなの音」しか持っていないことは何度か触れてきました。
(参照:四種の文字と一種の音

それはどんな種類の文字で表記しようとも読み仮名としてはひらがなで表記することが多いことからも分かるのではないでしょうか。

読み方の難しい漢字やアルファベットなどには読み仮名が振られることが多くなっています。


読み仮名としては外来語などにはカタカナが使われることもありますが、その音はひらがなとまったく同じものとなっています。

読み仮名の役割としては発音記号としての機能を持っているということができますが、ひらがなの音が完全に表記された文字通りの音になっているわけではないことは日常的に使われている言葉においても気が付いていることだと思います。

「ひらがなの音」が一体いくつあるのかを見てみたいと思います。

現代の五十音表には以下のひらがなが充てられています。
文字数としては46文字になっています。

この中で「ん」は、言葉の最初に来ることがないことや母音を伴わないことなどから特殊な文字(音)として扱われることが多い文字となっています。


この表に書かれた文字のことをひらがなの清音と呼ぶことがあります。音という文字を使っているのですが実際の音数としてはどうでしょうか。

話し言葉としての音では「お」と「を」が同じものとなっていますので、清音の音数としては45音ということになります。


清音以外に日本語の基本音としては濁音と半濁音を数えることが多くなっています。

濁音は「が・ぎ・ぐ・げ・ご」など「か」「さ」「た」「は」行、半濁音は「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」の「は」行のそれぞれ5文字ずつ合計25文字になりますが、実際の音としてはどうでしょうか。

「さ」行の濁音の「じ」「ず」と「た」行の濁音の「ぢ」「づ」は音としては同じものとなっています。

したがって25の文字数に対して音は23ということになります。


日本語の基本音は清音としての45音と濁音半濁音の23音を加えて68音ということになります。

「きゃ」や「しょ」のような小さなひらがなで表記される音もあるではないかと思う人もいるかもしれませんね。

これは基本音としての「き」「や」や「し」「よ」が短くなった音として基本音のバリエーションとして考えるために別の音とはカウントしないようです。

同じように「きって」「てっぽう」などで表記される小さな「っ」についても、音があるわけではなく基本音の言い方の違いとして別の音としてのカウントとはしないようです。


つまり日本語は基本音としての68音とその言い方のバリエーションだけでできていることになります。

これは現存する世界の言語の中でも極めて少ない音数であることになります。


代表的な言語で日常的に使用されている単語の数は、フランス語で2,000語、英語で3,000語と言われています。

それに対して日本語は、10,000語が使用されていると言われています。

その日常的に使用される語だけでも10,000語もある言葉をたった68音で使い分けていることになるのです。

同音異義語だけではなく似たような音に聞こえる言葉がどれだけたくさん存在しているのか実際に数えることも不可能だと思います。


さらに、同じひらがなであっても複数の音を持っている文字がいくつか存在しています。

見た目の文字は全く一緒ですので使われ方によって音が違ってくることになります。

典型的な例は格助詞として使用される「は」になります。

「わたしは」の「は」の音は「ハ」ではなく「ワ」という音になっています。


「は」の基本音は「ハ」ですが格助詞として使用されるときの音は「ワ」となっています。ほとんどの場合は私たちはこのことを意識することなく使い分けをしていますし聞いて理解する場合も同様だと思われます。

書く場合でも読む場合でも聞く場合でも意識することなく使い分けをしていることになるのではないでしょうか。

音の通りに表記されたものではかえって読んだときに理解することが難しくなってしまいます。


同じような例では目的地や方向を表す副詞としての「へ」があります。

基本音は「ヘ」ですがこの場合には「エ」という音になります。

音となって初めて意味するところの違いが分かるものとなっているものです。


実はこれ以外にも表記されているひらがなと実際の音が違っているものはまだまだあるのです。

「おとうさん」の「う」の音は基本音の「ウ」ではありません、「オ」という音になっていませんか。

このことは「東京」「京都」などのひらがな表記である「とうきょう」「きょうと」の「う」の音のすべてにも当てはまるものになっています。

基本音の「ウ」という音を使うとかえってぎこちなくなって言いにくくなってしまいます。


母音の「エ」に続く「い」についても基本音の「イ」とは言っていません。

「警報」(けいほう)、「成功」(せいこう)、「栄光」(えいこう)などの「い」は「イ」とは言わずに「エ」と言ってないでしょうか。


音読み漢字は文字で意味を表しているものであり音にしてみても日本語として意味のあるものではありません。

音としての日本語を表記するために漢字を利用して生み出されたものがひらがななのですが、そのひらがなであっても表記通りの音だけではないことになります。

日本語の本来の姿が音にあることは歴史が物語っているのではないでしょうか。


漢字の功罪には大きく二つの面があると思います。

意味のある文字として表記して理解するためにはとても便利であるために音としての日本語に対しての意識が薄れてしまったこと。

漢字があったことによって音としての日本語を表記するためのひらがなを生み出すことができたこと。


あらためて「ひらがなの音」によって日本語ができていることを見直してみることもいいのではないでしょうか。

普段から当たり前になってしまっているだけに新しい発見があると思いますよ。



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