お盆も近づいてきて帰省ラッシュのピークを迎えています。
高速道路の渋滞情報を聞いただけでもグッタリしてしまう人もいるのではないでしょうか。
私なども渋滞情報を聞いただけで出かけるのが嫌になってしまいます。
帰省先での楽しい時間を過ごしていても帰りの渋滞を考えると楽しさも半減してしまうような気がしたものです。
子供たちや妻は車で寝ていることができますが、運転者はそうはいきません。
クルーズコントロールだけでもとても助かったものですが、いよいよ自動運転の技術が目の前まで来ていますね。
本当の安全技術ではないでしょうか。
ところで、この帰省の活動が幼い子供達の日本語を磨くのにとても役に立っていたことをご存知でしたか?
母語を身に付けようとしている幼年期の子供達にとっても、ある程度国語が分かるようになった児童期の子供にとってもとても貴重な機会だったのです。
ほとんどの人の夏の帰省先は奥さんの実家ではないでしょうか。
正月はご主人の実家に行くことがあっても、夏休みには奥さんの実家へ行くことが多いのではないかと思います。
どちらの実家へ行ってもいいのですが、子供たちが小さい時ほど奥さんの実家のほうへ行きたがりませんか?
これは自然な傾向なのですね。
母親の持った言語が伝承されて子供の母語となります。
母親の親族には母親の母語の元となった言語があふれていることになります。
意識せずとも母親の言語をとおして親しさを感じることができているんですね。
小学校入学前の小さいな時には子供たちは母語を身につけている段階です。
その段階の母語のお手本はお母さんです。
母語そのものがお母さんから子供に伝承されていく言語となっています。
お母さんの言葉に触れている時が、子供たちが一番安心していられる時となっているのです。
子供が習得していく母語に父親の言語の影響はほとんどありません。
母親につながっている血族の言語は母親の言語に影響を与えてきたものです。
子供にとっては母親の言語の心地よさにつながるものとなっていると思われます。
小さな子供が同じ祖父母であっても母方のほうに親近感を持つことはとても自然なことなのです。
意識せずとも母親の言語を母語として取得していく子供にとって、母親の親族の言語はとても親しみやすいものとなっているのです。
父親の言語や父親の親族は子供の母語の習得においてはこれほどの影響はないのです。
自分の基礎言語としての母語がある程度習得できる入学前の幼児期には、子供の反応は本能的であり自然なものです。
より理想的な母語の習得のためにも母親の親族の言葉に触れることはとても良いことになります。
無理なく受け入れることができるうえに結果として母親の言語のつながるものですので、どれだけ浴びても悪影響などあるはずもありません。
むしろ、母親の言語をより深いところからフォローしてくれるものとなっていることになります。
母語の習得に際して様々な日本語に触れることはとても大切なことですが、子供にとっても受け入れやすい環境があることを知っておく必要があると思います。
祖父母や親族との接触の多い子供はほとんど接触のない子供に比べるととても豊かな日本語の言葉を母語として持っていることが分かっています。
母語の豊かさはそのままその子が持つ日本語の豊かさ国語の使われ方の豊かさにつながっていきます。
流行の言葉で言い換えれば「地頭」(じあたま)の良さにつながるものになります。
むしろ、「地頭」そのものではないでしょうか。
直接話をしなくとも耳に入ってくるだけでもいいのです。
普段の生活では子供の母語は母親からだけしか継承されていかない環境にあるものを少しでも多くのしかも親しみやすい言葉に触れることで助けることができるのです。
母親の親族だけではなく、母親の育った環境である故郷の言葉は子供にとってとても大きな影響を与える言葉となっているのです。
自分の母語や言葉がある程度固まってくる小学校高学年ころからは、母語の習得よりも持っている言葉による表現をすることのほうが中心になってきます。
その段階になると誰からの言葉についても同じように受け取ることが可能となっていることになります。
子供が小さい時にこそ夏休みに家族で出かけること、特に母親の実家や故郷へ行くことがとても大切なことになっているんですね。
渋滞の中で運転しているお父さんたちの励みになればありがたいですね。
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