2017年6月22日木曜日

日本語ではなかった「馬(うま)」と「梅(うめ)」

 半年ほどお休みしていたブログの更新ですが、新たな構想のご案内とともに再開することにしました。

今までのように毎日更新とはいきませんが、「現代やまとことば」の普及と啓蒙にこだわった内容で続けていきたいと思います。

まずはもう一度「現代やまとことば」の定義からしていきたいと思います。

  1. 現代日本語の中で漢字表記が可能な言葉は訓読みとして使われる言葉
  2. 現代日本語の中で漢字表記を持たない「ひらがな」のみで表記される言葉
この二つが「現代やまとことば」の定義になります。


言葉の伝わり方は他の情報と異なり、聴覚によるものがそのほとんどを占めています。

他の情報については目に見える情報である視覚によるものがそのほとんどを占めていることに比べると、文字としての形や文字から理解できる意味がほとんど役に立たないことになります。

特に、日本語の場合には音としては「ひらがなの音」しか持っていないのに対して、文字の表記には「ひらがな」以外にもカタカナ、漢字、アルファベットなどを持っています。

文字として表現している場合には自然と四種類の文字を区別してニュアンスを使い分けしていますが、話し言葉となったとたんにその区別ができないことになってしまいます。


これは、日本語そのものが文字が使用されるされるはるか前よりも音だけで利用されていたことによることが大きな原因です。

音だけで使い分けていた「ことば」に文字が加わったことによって記憶に頼ることなく記録することが可能になり、文化の伝承が一気に広がることになりました。

日本語においては音としてしか存在していなかった古代日本語(「古代やまとことば」)に対して、当時の世界で最も進んだ文化を持った漢語を文字として利用することを行なったことになります。

この時、もともとの漢語が持っていた音が音読みであり、同じ文字であっても時代によって呉音、唐音、漢音などの音を持っています。


「古代やまとことば」が持っていた意味と同じ意味を持つと考えられた漢語に対して表記文字として利用するようになりました。

「やま」という「古代やまとことば」には表記文字として「山」が充てられ、「山」の読みには訓読みの「やま」と同時に漢語読みの音読みとして「サン」が残ることになりました。

したがって、純粋な日本語は「古代やまとことば」を原点として継承されている「ひらがな」読みの「ことば」であり、漢字の言葉は外来語であるということができます。

そのために「現代やまとことば」では日本語がもともと持っている感覚を生かすために音読みを排除することとしています。


ところが、訓読みの中にも「古代やまとことば」にはなかった「ことば」があります。

漢語が導入されたときに日本に存在していなかったものの言葉はもともと「古代やまとことば」として存在していませんでした。

それでも文化の交流が始まりそのものを示すための言葉が必要になりました。

その典型が「馬」であり「梅」になります。


どちらも当時の日本には存在していなかったものであり呼び方すらありません。

やがて、日本にも定着していくこれらのものは漢語としての呼び方しか存在しませんでした。

読みとしては「馬(マ)」であり「梅(メイ)」が当時の読み(呉音)です。


はじめのうちはそのまま「マ」「メイ」と呼ばれていたものと思われますが、「やまとことば」としての日本語としてはなんとも発音しにくい音となっていることはすぐにわかるのではないでしょうか。

いろいろな変遷を経て「うま」「うめ」が訓読みとして定着していくことになります。

音読みとしてはその後の時代に使われた「バ」「バイ」が定着していくことになったのです。


「うま」「うめ」はもともと日本で生まれた言葉としての「古代やまとことば」ではなかったのです。

それでも、時代を経るにしたがって「古代やまとことば」と変わらずに使われる「ことば」となっていきます。

その意味では日本語の原語としての「古代やまとことば」ではなくとも現代から見れば「やまとことば」であると言えるものではないでしょうか。

今となってはその違いを確認することも難しい「ことば」ももっとたくさんあると思われます。

そんな違いを気にすることなく日本語としての感覚を継承している「ことば」を選び出したものが「現代やまとことば」となります。

他の言語と比較したときに母語として日本語を持っていることによる利点が数多くあることは過去のブログでもたくさん触れてきました。

特に英語との比較においては思考のツールとしての言語に限った場合にはとても多くの利点があることが分かっています。

そんなことが日本人のノーベル賞受賞者が続いていることの遠因にもなっているのではないかと思います。(参照:自然科学の探求と言語感覚


これからは、具体的な「現代やまとことば」の使い方や「ことば」そのものを紹介し取り上げながら、過去のブログで取り上げた日本語の特徴や利点などをリンクしていきたいと思います。

時間もたっていますので、過去の内容を取り上げながら新しい観点や事例を付け加えていきたいと思います。


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これからもよろしくお願いします。


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