2016年3月28日月曜日

いつも使っている言葉を変えてみる

下書きや原稿を用意しない話の中でも、無意識に頻繁に使っている言葉というものがあります。

一種の口癖とも言えるかもしれません。

私の場合には「基本的には、、、」がいたるところで顔を出します。

言いたいことがまとまっていなかったり考えながら話をしている場合には、無意識のうちに使っていることが多くなっているようです。


直感に頼った話し方の多いわたしの場合は、その場の思いつきで話しが予定以外の方向に飛んで行ってしまうことが少なくありません。

思いついたことは溜めないですぐに発信してしまう方なので、聞いている方は何について話しているのかを把握することが大変になっていると思います。

このことは自分でもわかっているので気づいたときに修正するようにしています。

しかし、話し始めてしまうとなかなか気がつきにくくなってしまい、そのときに出てくる修正フレーズが「基本的には、、、」になっているのです。

横道に逸れた内容をひと通りまとめておくために使っている場面が多いと思います。


ですから、そこから続く内容はほとんどの場合は少しも言葉通りの基本的でもなんでもないものとなっていることになります。

特に意識することもなく何気無く発してしまう言葉は自分の中で固定概念化してパターン化してしまっていることが考えられます。

しかも、音としてなんとなく聞こえのいい音として感じられるものが多いのではないでしょうか。

いわゆる格好良く聞こえる言葉と言えるものかもしれません。


原稿やメモなしで話されている内容には話し手が意識していなくとも繰り返し登場してくる言葉があります。

その言葉を意識して他の言葉に置き換えをしてみることが分かり易さにつながります。

ほとんどの場合は置き換えたあとの言葉の方が言いたいことを的確に表しているはずです。

ぜひ、試してみてください。


今度は自分が話をするときの番です。

無意識に出てしまう言葉を意識していたら話ができなくなってしまいます。

また、無意識に発してしまったことを気にしても話しに集中できなくなってしまいます。

思わず発してしまったときがチャンスだと思ってください。

違う言葉で置き換えることをやってみるだけでいいのです。


すぐに置き換える言葉が見つからない場合もあります。

それはその言葉に対しての自分の理解が十分できていないことを示しているのです。

よく使う言葉はそれだけ使い方のバリエーションがあり広い意味があることになります。

使われる場面によっていろいろな言葉に置き換えられて当たり前の筈なのです。

それにもかかわらず置き換えの言葉が見つからない場合は、自分がその言葉の意味として理解している範囲を超えていることになります。

聞いている方にはさらに分かりにくいものとなっていることになります。

「言い換え練習」の画像検索結果

置き換える言葉はできるだけ易しい言葉がいいです。

置き換えた言葉がさらに難しい言葉では余計に聞いている方を迷わせることになるからです。

できることならば誰でもが間違いなく理解できる「ひらがなことば」に置き換えることができれば最高です。


私の場合であれば「基本的には、、、」を文字通りの意味として使っていることは稀だと思います。

言い換えるならば「横道をまとめると、、、」であったり「本題からずれましたが、、、」「どこでつながるのかと言えば、、、」といった程度の方がより適切な表現の場合が多いと思われます。

それにもかかわらず無意識に「基本的には、、、」が出てしまうのは、この言葉によってある種の思考のパターンが出来上がっていると思われます。

しかも、自分としてはとても使いやすい形で汎用性があるものとなっていることになります。


この思考パターンは私だけのものですのでこの思考パターンをそのまま人に話しても決してわかり易いものとはなりません。

分かってもらうためには様々な言い換えの中から聞き手にとっての分かり易いものを選択しなければなりません。

少なくとも一つの言い換えがあれば同じことに対して理解してもらえる人は数倍になることなります。


しっかりと伝えたい大切なことほど自分の解釈にこだわった言葉になってしまうことが多くなります。

強調したい言葉ほど何度も使うことが多くなります。

意識づけのために数多く使うことは一つの技術として成り立つと思いますが、その言葉が聞き手にとって分かりにくい言葉であったとしたらその言葉を何度も聞かされることはどのように感じるでしょうか。


いつも使っている言葉は自分のなかで勝手な理解と思考パターンに結びついていることが多いものです。

持論を展開するために自分の理解にもとずく言葉を使うことは避けられませんが、そのことによって分かりにくさが強調されてしまうことがあります。

いつも使っている言葉ほど自分にとっては意識することが少なくなっている筈ですので余計に注意が必要になるのです。


自分でも使いなれない言葉については使う場面での意味や使い方を考えるのが当たり前になっています。

ところが使い慣れた言葉は無意識に浮かんで発信されていってしまうことになります。

これが基本的な易しい言葉である「ひらがなことば」であれば問題は少ないのですが、ほとんどの場合は専門用語や特殊な言葉で人があまり使わない自分独自の言葉であることが多くなっています。


いつも使っている言葉を変えてみることは凝り固まった思考パターンから脱することにも役に立ちます。

固定概念や思考の固定化が人とのコミュニケーションにおいては妨げになる場合が多いことはよく知られたことです。

いつも使っている言葉を置き換えてみるだけで見えてくるものがたくさんありそうですね。


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