2015年7月22日水曜日

初めての体験が知的活動を刺激する

刺激を受けた知的活動は無限に力を発揮します。

一つの新しい発見が次から次へと連鎖して想像力を刺激してくれる経験はだれにもあると思います。


これは頭のなかの想像だけで考えた発見ではないのです。

頭の中での発見は、今までの知的活動の延長でしかないために自分の思考パターンからは抜け出せていないことになります。

そこでいくら想像力を働かせたとしても、自分の持っている限界を超えることはありえないのです。


初めての体験から受ける刺激は、頭の中で考えた論理や創造を越えたものとなります。

それまで持っていた自分勝手な論理や創造では思いもつかないようなことが、現実のものとして経験するからです。

自分の持っている理屈や論理では説明できないことが、突然目の前で起こるのです。


ほとんどは何の前触れもなく起こります。

自然の変化やその中で行われる生き物の活動などあらゆることが、刺激として知的活動を活発にさせるのです。


大人になって経験値が増えてくると、初めての体験においても想像できることが増えてきます。

想像したことの一部でもその通りのことが起こってしまうと、その体験はもはや刺激としては機能しなくなってしまいます。

そして、自分の思っていた論理がさらに上書きされますので、強固な固定概念が出来上がっていくことになります。


夏休みになりました。

朝から子供たちの声が聞こえて賑やかです。

決まりきった日常を送っている子どもたちにとっても初めての体験ができる最高の機会です。


小学校の中学年を過ぎれば、子どもたちも自分のチカラで知的活動を行なうことができるようになっています。

もちろん大人に比べれたらそのレベルは微々たるものですが、一通りの知的活動をできるようになっているのが10歳以降と言われています。


この時期は神経細胞が一気に広がっている時期であり、多くの経験がすべて刺激となって新しい神経細胞の連結を増やしていきます。

知的活動においても肉体活動においても、反復練習よりもより多くのことを体験した方がいい時期であると言われています。

今までできなかったことや興味のなかったことに対して一気にいろいろなことができるようになり出す時期でもあります。


9歳から12歳ころまでをゴールデンエイジと呼ぶことがあります。

何に対してしても対応できて見よう見まねでやることができるようになってしまいます。

この時期に本物に触れることが大事になります。

論理よりも感覚として身につけることが可能な時期なのです。

その感覚に対して神経が勝手にできるように反応してくれる時期なのです。


すでに知っていることや結果のわかっているような体験は刺激にはなりません。

初めての体験をできるだけたくさんすることが大事になります。

ここでの体験が一生ものになり、たとえ記憶が薄れたとしても生涯において役に立つ体験となるのです。


ほとんどの人がこの時の体験から得た刺激にによって将来の道を決定しているのです。

それだけ大きな影響力を持った体験になっているのです。


初めての体験は、今までの経験とは違った刺激を与えてくれます。

子どもたちは、経験値が少ないので大人が当たり前と思ったことであっても初めての体験としての刺激を受けることがたくさんあります。

まずは、大人たちが率先して固定化された日常活動から一歩を踏み出してみることが必要です。

子どもたち同士でもいつでも小さな冒険はしていますが、大人が加わることによってよりスケールの大きな初めての体験ができることになります。


これが、ある程度の年齢になってしまうと自分の嗜好や周りの反応を気にしたりすることが起こってくるために、簡単に初めての体験に飛び込めなくなります。

親と活動をしなくなったり反抗期などはまさしくこの現象が始まったっときになります。

子どもが新しい体験に対して何の抵抗もなく飛び込んでいける時に、いかにたくさんの初めての体験をさせてあげることができるかは子供の将来に大きな影響を与えることになります。


子どもが15歳を超えるようになると、世間体と社会から押し付けられた価値観の中で生きていくことになります。

これが外れるのは、定年を迎えて社会から一歩引いた状態になるまで待たなければいけません。

そのややこしい時期を生き抜いていくための原動力が、ゴールデンエイジの時に蓄えられると思われます。


この時期にさまざまな分野で初めての体験をたくさんした子供は、自分の中にいろいろな沢山のバリエーションを持つようになります。

そのあとの環境において規制で縛られることなく生活ができれば、あらゆることに積極的に関与する傾向になっていきます。

苦境においても様々なアイデアが出てきますので、活動が先に立って落ち込んでいる暇がありません。

ただし、学校の成績には偏りがあって決して優等生にはならないようですが。


大人になっても、初めての体験に積極的に飛び込む人たちを見かけます。

とにかく好奇心が強いです。

考えるよりもまずやってみるタイプの人が多いです。

固定概念にとらわれることなく、過去の知識を当てにはしていません。

こんな人たちが周りにたくさんいると、それだけで刺激を受けることになります。

話しをしているだけでも、初めての体験になることがあります。


初めての体験がなくなったら、知的活動の進化が止まるのではないでしょうか。

好奇心を持って足腰を鍛えながら動き回るのが一番いいことかもしれませんね。