日本語の感覚には、複数の要素を常に同時に持っていることが落ち着くようにできているようです。
一つの目標を決めて、そにために最良の選択肢を選びながらまっしぐらに進む欧米型の言語感覚とは異なるところです。
したがって、目的に対して常に複数の選択肢を持っている状況に安心します。
選択肢が一つだけの場合は不安を感じてしまい、打ち込めなくなってしまいます。
ダイエットをしたいと思っても、その想いだけでは成功しにくいのです。
単にダイエットをしようとして、やり切れるのは欧米型の言語感覚になります。
日本語の感覚で同じように取り組んでも、ほとんどの場合は続かずに失敗します。
日本語の感覚では一つのことをやり抜くことが苦手です。
特に手段においては常に複数の候補を持っていて、どれでもが使いこなせる状態にあることを好みます。
このことは文の構図からも理解することができます。
(参照:日本語の基本構造)
文の構図は思考の傾向をそのまま表しているということができます。
思考の傾向は行動することにおいても影響を与えると思われます。
言語感覚の傾向はあらゆる活動において、影響を与えているということが言えるでしょう。
修飾する語を、重要度に関係なくいくらでもつなげることができる日本語は、結論が最後に来ることと合わせて、一直線に目標に向かいことが苦手になっています。
さらに最後の結論においても自分の意思として明言することを苦手とする表現方法は、相手の様子をうかがうような表現が多くなります。
「と思います」「ではないでしょうか」「ということができます」などは、すべて自分の意見として表現していることであり、断言すべきこととなります。
ダイエットにおいても一つの方法だけに頼っていると、ほとんど長続きしません。
日本語の感覚を生かしたダイエットの方法は、何のためにダイエットをするのかという目的を明確にすることです。
いろいろな目的があるはずです。
健康のため、美しく見せるため、体型を戻すため、などです。
その目的のためには、ダイエットは一つの手段であり唯一絶対の方法とは限りません。
たったひとつのダイエット方法は、上手く続かなくなると自分を責めるようになります。
するとさらに、やる気がなくなってしまいます。
目的が健康のためであるならば、一つのダイエット以外にたくさんの方法を用意しておくことです。
どれをやってもいいのです。
一つのことを続けることが苦手にできている日本語の感覚では、多くの選択肢を用意しておくことが上手く継続するために必要なことになります。
良さそうなことをいくつか持っておいて、どれかをやることで効果を持続できるようにすることが必要になります。
選択肢に優先順位をつけてベストを撰ぶことが苦手にできている日本語の感覚では、自分でベストを選ぶ基準を設定することがとても苦手なのです。
誰かが成功した方法や権威者が薦める方法に振り回されるのが、日本語の持っている感覚でもあるのです。
そんな時に一番役に立つのが、選択肢をすべてやってみることです。
途中で効果がある方法に出会えば、それが自分にとっては良い方法かもしれません。
更に違う方法をやってみてうまくいかなければ、戻ればいいだけです。
自分でベストを選ぶ判断基準を持たないのに、選んだ方法においては即効性を求めてしまうことがいけないのです。
日本語の感覚では、自分の意志はとても薄いものです。
確信はほとんどなく、なんとなくこっちの方がよさそうという感じかなというのがほとんどです。
論理的な比較も苦手にできていますので、比較するときは感覚的な基準になりがちです。
失敗したという感覚を持ってしまうと、次の行動が起こしにくくなってしまいます。
実験してみたという感覚が持てると、次のアクションが採りやすくなります。
失敗したと思わないためには、唯一の手段にしてしまわないことです。
代替えの方法をいくつも持っておくことです。
次から次へと試してみればよいだけのことなのです。
自己流ダイエットは、健康を害する危険を伴っています。
どんなダイエット方法も万人に効果があるものは存在しません。
きちんと自分を知ったうえで自分に合ったダイエット方法をいくつか見つけつことから始めたほうが間違いなさそうですね。
プロというのはそのために存在しているのですから、利用しないと損ですね。