2015年6月3日水曜日

「できる子」の決め手は国語力

「やればできる子」がCMのキャッチコピーになりましたが、「できる子」は学校の成績がいい子の意味で使われていると思われます。

学校の成績がいい方が、その先の選択肢がより豊富であることは間違いのないことでしょう。

そのために、親としては「できる子」であってもらいたいと思うのは当然のことと言えます。


「できる子」という言い方は何年生ぐらいから使われ始めるのでしょうか。

小学校一二年生の低学年うちはあまり聞いたことがないように思われます。

三四年生になったころから聞き始めて、五六年生になると定着してくるのではないでしょうか。

いわゆる、親や子供が学校の成績を気にし始めるころではないでしょうか。


学習塾や家庭教師などで授業を先取りしながら学校の成績を上げている子に対しても使われますが、学校以外の学習をほとんどしなくて成績の良い子に対しての方が使われ方として多いように思われます。

いわゆる、授業以外の学習をしていない様に見えるのに成績の良い子に対してのある種のうらやましさを込めた表現が「できる子」ではないでしょうか。

そのために、自分の子どもに対して「できる子」という親はいないと思います。


小学校の高学年の子に文章を読んでもらうと、どの程度の成績の子であるかだいたいわかります。

現役の教諭に聞いても同じことを言います。

読み方を聞いていると、内容を理解して読んでいるかどうかがすぐにわかります。

また、しっかり内容を理解できている場合には声の出し方もはっきりしています。

内容を理解してしっかりと声に出して読めることこそ、すべての教科に通じる能力となります。


「できる子」は国語の成績が良い子です。

成績がいい子が「できる子」ですから国語の成績も良くて当たり前なのですが、他の教科の成績についても国語が決め手になっていることを学校の先生はよく分かっています。

全ての教科書が国語で書かれており、すべての教科は国語で理解することから始まるからです。


そして小学校の高学年でこの国語の能力がより大切になってくるのは、単なる記憶力だけでは理解できない内容が多くなってくるからなのです。

使われている言葉同士の関係や教科独特の表現に対して理解していくには、記憶力だけではなく思考力を使って読解することが必要になってくるからです。


理科や社会科は小学校の三年生から教科として登場してきますが、高学年になるとさらに教科としての特徴が出てくるようになります。

表現されている言語は同じ国語であっても、縦書き横書きの違いを初めとして教科ごとに特徴ある表現が増えてくることになるのです。

これらの表現を理解することは、教科としての能力ではなく国語としての能力になります。

国語という言語を使って考えて理解するという活動が行われるようになるのです。


9歳から12歳の時期を、スポーツの世界ではゴールデンエイジと呼びます。

あらゆるスポーツにおいて、目を見張るような成長を見せる時期だからです。

特にバランス感覚や反射神経はこの時期を逃したら簡単には身につけることが難しいと言われています。


ベテランの指導者はこのことをよく知っており、この時期の指導に一番気を使うと言われています。

選手としての基本能力を決めてしまう時期とも言われているからです。


優秀な指導者は、この時期に子どもたちに考えて動くことを指導します。

しかもスポーツですのでのんびり考えている暇はありません。

素早く考えて体で反応することを指導します。

そして考えて素早く行動することの失敗をたくさん経験させます。

その中で自分としての対策や解決策を見つけさせることをするのです。

時にはヒントを与えることもありますが、結果として自分で見つけさせるように導いていくのです。


この時期に同じことを繰り返してやらせて条件反射的に覚えこませてもある程度の上達は可能ですが、優秀な指導者はもっと先を見据えて指導していきます。

条件反射的に覚えたやり方やテクニックはすぐに壁に当たることをわかっているからです。

失敗したりおかしいと感じたことを、自分で瞬時に対応して動けるように指導してくのです。

そのことが自然にできるようにすることができるのがこの時期なのです。


この時期に条件反射的に覚えこまされた子供たちは、その技術が通用しなくなった場合には自分で対応策が立てられないのです。

試合のなかで自分で調整して対応していくことができなくなってしまうのです。

コーチや監督の指示によって対応することしかできなくなってしまうのです。


国語についても同じことが言えるのです。

タイミングも同じような時期に知的活動についてもゴールデンエイジがあるのです。

記憶力に頼っていた知識の比べっこから、知識を生かして自分で考えることができるようになる時期なのです。


「できる子」の決め手は国語力の中の読解力なのです。

読解力は自分で考えることができるようになって初めて磨かれてくるものです。

読書はこの時期にさまざまな表現に対する読解力を磨くためにとても役に立つものです。


この時期までの読書においては物語系の会話の多いものが中心になります。

日常的に使っている言葉と近い話し言葉を中心に内容を把握することができるからです。

このことは書物に限らず、テレビやビデオでも同じことです。

決して文章そのものを読解しているわけでなないのです。


文章を読んで理解できるようになるには、持っている言葉を使って考えられるようにならなければなりません。

しかも読みながら即座に考えられなければならなのです。

教科書の国語を読解することはそれだけの能力を必要とすることなのです。


「できる子」とは、このゴールデンエイジの時期に自分で考えて読解する力を身につけた子のことになるのではないでしょうか。

この先にますます専門化していく各教科の内容を、しっかり読解できる能力を身につけることことが大切になります。

記憶力だけで対応できる分も残っていますが、その割合はどんどん減っていくことになります。


スポーツの世界だけでなく、知的活動の世界でもゴールデンエイジの過ごし方はとても大切なことになるようですね。


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