2015年4月30日木曜日

ゴールデンウィークの由来について

ゴールデンウィークの合間の平日に有給休暇を合わせて、大型連休を取ることが一般化してきました。

何気なく使っていたこのゴールデンウィークと言う言葉について、業界の関係者でしたらその由来をご存知かもしれませんが、様々な反応があったようです。

更には、NHKではゴールデンウィークという言い方をしないことをご存知でしょうか。

「(春の)大型連休」という表現で使われています。


ゴールデンウィークは映画業界が生み出した言葉です。

1951年に、大映と松竹が競作としてこの時期に同時上映した作品である「自由学校」(獅子文六原作)が、正月映画や夏休み映画の興行実績を越えて最高の実績を上げたことに由来するものです。

映画界でこの時期に多数の動員を狙い、映画の活性化を狙うために大映の専務であった松山英夫氏によって作られた宣伝用語としての言葉でした。

もちろん日本語としての造語であり、英語として使っても通用するものではありません。


翌年から一般的にも使われるようになり、他の業界にも広がっていきました。

天皇誕生日(現在は昭和の日、その前はみどりの日)、憲法記念日、子どもの日などの記念日を含んでおり、様々なイベントが行われるにも適した天候の時期でもあります。

4月から新しい環境になることが多い日本では、慣れない緊張の中で動き回り始めてホッと一息をつける時期となっているのではないでしょうか。


映画業界では、おなじように秋の文化の日を中心にした時期をシルバーウィークとして名付けましたが、こちらはほとんど広がることはありませんでした。

ゆとりの意識や週休二日制、振替休日などが制度化されたりして連続した長期休暇の代名詞となっているところです。


1970年代の石油ショック以降には、「のんきに休んでもいられないのに、何がゴールデンウィークだ。」というような苦情が放送局に寄せられたと言います。

長期休暇をあおるような放送が流されたこともあったのではないでしょうか。

それを眺めていたNHKは以下のような理由で、ゴールデンウィークという言い方をしないことにしたといわれています。
  • いち業界の用語であり、公共性のある放送にはなじまない。
  • 休暇も取れないのに何がゴールデンだという抗議がくる。
  • カタカナ・外来語の表記は出来るだけ避けたい。
  • 言葉が長すぎて表記に困る。
  • 振替や有給によって一週間よりも長いこともあるのに、ウィークと呼ぶにはふさわしくない。

また、表記としては「黄金週間」と書いて、ゴールデンウィークと読ませるようなこともあるようです。

一説では、黄金の国ジパングまで引き合いに出すものもあるようですが、視聴率が最高の時間帯をゴールデンタイムと言うことから取ったとする説の方が説得力があるように思われますね。

まさしく、日本語の造語からくる直訳英語のような不思議な日本語となっているのではないでしょうか。

当時の社会環境のなかで、作った人の感性には敬意を表すべきものがあると思います。

作った本人も、ここまで一般名詞化していくとは思ってもいなかったのではないでしょうか。

表記としてはGWとしても、特にこの時期になるとゴールデンウィークと読むことに抵抗がなくなっていると思われます。


2004年には「ゴールデンウィーク」という言葉が損害保険ジャパンによって商標登録されています。

これには驚きました。

観光業などの企業を対象に、「ゴールデンウィークの降雨により、企業が被る収益減少などのリスクを補償する商品」として、ゴールデンウィークを商品名に使用した保険を販売していたようです。


現在では、NHKだけではなく自主的な方針によってゴールデンウィークを使わないようにしているメディアもあるようになっています。

ここまで一般的な使い方になってしまうと、由来や使われ方よりも言葉自体が独り歩きをしているのではないのでしょうか。

たしかに、文字として書くときのゴールデンウィークは、長くて書きにくい言葉ではありますが、話し言葉としては使いやすものとなっています。


「春の大型連休」と言われると「ああ、ゴールデンウィークのことか」と置き換えている自分がいることに気がつきました。

それだけこの言葉は染みついているんですね。

敢えて使わないようにすることの方が、違和感を持つようなものになっている気もします。


造語として定着して、英語のようで英語でない日本語としての代表格ではないでしょうか。

探してみると意外とたくさんあるようですよ。

連休のひと時にそんなことをして遊んでもよさそうですね。