2014年11月22日土曜日

交渉術セミナー実施しました

昨日(11月21日)、日本語のための交渉術セミナーを行いました。

セミナー中は、ワークショップ中心だったので写真を撮るのを忘れていました。

参加していただいた方も、やることが次から出ますのでセミナー風景の写真がほとんどありません。

ということで、後ろ向きの写真です。


セミナーをやったり人前で話したりすると、いつも伝えることの難しさを感じます。

特に、今回の中身はツールの一部こそありものを加工したものですが、それ以外の内容はすべてオリジナルです。

自分ではそこそこの時間をかけて、何度も試行錯誤しながら行き着いたものですので伝えたいことが沢山あります。

ところが聞いている方からすると、欲張りすぎた内容はとてもわかり難いものとなってしまいます。


更に、自分で考えてきた中で難しかったところなどは、勝手に聞き手にとってもわかりにくいだろうと思い込んでしまいますので、回りくどい説明になりがちです。

ポイントは勿論ありますが、肝心のポイントの印象が薄くなってしまい、くどかった説明のところの印象が残ってしまうことがよくあります。

受け取っていただいている人の質問や反応に合わせて調整することが多くなりますので、一方的なパターンを練習しても役に立ちません。

同じ内容でやっても、受け取っている人によってニーズや理解したいところのポイントが微妙に異なりますので、初めのころの反応にはものすごく気を使います。

初めの反応によっては、予定していた内容からガラッと変える必要も出てきます。


全くのオリジナルですので、場合によっては内容の矛盾や想定外が指摘されることもあります。

その場合は、「ありがとうございます」ですね。

自分の思考ではカバーできなかったことですので、新たな視点を提供してもらえたことになります。

特に、例外事項の指摘を受けることはとても参考になります。

自分で考えてきたりやってきたりしたことの検証になるので、指摘していただいたことがその場での一番いい一緒に考える材料になります。

そんなことができると、さらに全体としての理解が深まっていきますね。


何かの資格や認定を受けて、パターンがある形で人前で行う場合は、どうしても説得型になるところが出てきます。

特に、やる方が矛盾や疑問を持っているところは、誤魔化してしまったり飛ばしてしまったりすることが多くあります。

日本人の感覚は、他の言語や論理の感覚からはかなり遠いところにありますので、外国の理論に基づくメソッドなどはこの傾向が多くなります。


特に外国の理論は、言語による説明が日本語よりもとてもわかり易くなっていますので、内容を理解することはとても優しくなっています。

しかし、その内容が日本人や日本語を話している人に当てはまるかと言うと、なかなかそうはいきません。

外国産のマネジメントやコーチングなどの理論を持ってきても、理解はできても最後の運用で押し付けや決めつけが出てしまうのはここに原因があるんですね。


資格や認定を受けて行っている内容では、変えるわけにはいきませんし、場合によっては切り返しの問答まで設定されていることもあるようです。

持っているパターンを押し付けないと、資格や認定の価値がなくなってしまうからなんでしょうね。

特にメソッド物は、そこで出てくる矛盾や疑問を取り上げて議論することが一番理解を深めることにつながります。

結論は出なくていいのです、答えは要らないのです。

そこで答えを出すことが目的ではないのです、理解してもらうことが目的なのです。


自分の依って立つ理論が崩れることを恐れる人がいます。

すると固定観念がますます強固になっていきます。

交渉術の基本も一緒です。

相手の持っている固定観念をさらに固くしてしまうのか、柔らかくしてほかの理解もできるような状況を作れるのかが一番大切です。


固定観念を崩すことは大変です。

今の自分がいるのは、今の自分の固定観念が作ってきたからです。

なるべく当たり障りのない崩しやすいところから取り掛かることが大切ですが、実際には難しいですね。

少し間違えて核心に触れてしまうと、途端にがっちりとした固定に戻ってしまいますので気をつけないといけないですね。

自分でもそんなことを確認したセミナーでした。