2014年10月27日月曜日

事実を表現すること(3)

自分自身で、事実を表現することができないと、人の言っていることから事実を切り分けることができません。

交渉ごとの基本は、事実を確認することから始まります。

思考活動の初めも認知活動から始まります、当然現状の事実を確認することから始まります。


現状というのは、現在の状況ということになりますので、評価している内容や関係性なども含むことになります。

一番初めにしなければいけないことは、現状の中の事実のみを把握することです。

その次にすることが把握した事実を確認することです。

ここで事実を共有する行為が行われることになります。


事実を共有するためには、その事実を表現しなければなりません。

事実は、お互いの目の前にあって見えるものばかりではないですから、間違いのない事実として表現する方法を持っていなければ推測や意見・評価と区別することが難しくなります。

自分で事実を表現する難しさをしっかり感じられるようにならないと、人の表現していることから事実を切り分けすることはなかなかできません。


人の表現していることのなかで、事実であるか相手の評価であるかを取り間違えると、解決できることも解決できなくなってしまうのです。

間違えて事実として捉えてしまうと、変更することのできない大前提として位置づけることになります。

そうするとその前提の上で、すべてのことを考えることになります。

事実だと認識していたことが、単なる相手の評価である場合は、現実には非常に多くあります。

その結果、固定されたものとして動かせないものとして据えてしまうことになり、対策の対象外としてしまうのです。


ほとんどの交渉事は、しっかりと事実が確認できた段階でほとんどのことが解決してしまいます。

そして日本人が日本語を使っている場合に一番難しいことが、この事実のみをきちんと切り分けすることなのです。

そのためには、事実を事実として表現できることが求められます。


精確な表現(精密かつ正確)が求められることになります。

初めに事実をとらえる行為は、基本的には個人的な活動になります。

どんな表現でも構わないので、自分自身だけが理解できればいいことになります。

できるだけ精確な表現で理解できるようにします。


対象が物であるならば、一番正確な表現は、メーカー名、品番、製造番号、シリアル番号になるのではないでしょうか。

物として頭に浮かばなくとも、誰でもが調べることで来て、誰でもが全く同じものに行きつくことができるからです。

その次に精確な表現は、サイズ寸法・重量・色・製品機能などの仕様表現になるのではないでしょうか。

これもほとんどの人が同じものに行き着くことができます。


最初は、対象物を限定できる固有の表現がないかどうかの確認です。

次が、対象物を正確に数字や色で表現することです。

これは一つの写真の中の対象物を決めて、みんなで表現して比べるといい訓練になります。

その次の段階は、誰でもがイメージできる具体的なものを例えとして利用する方法です。

富士山の様にすそ野が広がった・・・というような利用方法です。


この物を何に使うのかという使用目的は、事実としては要らないことです。

それは使用者が評価として行っていることであって、そこに存在している事実ではありません。

自分で書きだして表現してみることによって、誰が見ても同じものを認識できるかどうかを確かめることができます。

訓練のためには、物を表現することから始めることがわかりやすいくなっています。


事実は物の存在だけではありません。

もうワンランク上の表現が求められるものとして、何が起きているのかを表現することがあります。

この場合も自分で理解することは比較的簡単にできますが、共有するために表現することは一段と難しくなります。

何がどうした、という短い文で表現することになるはずです。

そしてそれをより精確な表現で補うことになります。


電車が動いていた。東海道線の品川駅から横浜方面へ。時速15kmだと思った。

ここでは自分が思ったという事実が表現されています。

しかし、時速15kmは事実ではありません。

数字が出ているとその正確さに惑わされることがありますので注意が必要です。

精確に表現されていれば、そこに書かれている事が事実であることから、さらに周辺の事実が確認できることが起こるのです。


この能力は日本語の得意とするところです。

事実に即した精確な表現ななされていれば、その事実が存在してるために必要な潜在的な事実もそこから読み取ることができるのです。


事実を共有するときに、一番最初にしておきたいことがあります。

それはその事実がいつどこで起きたのかということです。

事実を表現するときに、日付(西暦)と時間(24時間表記)は必ず最初に抑えておきたいところです。

それによって、事実としての価値がぐっとついてくることになります。

また、最初に日付と時間と表現することによって、きちんと事実を表現しようとする気持ちが備わります。


事実を表現することは、やればやるほど役に立つことが増えてきます。

日本語が基本的に一番苦手としていることですので、これが加わると一気に日本語のチカラが広がります。

人と何かの共同作業をやるときに、事実の確認の共有からやる癖をつけるといいですね。

交渉事が、今までよりも楽に進むようになりますよ。





「日本語のチカラ」がEラーニングで格安に受講できます。


ブログの内容についてのご相談・お問合せを無料でお受けしています。
お気軽にご連絡ください。
コメントを投稿