2014年9月20日土曜日

見える言葉

人の得ている情報の80%程度は、視覚による情報だと言われています。

ところが、視覚でとらえている情報は一度にあまりに多くの情報となっているために、どこに焦点(フォーカス)を当てているかによって、同じ視覚情報でも受け取り方が異なってしまいます。

また、目が覚めている限りにおいては、意識しなくとも常に大量の視覚情報にさらされています。

その中で必要な情報に対して、意識して焦点を当てるようになっている訳ですが、こと文字情報については、意識しなくともその情報が文字であると判断したとたんに言語野に送られて言語としての受け取り方をしているようです。


自分では、読んでいるつもりがなくとも、気づかないうちに言葉として入ってしまっている経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

したがって文字情報が沢山存在する視覚情報については、目的の部分に焦点を当てやすいように字体を変えたり、色を変えてみたりして強調しているのです。

たった一つの文字情報しかない場合は、他のどんな視覚情報よりも優先的に理解されるようになっていることになります。


視覚情報については、どうしても伝えたいこと以外の情報が紛れ込んでしまうことが多くなります。

そのためにさまざまな方法によって、伝えたい視覚情報に焦点を当ててもらえるような工夫をします。

部屋全体を暗くして、明るく映っている情報以外の情報を遮断しようとします。

ポインターなどで焦点を誘導して、目的の情報へ導いたりもします。

視覚情報においては、どうしても意識して必要な情報への焦点を集中する必要が出てくるのです。


この視覚情報をうまく利用して、言語情報をわかりやすく伝える方法があります。

それが、言語による焦点移動を意識した表現です。

これは、話し言葉でも文字情報でも利用することができます。

次の二つの分を比べてみてください。


① 人の顔には、目、鼻、口、そして耳があります。

② 人の顔には、目、耳、口、鼻があります。


どちらの表現が理解しやすいですか?

顔のパーツを説明しているものですが、特別な意味を持たせた順位を付けているわけではありません。

①の方がわかりやすくありませんか、イメージを描きやすくありませんか?


目、鼻、口、耳、はそれぞれ顔のパーツであり焦点の当て方としてはほとんど同じレベルにあると言えます。

①と②の一番の違いは、視覚に訴えるような表現になっているかどうかなのです。


①の方は、目から口までが、上から下に同じようなレベルで焦点が移動してきています。

更に、少し焦点の動きが異なる耳については、「そして」を加えることによって今までの焦点の動きと変わることを示しているのです。

文字で書いても、話し言葉で聞いても素直に位置関係までが想像できるものとなっています。


②の方は、焦点の動きに一貫性がなく、視覚的なイメージがしにくくなっています。

具体的に思い浮かべることができるものの言葉については、とても効果のある表現方法です。

目、鼻、口、耳は具体的なものであり、誰でもがすぐに対象を視覚的に思い浮かべることができるものです。

焦点の移動を一貫して行うことによって、その浮かべ方をより鮮明にリードしてあげることができるのです。


焦点移動については流れの一貫性の順番だけではありません。

焦点の大小もあります。

レンズで言うところのズームのイメージです。

大から小でも、小から大でも大丈夫です。

次につなげたい内容に関係があるものを後にした方が、話しの流れが理解はしやすくなります。


つまりは、一貫性を持った焦点の移動を考慮しておくと、視覚イメージとつながりやすくなるということです。

ジグザグや戻ったりしないということですね。

特に、3つ以上の物を説明するときなどは、この流れが大切になります。


この順番や焦点の移動の仕方が一貫していると、頭の中で視覚化ができやすくなることになります。

抽象的なものを扱ったとしても、焦点を当てる順番によって、視覚化しやすくなって理解しやすくなるのです。


とても有効な記憶術の一つに、毎日駅まで歩いている道順にある目標物に、順番に記憶したいものを置いていく方法があります。

すでに出来上がって持っている具体的な視覚イメージの流れに乗せていくだけですので、とても理解しやすく覚えやすくなるわけです。


日本人の脳はとても対応力がいいので、上から下でも下から上でも、大から小でも小から大でも、すぐに理解することができます。

右から左か、左から右かについては、利き腕との関係で得手不得手があるようです。


この表現方法については、写真を使った表現トレーニング方法があります。

同じ写真を使って、そこに映っているものを説明し合うものです。

全体から部分へを意識してみたり、同じレベルのものを一定の流れで並べてみたりしてみるものです。


このことは同じ話を聞いても、受けている内容をイメージとして描くことがしやすくなりますので、とても印象に残るものとなります。

ぜひ試しにやってみてください。



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