2014年8月30日土曜日

古代の暗号? 「いろは」の前にも

「いろは」に隠された暗号があるのではないかということは何回か触れてきました。
(参照:「いろは」に隠された怨念

そこでは、暗号文字としいての「咎なくて死す」が広く知れ渡っていたことを示すものでもありました。


私たちが、日本の古代を知る資料として、「古事記」「日本書紀」「続日本紀」「万葉集」などがありますが、この中で作られた時代も作者や篇者もよくわかっていないのが、「古事記」と「万葉集」です。

しかも、どんな立場で作られたものかも伝聞の域を出ずに、何とも怪しい資料となっているものです。

それだけに、様々な解釈が可能となっていることも確かですし、それを楽しむこともできるわけです。

新たに決定的な根拠が見つけられる可能性も低く、古代のロマンを語るには絶好のネタとなっていることも否定できないことです。

ここは学者先生方よりも、しがらみのない自由な発想ができる柔らか頭の方が興味ある話しとなるのではないでしょうか。


そんな話を取り上げてみます。

百人一首に、猿丸太夫の歌として以下の歌があります。

 奥山丹 黄葉踏別 鳴鹿之 音聆時曾 秋者金敷 (古今和歌集215)
 おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき

これを一つの暗号としてみてみることができるというのです。

歌の中に暗号を示す場合には、その歌を説明する文や歌そのものに「何を」(または「どこに」)隠したかがわかるヒントが必ずあります。

私たちが和歌を学ぶときに、前後の説明文を抜きにして和歌だけを抜き出して観賞しようとすることは、大切な信号を見落とすことになりかねません。


中には、こじつけだろうと思われるものもたくさんありますが、言下に否定するよりももしそうだったらと進めたほうが楽しいことになると思います。

さて、この猿丸太夫の歌を「かな」で見てみます。

上の句と下の句の最後の言葉だけを拾ってみます。

「なくしかの」「あきはかなしき」です。

更に、「なくしかの」は初めの3文字ののみを引っ張り出します「なくし」です。

「あきはかなしき」は終わりの「かなしき」の4文字を引っ張り出します。


かなしき」の間に「なくし」を入れて意味のある言葉にしてみます。

こんな言葉が見つかります。

くしななしき」

「隠し名なしき」、つまりは隠し名をしてあるよと読めないでしょうか。

この歌の中に、名前を隠してあると言っているのではないでしょうか。


この歌は、元の字(漢字)は18文字です。

6文字ずつ3行に書くことが、見た目の収まりが一番きれいに見えます。


ここでは横書きにしていますので、このようになります。

この中で、人の名前が隠れているのでしょうか?

ある程度の規則性を持った配置になっていなければ、暗号とは言えないでしょう。


黄色に塗った十文字の文字を、以下のような順番で読んでみると何かが出てきませんか。


「鹿黄之者音」が出てきました。

「かきのもと」と読めませんか?


柿本猨(さる)と言う実在したと思われる人物がいます。

柿本人麻呂と同一人物ではないかともいわれていますが、決定打はありません。

柿本人麻呂は猿丸太夫と同一人物ではないかと言う説があります。

猿丸自身が歌のなかでこの事実を隠していたとしたら。

柿本猨(さる)=柿本人麻呂=猿丸太夫、と言うことが成り立つのではないでのしょうか。



「古事記」は稗田阿礼という、スーパー記憶能力を持った者が誦習した(詠い覚えた)物語を、太安万侶が記述したものだと言われています。

原本は存在せずその存在すらも確かでないものです。

「万葉集」も非常に不安定なもので、のちの史料によってその存在があったと推定されるものです。

その万葉集の歌人のひとりが、山上憶良だと言われています。

珍しい名前だと思いませんか、「憶良」と言う名は、何か違和感がありませんか。

更には、山上と言う姓があったと思われますが、その出自は定かではなく生没年もわかりません。


「憶良」という字をよく見れば、「記憶が良い」と言う意味ではありませんか。

実は稗田阿礼は山上憶良であるという説もあります。

古今和歌集のすぐ後に造られた、源順集(源順)に山上憶良=稗田阿礼を示す暗号が示されているとも言われています。


一番怪しい資料であった、「古事記」と「万葉集」がかなりの部分でつながってきているのではないでしょうか。

確たる証拠がないということは、空想の世界を駆け回ることができることでもあります。

決まりきったことばかりが多い世の中で、何とも楽しいことではないでしょうか。

たまには、古代のロマンに身をゆだねるのもいいですね。




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