2014年8月24日日曜日

固定概念の正体

新しいことに取り組もうとするときや環境が変わった時などによく言われる言葉に、「固定概念を捨てなさい」というものがあります。

ここで言っている固定概念とはどんなことでしょうか。

言い換えれば、これまでの経験や知識によって身についてきた、自分なりの法則や因果関係のことではないでしょうか。


固定概念のあるモノは、教育によって教え込まれた異論を許さないものであったり、法律によって規定された厳格なルールであったり、自分の経験による失敗のパターンであったりします。

その中には、人として生きていくために必要な知識やルールもあります。

義務教育で教わって身につけてきたことの多くは、社会で生きていくために必要なものではないでしょうか。


つまりは、固定概念がないと人は社会のなかで生きていくことができません。

価値基準や判断基準と言われるような、基準と呼ばれるようなものは、ほとんどが固定概念ではないでしょうか。

したがって、固定概念を持っていないと人は生きていくことができません。

固定概念を持っていることは悪いことではないのです。

場面によっては基準がぶれないことやきちんとした判断基準をもっている安心感につながることでもあります。


今の自分を作ってきたのは、今の自分が持っている固定概念です。

その固定概念によって、様々な場面での判断や選択を行なってきたのです。

その結果として取った行動によって、現在の自分が作られています。


固定概念を否定することは、現在の自分を否定することにもつながります。

自己否定は、大きなリスクを伴います。

精神的なストレスを抱えることもあります。

そのために、固定概念を否定することは簡単にはできないようになっているようです。

今までと違ったことや違った判断基準を採用することには、抵抗が起こるようになっているようです。


一つには固定概念による安心感があります。

この安心感は、既知としての安心感とともに、結果が予想できる安心感です。

言い換えれば、危険の回避です。

恐らくは、本能に近い感覚ではないでしょうか。

そこで危機を回避したり、安心感を感じたりした経験がさらにその固定概念をより強固なものにしていくのではないでしょうか。


これに対抗するものがあります。

既知に囚われずに、固定概念の影響を受けずに行動したり思考したりすることができる原動力があります。

好奇心です。

「なんだろう」「どうなっているんだろう」「どうなるのかな」に始まって、「面白そうだな」「やってみたいな」「ちょっとやってみよう」につながっていくものです。


固定概念が邪魔をする場面があります。

大きな変化をしなければならないとき、今までになかったものを生み出そうとするときなどがそうではないでしょうか。

更には、固定概念によって取った行動でも、望む結果が得られないときがあります。

固定概念に基づいて抽出した選択肢では、何を選んでも望む結果にならないことが繰り返されることがあります。

望む結果を手にしたければ、固定概念と異なった選択肢を撰んで行動をしなければなりません。


その選択肢に対して好奇心を持って、関心を持って選択できるかどうかが固定概念を破る方法です。

更には、望む結果が手に入っていないという事実に対して、「何とかしてやろう」「どうしてだ」と関心を持って向き合って、好奇心を持って選択肢を用意することができるかということになります。


成長するということは変化し続けることであることは、今までにも述べていますが、固定概念は変化を恐がります。
(参照:成長とは変化し続けること

予想できない結果が起こるからです。

現状よりも悪くなる可能性があるからです。

それも変化です。

そこで起きた結果に対して、行動が一回だけで終わってしまったら「失敗」です。

更にその結果を変化させていくことを続けていくことが、成長ではないでしょうか。


変化には自分にとって都合の良い変化もあれば都合の悪い変化もあります。

都合の良い変化は、喜んでその恩恵にあずかればいいですし、都合の悪い変化はさらに変化させてしまえばいいだけです。

何かをやった結果に対して、興味を持ち関心を持つことが大切ではないでしょうか。


同じようなことをやっていると興味も関心もなくなってしまい、好奇心が持てなくなります。

固定概念だけで終わってしまうことになります。

結果に対して、常に変化させてやろう、もっと良くしてやろう、何でもっといい結果にならないんだと好奇心を持ち続けることが大切なようです。


固定概念は生きていくためにも大切なものですし、今の自分があるのもそのおかげです。

しかし、固定概念が邪魔となっている場面があることも確かです。

そんな時は、思い切り好奇心を持って、あら捜しをしたりひっくり返してみたりしてみましょう。

自分の知らない面白い変化があるはずです。


経験を重ねてくると、好奇心を持てる対象が減ってきます。

関心のある対象が限られてきます。

ちょっと見方を変えて、好奇心を持ってみてみましょう。

今まで知らなかったり気づかなかった面白い変化がありそうですよ。




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