ゲリラ豪雨もあちこちであり、安定しない天気が続いていますね。
今回は少し気分を変えて、雨に関する言葉を集めてみました。
脈絡もなく、聞いたことがあるけれどなんとなくわかりにくいなと思う言葉を中心に取り上げてみました。
梅雨の合間の暇つぶしになればいいですね。
狐の嫁入り(雨)
雨をつけなくて「狐の嫁入り」とだけ言うこともあります。
晴れていても雨が降るという、嘘のような状態のことを、狐に化かされていると言う感覚で呼んだものと言われています。
地方によってさまざまな呼び方があります。
狐の嫁取り、狐の祝言、狐雨(きつねあめ)、などと呼んでいる地方もあります。
また、天気の状況も虹が出た時やあられが降った時のことをこのように呼ぶところもあるようです。
喜雨(きう)
日照りが続いた後に降る、待ちに待っていた雨のことを呼ぶ言葉です。
げんなりしていた植物たちや人間が、生き返ったように元気に喜んでいる姿を表したものです。
喜び雨、恵みの雨、(干天)慈雨、などと呼ばれることもあります。
雨喜び(あまよろこび)と言って、雨の降ったのを喜んで仕事を休んで祝う行事のことを示すこともあるようです。
雨降り正月、雨祝い、などとも同じ意味です。
小糠雨(こぬかあめ)
雨粒が霧のように細かくて、音もなく静かに降る雨のことを表した言葉です。
季節的には春先にイメージがありますが、季節を表す言葉としては使われていません。
降るという感覚よりは、糠のように微細な雨の集団が、空中のあちこちから押し寄せてくるようなイメージでしょうか。
篠突く雨(しのつくあめ)
篠竹を束にして地面に突き下ろすような、激しく降る大雨のことです。
いわゆる豪雨のことです。
篠竹は細い竹で密集して生えることから、この呼び方ができたようです。
一本ずつの篠竹は、細くて繊細ですし、言葉の音も激しさを感じないことから、しっとりと降る雨のことだと思っている人が随分いるようです。
言葉の音から来るイメージでは豪雨とは思えないですね。
日照雨(そばえ、ひでりあめ)
この言葉を「そばえ」と読める人はなかなかいないのではないでしょうか。
狐の嫁入りと同じ現象を表すもので、ほかは晴れているのにそこだけ雨が降ることです。
美しい言い方としては「わたくし雨」などというのもあります。
わたしだけに降る雨のことですから、同じことですね。
通り雨も同じことですが、「わたくし雨」はどこかで使ってみませんか。
遣らずの雨(やらずのあめ)
まるでお客様を帰したくないかのように、突然降ってくる雨のことです。
何とも日本語らしい情緒のある表現ですね。
やらずの雨を言い訳にしてお泊りした人もいるのでしょうね。
雨夜の品定め
源氏物語のなかで光源氏や頭中将らが五月雨の夜に集まって、女性についての論評をしたことを表したものです。
女性についての論評(品定め論)そのものについて表す言葉ともなっています。
女性に関する言葉が一言も含まれていないのが、暗号めいていていいですね。
雨に関する言葉、雨を含む言葉はいったいどれくらいあるのでしょうか。
エスキモー(イヌイット)には雪を表す言葉だけでも40種類くらいあるそうです。
それだけ雪が生活に密着しており、微妙に異なる降り方で周囲の状況をも感じることができるのだと思います。
日本語における雨の表現の仕方は、もっと多いかもしれないですね。
それだけ、雨に多く触れている民族だということができるでしょう。
たまには、雨夜の品定めと一緒に考えてみてもいいのではないでしょうか。
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