それが自分の自由に広い選択肢の中から選べる場合もあれば、限られた選択肢しかない場合もあります。
場合によっては、経済的な原資を確保するために自らが望まない分野での活動を選択せざるを得ないことも出てきます。
日本語としての共通学習言語である「国語」を一通り習得した後は、その「国語」を使用しながらもそれぞれの分野における専門的な言語を身につけていくことになります。
コンピューター・プログラミングのための言語などはその典型ということができるでしょう。
あるカテゴリーが分野として固定化されてくると、自然と他の分野や一般社会との差別化のために排他性が生まれてきます。
その分野だけにしか通用しない言語が誕生します。
また、その分野で活動できる能力があることを認めたり、その分野の特殊性を理解していることを示したりするための資格試験などの設定によって、さらに強固な排他性と特殊性が出来上がっていくことになります。
一般的に試験と言われるもののほとんどがこの性格を持っており、そこまでに身につけた専門性の確認やこれから求められる専門性のチェックとして行われます。
入学試験、入社試験、あらゆる資格試験や国家試験などもすべてそうです。
オーディションやコンクールなども同じことが言えるのではないでしょうか。
社会におけるニーズが大きく、かつ希少性が高いほど経済的な価値がつけられることになります。
試験のあるなしに関わらず、それぞれの分野での専門性のなかでしのぎを削り合い、評価を高めることでより大きな経済的な対価を得ようとします。
かつてのような、単に在籍年数だけで経済的な対価が比例してあがっていった環境は、だんだん影を薄めていっています。
専門性がある程度確立されている分野では、排他性はより強固となっており、既存の市場の確保はもちろんのことカバーする分野の拡大を狙っています。
また、新興の専門分野においては、分野としての勢力拡大とともに従事者の拡大へと向かっています。
サラリーマンというのもある種の専門性であり、その分野においてはさらなる細分化がされています。
営業、経理、広報、製造、人事、総務なども専門分野と言えるでしょう。
また、一つの企業や企業グループあるいは業界も専門分野と言って差し支えないでしょう。
したがって、経済的な原資である収入を得るという活動においては、専門分野の中での競争を行なっているということができます。
専門家同士の環境の中での活動ですので、専門用語が一番適した表現となっています。
集団が小さくなればなるほど、自分たちにしか通用しない特殊な専門用語が多くなっています。
ひるがえって、日常生活における支出の場面を見てみるとどうでしょうか。
収入を得る活動においては専門分野であったとしても、支出の活動においては一般消費者としての活動になります。
すべての活動は一般消費者にまで至って初めて完了します。
B to Bの活動であっても、その原資はすべて最終消費者から発生しているものです。
したがって、それぞれの専門分野における活動はすべて最終消費者に向けて行われていることであり、そこでの消費がすべての源泉となっていることになります。
どうしても、目先のお金をもらう相手を中心にしてしまいがちです。
一歩専門分野を出たら一般消費者になっている自分に気が付いている人は、一般消費者がわかりやすい表現をしてくれます。
それに気づきにくい環境である、研究開発分野や専門家対応分野などに携わっている人は、どうしても専門用語が多くなってしまいます。
金額の大小にかかわらず、買い物をたくさんする人は最終消費者感覚がわかっています。
自分であまり買い物をしなかったり、買い物のパターンが決まっている人は、専門対応を喜ぶ傾向にあります。
一般消費者と接する機会が少ない専門家であっても、そのことがわかっている人は他の専門家から見たら馬鹿にされるくらいわかりやすい表現で説明できます。
同じ分野の専門家同士の環境ばかりではないのですが、どうしてもそこから離れられないと専門バカとなっていきます。
仕事上の活動の中でも、専門分野を離れた活動はたくさんあります。
その時に、相手の専門分野としての対応を押し付けられたらどう感じるでしょうか。
しばらく前の役所の窓口の対応のようになってしまうことになります。
自分が収入を得ている分野においては専門家である必要がありますが、同じ組織であっても専門が変われば素人としての理解を求めることが大切になります。
これができないと、どんどん専門バカへの道を走ることになってしまいます。
専門バカで収入を得られる人はほんの一握りです。
一般的には不可能であると言った方がいいでしょう。
いつまでのその専門分野で活動できるわけではありませんし、変化し続けるその専門分野での立場を維持できるわけではありません。
ましてや、専門性が低い場合にやニーズが少ない場合には不要になってしまいます。
専門性を磨きつづけながらも、一歩専門家同士の環境を抜け出したら素人にもわかりやすい内容で伝えられることが大切ですね。
いずれは、全く専門性を生かしようのない社会での生活が待っているのですから、できるだけ早くから対応できるようにしておきたいものです。
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