二十四節気の一つで立夏と立秋の真ん中に当たり、夏のど真ん中を表す季節となっています。
太陽の運行上では、天空に太陽がある日照時間時間が一年で一番長い日として特別な扱いを受けている日です。
今の季節感では、ほとんどの場合は梅雨の期間に入ってしまうために、夏としての感覚があまりありませんね。
梅雨の雲に覆われていることが多いために、日照時間についても現実に感じられることは少ないと思います。
夏至というのは、春分や秋分などと同じように日照時間における現象を表す言葉であって、夏至の現象が起こる日という意味で夏至日という言い方もあるそうです。
そう思うと、春分の日や秋分の日もわかりやすくなりますね。
やがて、季節を表す言葉として二十四節気のなかでそのまま使われるようになったのでしょうね。
世界においても北半球では、歴史的にも夏至は収穫を迎える夏の始まりを告げる日とされ、植物や人類にとっても繁殖に結び付けて考えられたようです。
特に日本と違って、暗く長い冬が続く北欧では特別に喜ばれる日となっており、各国で「夏至祭り」が行なわれるようです。
スウェーデンなどでは、夏至の祭りである「ミッドサマーの祝日」に「メイポール」と呼ばれる柱(男性器のシンボルとも言われている)を囲んでダンスを踊り、ニシン料理とウォッカで祝うしきたりがあります。
この日から9か月後に生まれる子どもがやたらと多いと言われています。
また、ギリシャでは多神教の夏至の風習がキリスト教に取り込まれて「聖ヨハネの日」と名前は変わっていますが、北部ではまだ多くの村で、昔ながらの祭事が受け継がれているようです。
未婚女性が自分の持ち物を容器に入れてイチジクの木の下に置いておくと、夏至の魔法がかかって将来の夫の夢を見るという伝承があるそうです。
翌日は村の女性たちが集まって順番に容器の中の持ち物を取り出して、夢の話や予言話に花を咲かせるそうです。。
その後は男性も参加して、交替でたき火を飛び越す行事があり、3回うまく飛び越せれば願いがかなうと言われ、この行事でカップルが誕生することもあると言われています。
ポーランドなどでは、この日はスラブ民族の祝日「イワン・クパラの日」に当たるそうです。
「クパラ」は「キューピッド」と同じ語源を持つ言葉で、この夜は人々が恋に落ちるという言い伝えがあり、かつては若い未婚女性が川に浮かべた花輪を、対岸に陣取った未婚男性がつかまえる行事が行われていたとのことです。
世界最大級の夏至のお祭りとなると、イギリスのストーンヘンジの祭りになるようです。
毎年数千人が集まるこのイベントは、ドルイド教の祭りに由来するとも言われています。
ドルイド教の夏至祭りには、男性神と女性神を表す太陽と地球との出会いを祝う意味が込められているそうです。
どうやら、夏至の祭りは人間の繁殖としての男女の出会いを求める祭りとして世界各地で行なわれているようです。
では、日本ではどうでしょうか。
日本では夏至のころは田植えのシーズンとなります。
老いも若きも家族中や村中で総出で田植えが行われます。
その中でもひときわ華やかさを演出しているのが、少女や若い女性たちの田植え姿です。
彼女たちのことを特別に表した言葉が「早乙女」(さおとめ)です。
袖まくりや裾まくりで若い男たちの視線を集めたことは想像に難くありません。
田植えの場は、秋の収穫や祭りの場と同じように、数少ない合コンの場であったのではないでしょうか。
夏のど真ん中としての夏至の日に、男女の出会いを求めての祭りが存在することは、何とも人の本能を刺激することではないでしょうか。
太陽の動き(日照時間)と人間の発情は何らかの関係があるのかもしれませんね。
難しい分析をするよりも、健全な出会いの場としての祭りの存在は貴重なものだったのではないかと思われます。
太陽のもとでの男女の出会いを求める祭りに、参加してみたかったですね。
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