前半の3日間と後半の4日間で一企業ずつ、私の担当したのが前半の企業で23名、後半の企業21名でした。
受講生一人ひとりと、本気で愛情をもって何としても殻を破ってチームを作り上げることをサポートした7日間でした。
初めて会ったメンバーで構成されたチームが、試練を重ねることによってお互いに高め合い励まし合いながら、殻を破って成長していく姿を目の前で感じることができました。
初めは不貞腐れながら、そっぽを向きながら、自分に閉じこもりながらもこちらと向き合って話していた彼らが、自らの気づきとともにチームを作り上げながらいい影響を受けて変わっていきます。
話してくる内容も、回答型から自分たちが考え相談し自分の言葉で語ろうとしてきます。
受講生によっては厳しい質問を投げかけて、伸びかけた鼻をへし折ったり、相槌を打ちながら話すのが苦手なところを引っ張り出したりです。
一通りのマニュアルはありますが、相手は生身の人間ですので全く役に立ちません。
本気で一人ひとりと向き合って彼らの成長を願わなければ、とてもやっていけませんでした。
受講生の一人ひとりに少しでも気づいてもらいたくて、時には叱りつけたり、共に笑ったり、共に涙を流したりして話を引き出してあげるのが役割です。
チームで相談しながら出してくる数々の試練に対しての答えに対しての会話を繰り返しながら、一人ひとりが持っている固定概念に気付かせてあげるのが最初の役割です。
会話を繰り返しながら、固定概念を作ってしまった原体験を掘り起こして気づかせることが大切になります。
人に言えないような厳しい原体験もあり、共に涙を流しながらの会話もたくさんあります。
ほとんどの受講者が今までにこのような経験をしたことがありませんので、戸惑いながらも心を徐々に開いてくるのがわかります。
二十数人もの受講者とかかわっていると、そのつもりがなくとも本気で向き合わざるを得なくなってきます。
初めから意識も高く素直に取り組む受講者もいれば、なかなか変化できない受講者もいます。
変わり始めたかなあと思ったら、また戻ってしまったり、突然の変化が訪れたりで全く予想することはできません。
高卒から大学院卒までの男女がばらばらにチームを構成していますので、チームビルディングも大変です。
チームがすべてのメンバーにとって、安心できる安全の場になって行かないとチームでの相談も高まっていきません。
こちらからはきっかけを提供するだけです、自分で気づき、自分で考え、チームで相談してさらに高めていかないと試練がクリアできていきません。
プログラムそのものも大変よく出来ていますが、それぞれの試練に使える時間が限られていますので一人ひとりに直接かかわる時間も限られています。
チーム内での相談がとても重要になってきます。
チーム内で本音でかかわり合うことによって、はじめは緊張しながら研修そのものに対して文句を言っていたチームがだんだん結束してきます。
やがて単に相談することから、お互いにかかわりを深め合い、厳しいことの指摘もできるようになっていきます。
そこまで持っていければ、あとはヒントを投げ込むだけで自分たちで考え、一人ひとりが自分の言葉で話をできるようになってきます。
どこかで起きる変化を楽しみにしながら、なかなか変われない受講者をフォローしていくときに気を付けなければいけないことがあります。
どこまで気づきにかかわるかがとても難しいです。
入り込みすぎれば、本人は答えが見つかったと思って安心してしまい気づきになりません。
いつまでも気づかないとチームで相談しても表面的な内容しか返ってきません。
性格や気づきの程度の応じて、厳しく言って導いたり、じっと話を聞いたりしなければなりません。
良かれと思って発した厳しい言葉で戻ってしまったりもしますので、本当に気を使います。
だからでしょうか、変わった瞬間に出会ったときは言いようのない達成感とともに受講生がひときわ輝いて見えてきます。
お互いに持っているものが見えてき始めると、試練に対応するのにも欲が出てきます。
チームとしてより良いものを求めるようになってきます。
一人ひとりにもかかわるようになって、君はこういうことが得意だからそこはもっとレベルを高く持とうというような提案が起きています。
そこまでいけば、私の出番はありません。
最後は、チームに任せて互いのビジョンを語り合っていくことになります。
受講生の試練を担当しながら、自分が試練を受けさせてもらっていることを感じました。
人が固定概念を取り払って変化すると、まさしく無限の可能性が広がっていきます。
本当にそうであることを教えてもらいました。
最後の受講生同士が高め合い涙を流しながらも肩をたたき合い、ハイタッチを交わし新たな目標に向かっていこうとする姿は心を打ちます。
見ている私たちも思わず涙がこぼれてきます。
あらめて、人って素晴らしいなあと思います。
もっともっとたくさんの人に味わってもらいたいですね。