2014年3月13日木曜日

就職、進学以外の選択肢を持とう

今年も新入社員の研修が始まる時期となりました。
学生の卒業後の選択肢は就職か進学しかないのでしょうか?

今年の就職活動はいくらか明るさが見えてきたようですが、それでも今の制度や買い手市場のなかでは、毎年就職浪人が出ています。

学生個人としては、自分で身を守る手段を採らなければなりませんので、わざと留年したり、必要のない大学院への進学や、留学をしたりしています。

学究の分野へいくのも就職だと考えれば、進学の最後には就職というゴールしかないことになります。



特殊な学部としての医学部・歯学部や芸術関連については、その学部自体が職業訓練所であるということができます。

人によっては途中でスピンアウトしたり、卒業後の進路が異分野だったりするのは普通の学部と変わりません。

他の学部に比べると職業としての進路が明確になっている分だけ、学業にも身が入るのではないかと思います。


少しでも楽してより多くの収入を手にするべく、その可能性の高い就職するために、より可能性の高い学校へ競い合って入学することになります。

より就職先の受けのいい学校のほうが、学生にとっての選択肢も多いことになります。
指定校制度などは、その典型ですね。


私が就職したころ(1981年)は入社した企業に定年まで勤めることが一般的でした。

入社して3年後くらいに転職ブームが来ます。
それでも私の同期入社では、現実に転職していったのは20%程度だったと思います。


その頃、人事の責任者と話したことを覚えています。

大学の指定校制度と学校ランクについてでした。

とんでもない能力を持った学生は、どんな大学にでもいる。
どこの大学であってもトップの一握りは、一流大学のトップレベルと変わらないものを持っている。
何らかの理由で、行った大学がたまたまそこだっただけのことである。
一流大学卒ではない、こういう学生を見つけるのも我々の仕事です。

という趣旨のことを言っていました。


また、こうも言っていました。

一流大学を指定校とするのは、大学・学部によって最低レベルがある程度わかるからです。
この大学のこの学部卒ならば最低でもこのレベルの能力はあるとわかることは、採用する側にとってはとてもありがたいことです。
大きなハズレがないことが、指定校制度のメリットです。
トップレベルは学校に関係なくいます。
あとは入社試験において、社会的な欠陥がないかどうかを確認することが我々の仕事です。


およそ20年後に彼に昔こんなことを聞いたと話す機会がありました。

その時点で、企業の採用に対する考え方が全く変わってしまったと寂しがっていました。

指定校も付属や推薦入学が多くなってしまい、ハズレの歯止めとしては全く役に立たないことや、長期にわたる教育研修ができなくなったことで、個別のフォローやサポートが不可能になったことなどを挙げていました。



社会人としての生き方を全く知らないで入社してきた学生は、企業の教育研修と実際の業務を通して社会での生き方・生活の仕方を学んでいたのです。

転職ブームの時には、しっかりとした企業において教育研修を受けてきた人材はとても貴重がられました。

人材が流動化してきて初めて、自社の教育研修の価値に気がついた企業もたくさんありましたが、流出する人材への投資は無駄であるとの判断から縮小されていきました。

また、中途入社に対しての短期戦力化のためのプログラムがたくさんできました。

結果として、社会人としての基本的なチカラを身につける内容はどんどん減っていったのです。


社会的にすべての分野をカバーして事業活動している企業はありません。

社会活動の一部について事業化している企業がほとんどですので、一企業でのスキルをいくら磨いても社会で生きるための基本的なチカラは身につきません。

即戦力的なトレーニングのみを受けた社員は、所属した企業として役に立つスキルを磨いて活動して、評価を獲得していかなければなりません。

新入社員に対しても同じことが言えるでしょう。


社会で生きていくための基盤を会社に置きつづけることができなくなってしまった現代では、自分で社会を生き抜くチカラを身につけなければいけません。

就職という選択肢以外に、社会で生き抜いていくための選択肢があるのではないでしょうか。

社会のほんの一部である企業生活に、人生そのものである時間のほとんどを切り売りして収入に替えている現状です。

社会とのかかわりや、時間の価値を含めて、もっといろいろな選択肢を持ちたいと思います。



幸いにも人の生き方は極めて多様化してきました。

それぞれの人が対価としてのお金を払う対象は、趣味や嗜好まで考えるとほぼ無限にあると言ってもいいのではないでしょうか。

企業のように大きな人件費や固定費を抱えて活動すると、大きな額を動かす必要ができてきます。
そのためには大きなコストがかかることになります。

個別の嗜好に個人レベルで答えていく活動には、ほとんどコストがかかりません。


個人として社会とかかわって、価値を提供し収入を得ていくという選択肢を具体化していく必要があると思います。

いろいろな方法が考えられますし、すでに行われていることもたくさんあります。

そのための環境もインターネットやSNSなど、かなりのものが整備されてきています。


個人として、または仲間と一緒に起業することも選択肢になるでしょう。
学校によってはそのための支援をしているところがたくさんあります。

または、個人としてのスキルを武器に業務委託で専門性を発揮することもあるのではないでしょうか。
専門性は、企業にではなく人にあるものです、個別の需要に応じたより的確な成果を提供できるはずです。

特殊なコミュニティにおける影響力を背景としてのアフィリエイト(紹介販売)活動もあるのではないでしょうか。
個別レベルでの細かなニーズにより適正に対応できるはずです。

いろいろな選択肢が考えられるはずです。


就職できたとしても、その企業が定年まで存続する保証はどこにもありませんし、自分が定年まで在籍できる保証もどこにもありません。

結果として企業に就職したとしても、就職以外の選択肢を検討したことは決して無駄にはならないはずです。

それ以上に、より有意義な企業活動の助けとなるはずです。


現役の学生に、自分で就職以外の選択肢を考えろと言っても不可能です。

また、今の学生生活の環境の中に、アドバイスやサポートができることがほとんどないこともあります。

一番の早道は、しっかりとした時間を作って社会活動に継続的にかかわることです。

バイトでもボランティアでも何でも構いません。

色々なものが見えてくるはずです。


インターンシップの目的はここにあったのではないかと思いますが・・・




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