世界の中でもきわめて特徴的な言語である日本語は、どうやって生まれてきたのでしょうか?
その起源については、歴史ロマンも感じられる日本語の誕生を参考にしていただきたいと思います。
(参照:日本語の誕生(1)~(4))
漢字は中国文明から来ましたが、その漢字の起源は紀元前3,500年ころの亀甲文字ではないかと言われています。
歴史上初めて文字を持った文明は、メソポタミア文明(紀元前9,000年ころ)で楔形文字を使用したと言われています。
メソポタミア文明の担い手はシュメール人と言われていますが、このシュメール人がどこから来たのかがよくわかっていません。
骨格などなども周りのものよりも明らかに大きく、遺跡発掘の結果では特別の能力を持った集団だったようです。
その後のエジプト文明やユダヤ文明にも大きな影響を与えてますが、一説では地球人ではなかったっとすら言われています。
果物を栽培し、放牧を行い乳を飲んでいた形跡があるとうことです。
メソポタミアの楔形文字が、エジプトのヒエログリフに影響を与えたことは間違いないと思われます。
これらの文字の解析も進んでいます。
楔形文字や初期のヒエログリフは表意文字+表音文字でできていたと考えられています。
後期のヒエログリフはほとんど表音文字となっているようですので、話し言葉とその音を示す文字と言う関係が出来上がっていったのではないでしょうか。
アルファベットは後期のヒエログリフから繋がる歴史を持っていますので、表音文字として初めから音を表す記号としての役割を持っていたのでしょう。
漢字は、アルファベットとは全く違った起源をたどります。
おそらく元をたどればメソポタミアの楔形文字にヒントがあるのでしょうが、まだよくわかっていません。
アジアにおいて生まれ広がった漢字は、最近では韓国起源説まで飛び出しています。
亀甲文字を含めて象形文字として使われていた一種の絵記号が文字となっていたために、その形には意味があります。
さて日本語は漢字とかな混用が基本形となっています。
つまり「表意文字+表音文字」が基本形です。
更に「ひらがな」の音体系は基本音46音でできており、なおかつ母音言語としてきわめて聞き取りやすい音となっています。
子音言語と違いは声帯を使った「声」を発することであり、子音言語のような息を使った風切音的な音がなく、クリアで大きな音として響くことです。
文字としては中国文明の影響を受け、漢字を使いましたが、その音については独自の音を継承した世界でも珍しい言語です。
更には、その漢字からまったく日本独自の表音言語である「かな」を生み出し、古代よりの独自のことばを継承してきています。
音においては紛らわしい音のないきわめて少ない音で、あらゆることを表現することが可能な語彙をカバーし、文字においては意味を持たせたい部分においては漢字という表意文字で伝えることが可能になっています。
話し言葉においても、文字や文章においても、世界の言語な中で一番正確に伝えることが可能な言語となっているのです。
そのために、どの言語にもまして豊富な表現方法を持っています。
どの言語よりも自由な文法となっています。
あまりにも豊富な表現方法を持っているだけに、相手によって表現の方法をうまく選択していかないと、かえって分かりにくいものとなってしまう可能性がとても高い言語です。
日本語話者同士でも、意思の疎通にミスが出ることがしばしばあります。
道具としての日本語は、おそらく世界最強だと思います。
問題はこの最強言語を使いこなす技術です。
言語を使う場面はたくさんあります。
その目的も様々です。
もっともっと気をつけて、意識して使ってみるだけでかなりの変化があるのではないでしょうか。
道具としての日本語は学校教育を中心にすべての人が身につけてきましたが、道具を使いこなす技術はほとんどの人が学んできていません。
自分で意識しないと磨けない技術のようですね。
せっかくもらった日本語です。
もう少し意識してみませんか。