2013年10月27日日曜日

言葉と記憶

教育者や脳科学者の共通した見解として、5歳までの保育環境が人としての基本を決めてしまうことがあります。

特に2歳から4歳までの間で、脳の発達が最大になることと関係が深いと言われていますが、よくわかっていないこともたくさんあります。



2歳から4歳にかけて脳の容積は約4倍になります。
その後も容積は15歳くらいまで大きくなりますが、その割合はこの時期に比べたら微々たるものです。


この2歳から4歳の時期にかけての発育に関しての様々な実験や観察によって、またその後の成長の観察によってもわかってきたことがあります。
人が生きるために必要なことを身につけている時期ですが、本人は意識せず記憶にも残っていないことです。

刷り込みに近い状況だと思われます。


何かを教育として与えれば、刷り込みとして取り込んでしまいす。
数学的な公式や代表的な理論は教え込めばそのまま刷り込まれてしまいます。

ところが、この時期に英才教育的に教え込まれた知識は、繰り返し引き出すことによって定着していきますが、応用が一切効かないことがわかっています。
そのことをそのまま丸覚えしているだけなのです。

継続的な観察によって英才教育的な教え込みをすると、きわめて基本的な会話や対人関係の構築に欠落が起こることもわかってきました。
現在では幼児の英才教育を推奨する学者は一人もいないでしょう。



記憶や知識の習得についても多くのことがわかってきました。
そのすべてにおいてに言語が大変重要な働きをしていることもわかってきました。
言語の習得がなによりも優先するすることがわかってきたのです。


言語が習得できなければ記憶することができません。
ですから、言語を持っていない幼児期の記憶はないのです。
言語が少ない幼少期の記憶はほとんどないのです。
物心がつく時期とは、一通りの言語の習得が出来上がった時期なのです。


いつごろくらいからの記憶がありますが?

私は断片的・瞬間的には、幼稚園の年長のころの記憶がありますが、鮮明ではありません。
小学校低学年のころの記憶も断片的で不鮮明です。
残っている写真を見ても記憶と結びつくものは少ないです。

小学校高学年になると、写真を見るとかなりのことを思い出すことができます。
かなり鮮明に表現することができます。


小学校に入ると全国的に統一された言語習得カリキュラムが始まります。
様々な知識を身につけるための学習言語の習得です。
国語科を中心として、学習言語を習得しながらその言語を媒体として様々な学習をしていきます。



学習言語を学ぶ前に、学習言語を受け入れられるように身につける言語があります。
それが母語です。
母親から伝承的に学ぶ言語です。

この言語が刷り込みになって、その後の様々な経験が知恵や知識として取り込まれていくことになります。


母語は教えることができません。
幼児期には遺伝的に母語を身につけるようにできているようです。
親や周りがすることは言葉の環境を整えることあり、より多くの言葉を教え込むのではなくて、より多くの言葉に触れる環境をつくることなのです。


子供は勝手に言葉を身につけていきます。
いろいろな言葉に触れる環境が大切になっているようです。
2歳頃には言葉の噴火とも言葉の爆発とも言われる、一気に言葉を発し始める時期が来ます。

祖父母、兄弟、隣近所、保母さん、多くの人の言葉に触れることが必要になってきます。
一番安心して入ってくるのが母親のことばです。
母親を経由して、周りの人の言葉が入ってくることが一番心地いいようです。


4歳くらいまでに母語の基本が形成されますが、子供の記憶には残りません。
この時までに母語にする言語を決めなければいけません。
海外生活の場合は、その子の母語として決めた言語の環境を整えるのが大変になります。

その後の学習言語の習得過程において、母語の修正も行なわれていると考えられていますが、母語は本能的に最も深いところに刷り込まれることになります。
この時に習得された母語によって、脳の機能が決まっていきます。

日本語を母語とする場合と、英語を母語とする場合では脳の機能が異なります。
日本語を母語とすると、自然の音や虫の声を言語として認識するようになります。

英語を母語とすると、自然の音や虫の声を、機械音などと同じように雑音として認識するようになります。

 

母語の上に、学習言語として身につけた第一言語が形成されます。
通常であれば、母語と学習言語は同じ言語となりますが、時として異なる場合があります。

日常的には学習言語として形成された言葉が使用されますが、感覚や感性としては刷り込まれた母語のものになります。

母語と第一言語が異なると、日常的に友達と会話をしていても感覚が違って迷うことが出てきます。
特に、母語が日本語で第一言語が英語の場合は、英語環境の中での本人の違和感は相当なものとなります。

最近では、母語と第一言語や第二言語を調べることができるようになっており、幼児期に海外で過ごした人の不安解消に役立っているようです。


日本語の場合は、学習言語の基礎的な習得が10歳前後までかかるようです。
物心つく年齢というのは、大体このころのようですね。
小学校高学年ころから、記憶が鮮明になってくるのは、単に覚えていないということではなさそうですね。

言葉と記憶は密接に結びついてます。

言葉がないと記憶ができないのですね。

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