2013年9月9日月曜日

英語を学ぶことについて(オリンピック招致のプレゼンから)

今回のオリンピック招致の最終プレゼンの日本人の英語はとても象徴的だったと思います。

指導者はそれをわかったうえで指導しているのでしょう。


一番最初に話をなさった高円宮妃久子様はIOCの公用語であるフランス語を最初に使われました。

久子様の原稿は皇室とご自身が作ったものであり、今回のプレゼンの指導者の手はほとんどはいっていないそうです。
フランス語そのものについての評価の記事がまだ見つけられていませんので、フランス語については分かりません。

そして英語を使われました。

何と耳に心地よい英語だったことでしょうか。


私の知る限り、素晴らしいクィーンズ・イングリッシュだと感じたものですから、いろいろな記事を見
てみました。

驚きました。

最上級のクィーンズ・イングリッシュであり、ネイティブのイギリス貴族ですらが、あのような英語を話したいと言っています。

日本の皇室のレベルの高さを世界に知らしめた瞬間とも書かれていました。
もっとも各国の王室や皇族は、とっくに承知のことのようです。

皇室行事だけではなく、もっといろいろな場面でお話しいただきたいと感じました。

誇らしい日本の皇族のおひとりです。

 


久子様以外のプレゼンターの英語もそれぞれの役割に応じて、使い分けられていましたね。

現役選手の太田選手や佐藤さんは今回のプレゼンのために、専用の英語を覚えたそうです。

阿部首相を含めた他のメンバーも選手よりは英語の使用機会は多いようですが、日常的に使いこなせるのは竹田JOC会長くらいだそうです。

猪瀬知事は初めのころに比べると、英語を話すことがかなり板についてきましたよね。

みなさんが、相当の練習をされたことがうかがわれました。



今回のプレゼンを見た人から、また英語を身につけたいと思う人が増えるのでしょう。

少し見方を変えてみましょう。

今回のはプレゼンテーションのための英語です。
質疑応答はありますが、一方通行の話し言葉です。
実際、質疑に対しての回答は日本語でした。

つまり、ほとんど英語が離せない人でも、少し訓練すれば、あの程度のことはできるのです。


英語を学ぶ前に、本当にその必要があるのかどうかをじっくり考えてみるべきではないでしょうか。

単なる会話のためであるならば、瞬間自動音声翻訳は既に存在しています。
中途半端な英語を使うより、はるかに正確に伝わります。


特に子供のためと考えて、幼少期に英語に触れさせることは考え物です。

一番大切な母語の習得の妨げになる場合があります。
しっかりした日本語を身につけてからでも遅くないのです。

日本人の能力からすれば、英語話者との会話が必要な機会が頻繁に訪れれば、自然と英語の会話ができるようになります。


英語を学ぶときに一番大切なのは、発音とアクセントです。

単語におけるアクセントもありますが、文におけるアクセントの方がもっと大切です。
英語は音声言語ですので、発音がとても大切になります。

母音言語である日本語をもつ私たちにとっては、発音しにくい音がたくさんあります。

耳で覚える言語なのです。
癖のある発音をする人もいっぱいいます。


アメリカ人で言語学としての英語を学び、アメリカ人に英会話を指導する人がいます。

彼に確認すると、彼自身がテレビドラマや映画で正確に聞き取れている部分は多くても60~70%程度だそうです。
作品によっては50%以下のこともあるそうです。

聞き取れなかったところはすべて、映像からguess(推測)しているそうです。
映像の無いラジオの英語の方がはるかに聞き取りやすいそうです。


彼の薦める英会話学習法は極めて簡単です。

一日中、FEN放送を流しっぱなしにするんだそうです。
何かに集中しているとき以外は、わからなくてもなるべく聞き取るようにするんだそうです。

それだけです。

個人差はあるようですが、遅い人でも3カ月もすれば必ず変化があるそうです。

それまで何を言っているのか全く聞き取れなかったのが、突然半分くらい一度に聞き取れるようになるそうです。



彼の言うには、英語は音声言語である以上、聞くことができなければ、話せないそうです。

聞けさえすれば、話すのは簡単だそうです。
聞き取った言葉を使うだけだそうです。


幸か不幸か、私はそこまで英会話が必要な機会に出会ったことがありませんので、真剣に英会話に取り組んだことはありません。

サラリーマン時代に海外要員としてのビジネス研修で、3か月間の国内での合宿研修に行っただけです。

一か月半の集中英語トレーニングと1か月半の英語によるビジネストレーニングでした。
最終的に海外へは行っていませんし、英語を使う機会もほとんどありませんでした。

それでも集中して身につけたものは、かなり残っているようです。


英会話を素早く身につけるには、だらだら何カ月もかけて少しずつやるよりは、毎日集中して一気にやることが大事なようですね。

彼の意見によると、1週間に1~2回の2~3時間程度のスクールに行くだけだったら、まず話せるようになることはないと言っています。

それで話せるようになる場合は、もともと話せる状態に近かったか、スクール以外に毎日のように自分で何らの英語に触れていたからだろうと言っています。