昨日は2020年のオリンピック・パラリンピック開催地の決定の日でした。
東京のプレゼンテーションをずーと見ていて、日本人のプレゼンテーションンも上手くなったもんだなと思いました。
全員が英語でプレゼンテーションをしていましたが、かなり練習した跡がうかがえました。
ボディランゲージ・アクションについてもぎこちない部分もありましたが、専門家の指導に基づいて練習を重ねてきた様子でした。
ふと思ったことが有りました。
これを日本語でやったらどうなるんだろう?
英語は音声言語です。
相手に伝えるには、文字よりも話し言葉で伝えたほうが理解しやすい言語です。
そのために発音やアクセントが大切になります。
リズムが自然とできてきます。
私自身は最近では英語を使う機会はありませんが、話せは話すほど自分でもリズムに乗ってくる感覚は何度か味わったことがあります。
思わず手振り身振りが自然と出てくるリズムが英語にはあります。
聞いている人にも同じリズムが乗り移るため、聴衆を巻き込むにはとても優れた言語だと思われます。
一方で、日本語は平坦な発音で、ほとんどアクセントがありません。
リズムを作るためには文字数(音数)が大きな要素になります。
七五調や俳句・短歌のリズムですね。
標語にしても五音七音で作られととても語呂のいいものになります。
ひらがなは音声言語ですので、声に出したほうが理解しやすいのですが、漢字は表意言語ですので文字の方が理解しやすいものです。
この2種類が混在するわけですから、耳と目の両方で訴える必要が出てきます。
日本語のリズムの基本は音楽で言う4/4拍子です。
五音七音は4/4拍子にぴったり乗って、字余り・字足らずを作らないリズムができます。
私が曲を作るときの詞の基本も、五音七音です。
日本語はタッタッタッというリズムはできますが、抑揚・メリハリがつけにくい言葉です。
無理に抑揚をつけようとすると、どこかの方言のようになってしまい、聞き手に違和感を与えることになってしまいます。
したがって、喋っているリズムに合わせてボディランゲージやアクションを付けることが大変難しいです。
印象つけるためには、話の内容や言葉そのもので訴える必要があります。
より深い印象を与えようとするときは、視覚を利用しスライドや映像・模型を使うことが有効になってきます。
聴覚と視覚の両方に訴えるプレゼンも一般的になってきており、なかなか深い感動を提供することは難しくなってきました。
次の手法として3Dが注目を集めていますが、私は3Dは過渡的な物だと思っています。
平面の場合はあくまでも見ているという視聴者・聴衆という客観的な感覚が抜けませんが、3Dの場合はその空間の中に取り込まれた当事者の感覚が出てきます。
立体の疑似空間の中での疑似体験ですね。
それでもここで頼りにしている感覚は視覚にすぎません。
より深い印象を与えるためには五感のいくつを同じ内容で刺激できるかだと思います。
3Dが過渡的という意味は、視覚による疑似体験だからです。
聴覚、視覚の次は、実際に触れる触覚に訴えるものが増えてくると思います。
3Dプリンターの活用はそのためのステップだと思います。
そこに味覚、臭覚を刺激する物が出てくると、とんでもなく強い印象を与えるものが出てくるのでしょうね。
でも、基本にあるのは言語です。
人の脳は思考するときには言語(母語)でしています。
相手に応じて言語をわかりやすく伝える方法を身につけておきたいですね。