2013年9月15日日曜日

「ひらがな」の位置づけ(4.母語の感性)

ここまで見てきたように「ひらがな」にはどうしても漢字に比べて下に見られるという宿命があります。
これは日本語そのもが待っている感性と言ってもいいものです。

私たちが漢字で書ける文字をわざわざ「ひらがな」で表記する場合は、何かを狙ったいるときだけだけです。

特に意識しなければ、漢字で書ける文字は漢字で書いたほうがいいという感覚を持っているのです。
漢字が思い出せなくて、しかたなく「ひらがな」で表記した時は情けない、悔しい気持ちになることが有ります。

「ひらがな」には女性や子供の使用してきた言葉、漢字を学習する前のことば、そんな位置づけができているんですね。



文学としての平仮名文字を育ててきたのは、まさしく中世の物語文学をつづった女官たちです。

仮名の使い方自体が定まっていない中で、試行錯誤を繰り返してひらがなの使い方を定めてきました。
もともと女性が開発してきた使い方ですので、ひらがなの使い方は女性の方が上手いようです。


また、漢字の謹厳実直な響きに比べて、ひらがなは軽薄曖昧な響きを持っています。
キチッとした論理構成や技術的な表現は、間違いの無いように漢字表現の方が適しています。

反対に、感情の表現や自然の移りゆく様などの、ふんわりとした緩やかな表現にはひらがなの方が適しています。

仕事を中心としたコミュニケーションの多い男性にとっては、漢字の多い世界での生活が日常となります。

女性でも、専門性の高い仕事を持っている場合は、漢字の多い世界での活動になりますが、なぜか男性と同じ様なことにはならないようです。

もともと持っている感性がそうさせるのか、そこまで育ってきた環境で感覚的なひらがな世界を身につけてきたのはよくわかっていないところです。



生まれてから最初の言語習得は、ほとんどの場合、母親からの母語の継承です。
母性としての本能の中に、母語を伝え継承することが含まれているとしか思えません。

母語のほとんどは「やまとことば」に通じる「ひらがな」言葉です。
この母親から伝承された「ひらがな」言葉を基礎にして、一人ひとりの母語が築かれていきます。


母語の基本は5歳くらいまでに定着し、その後、学習言語を学びながら母語が固められていきます。
その後も母語の補充はされて行きますが、10歳頃には母語のほとんどが完成していると思われます。


一番の元になっている言葉が「ひらがな」言葉ですから、本来一番心地いいのは「ひらがな」言葉のはずです。

何かにつけて、普段の会話の中には「ひらがな」言葉を意識して使ってみたいですね。

状況に応じて「ひらがな」言葉を使いまわしてみると、同じことについても違った面が見えてくるかもしれないですね。


たぶん、漢字指向の脳とひらがな指向の脳があって、論理・規律と感性・心情などを使い分けしているのではないでしょうか。

逆手にとって、論理・規律に関することを思い切り「ひらがな」を多用して表現してみると、その感覚がよくわかると思います。



女性は母性として「ひらがな」の使い方を身につけているようです。
男性でも女性向けの話しで受けのいい人は、ひらがな言葉が多いようですね。

ガチガチのお役人になると、説明のために易しい言葉で言い換えてひらがな言葉を使うと、バカにしていると受け取る人がいます。

相手をよく知って、よく聞いて対処したいですね。

そんなお役人でも、通常会話であれば「ひらがな」言葉の方が心地がいいはずですよ。



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