1.読み聞かせる本は親が選ばない。
2.何度も同じ本を持ってきても拒まない。
3.途中で子供が飽きてきたら無理に続けない。
4.遠くから読み聞かせない。
5.面倒がって早口にならない。
実はこれは子供の成長のサインでも含まれているんですね。
一つずつ見ていきましょう。
1.読みき聞かせする本は親が選ばない
これはついやってしまいがちですね。
年齢に対応した本がたくさんあります。
実年齢より少し上の対象のものを読んでいると安心するお母さんが多いようですね。
子育ては不安との戦いですから、少しでも世間で言われている成長過程よりも進んでいて欲しい
気持ちは本当によくわかります。
また、一般的な成長過程よりも少しでも遅れていると感じると不安で仕方がなくなることもよくあることです。
まずは、肉体的な成長についての個人差で不安を持たないように、相談できる先生や育児仲間をうまく利用することが大切です。
子供の健康はもちろんですが、母親の精神状態が子供の成長に与える影響はとてつもなく大きなものであることがわかっています。
子供の健全な成長のためには母親の穏やかな精神状態は欠かせないことなのです。
さて、「本は親が選ばない」は子供の成長を見つけるのにとても良いことです。
子供の手が届くところに対象年齢以外の本も置いておいて、子供が選べるようにします。
いろんな本を、いろんな対象年齢の本を行ったり来たりするはずです。
子供の選んだ本の対象年齢に一喜一憂しないで、その本を読んであげることが大切です。
2.何度も同じ本を持ってきても拒まない
やがて「何度も同じ本を持ってくる」ことが始まります。
子供の興味と好奇心が刺激され開発されてきているサインです。
喜んで何度でも読んであげてください。
この時に「またこれ、」や「違うのにしましょう、」は絶対やってはいけません。
せっかく開き始めた集中力と好奇心の芽がしぼんでしまいます。
何度でも付き合って読んであげてください。
同じ本を何度でも読んでと言ってくるのは、きわめて喜ばしい成長サインなのです。
次の3番との組み合わせで絵と言葉と文字による新しいものに触れる喜びを共有してください。
3.途中で子供が飽きてきたら無理に続けない
2番と反対のことですね。
このころの子供は短い時間で集中と好奇心の拡散を繰り返しながら様々なことを経験していきま
す。
ほとんど五感のすべてをフルに使って周りの環境を理解しようとします。
子供が物を口に入れるのは食べるためではなく、味覚としてそのものを確かめるためだといわれています。
すぐに飽きてしまうのもそのためです。
周りには興味を引くものばかりがあふれています。
少し興味を持ってもすぐにほかのものに興味が移ってしまうのは自然の行動なのです。
読み聞かせの途中で子供が飽きてしまったら、絶対に無理に続けないでください。
このことで、潜在的に読書が嫌いになってしまうことがあるそうです。
4.遠くから読み聞かせない。
読み聞かせの時も五感のなるべく多くを使ってください。
絵本を見ながら、そして直接触れながら読み聞かせてあげてください。
母親の声が遠くから聞こえることは、子供にとってとても不安なことなのです。
身近で母親の鼓動を感じながら、囁くように母親の声を聞くことが一番安心できるのです。
一緒に絵を見ながら、そこで子供が発する言葉に反応しながら読み聞かせてあげてください。
本を読み聞かせることが目的ではないのです。
読み聞かせという行為を通じてコミュニケーションをすることが大切なのです。
子供の反応を無視して、機械的に読み進めてしまっては意味がないのです。
5.面倒がって早口にならない。
子供は母親の精神状態に対してものすごく敏感です。
穏やかな精神状態の時の鼓動やリズムを感覚でわかっています。
子供は母親が喜ぶことが大好きです。
子供の健全な成長のためには母親の精神状態を穏やかに保つことがとても大切になります。
面倒がって早口になるとせっかく関心を持っていた本に対してすぐに飽きてしまいます。
3番の子供が飽きてきているのが自分の原因ではないかどうかは時々見直してみるといいと思います。
ただし、子供が飽きるのは頻繁ににありますので、考えすぎないようにおおらかにしているほうがいいかもしれませんね。
以上、べからず集的に読み聞かせの具体的な方法を挙げてみました。
「こうしたらいいよ」というノウハウは世の中にたくさんありますが、同じ環境条件でできるわけなんかありませんのでほとんど役に立たないと思っています。
また、いいといわれることをずっとやり続けられるほど、人は機械的にはできていません。
絶対やったらいけないことにだけ注意していけば、あとは個性でいいのではないでしょうか。
専業主婦に比べて仕事を持った母親は子供との接触時間が圧倒的に少なくなります。
専業主婦に比べて子供との接触時間が半分以下になると、保育施設等でフォローをしても明らかな差が出てくるようです。
この読み聞かせ法を実施していた場合は、仕事を持った母親が子供との接触時間が専業主婦の四分の一くらいしかないのにほとんど差がなかったことが報告されているそうです。
どこまでの成長や機能をとらえて差を出していたのかはわかりませんが、効果があることは確かなようですね。
子育ては母親一人では絶対にできません。
母親が穏やかな精神状態を維持できるためにも、可能なサポートはできる限り利用しましょう。
いろんな人と触れることがより懐の広い母語を習得できるチャンスとなります。