2013年7月23日火曜日

話し言葉と書き言葉(1)

言葉には話し言葉と書き言葉があります。

文字ができる前から話し言葉はありましたが、その始まりはよくわかっていません。

文字がないときですので記録がないからです。

紀元前数千年の世界最古の文明と言われるメソポタミア文明を作り上げたシュメール人たちは、楔形文字を使っていたといわれています。

日本では、文字の導入は西暦500年ごろの仏教伝来や律令の導入あたりではないかと言われています。
漢語の導入ですね。

この後が奇跡なんですね。

この輸入してきた漢語から、もともと使っていた話し言葉を表記するためのかな文字を作り出してしまうんですね。

しかも導入した漢語はきちんと使いこなしながらです。

それまで使っていた話し言葉と漢語の音があまりにもかけ離れていたからでしょうか?

すでに漢語による音で当時の最先端の文明を作り上げた中国という国があるのに、なぜ漢語の音一色にならなかったのか理由がよくわかりません。


ロシア語はアルファベットの導入から始まっていますが、文字を独特のものに変えたことによってもとのアルファベットはなくなりました。

通常の言語においては表記文字は1種類です。

韓国は漢字とハングル文字の両方を使っていましたが、第2次大戦後漢字の使用を規制しました。

何十年と言う間に漢字を使えない世代が出来上がり、漢字で残っていた文化が消えかかっていて問題になっています。


日本はかなを発明したことによって、漢語導入以前の文化をかなで継承することができました。

更に漢語(漢字)の非常に高い造語力によって多くの言葉を作り出してきました。

やがてこの言葉は漢字使用国にも逆輸出されることになります。


漢語以前の話し言葉をひらがなで継承してきているのです。

文字のないときの話し言葉は発音するその場で消えていきますので、細かなことを表す言葉はほとんどなかったと思われます。

漢語が導入されてからも、日常生活の話し言葉はほとんどがかな言葉であり漢語は皇室・高官の儀礼的な物であったと思われます。

公式文書やインテリの間では漢語による記録がレベルの高いものとされ、かなは女子供が用いる書き文字とされてきました。


漢字の訓読みについてはもともと話し言葉であったものに、意味としての漢字をあてたものと言えます。

したがって、広い意味ではひらがなと漢字の訓読みを合わせて「やまとことば」ということができると思います。

導入された漢語や新しく作られたいわゆる和製漢語は音読みになります。

導入された年代によって同じ漢字でも音が異なったりするので、何種類もの音読みを持つ漢字が存在ます。


漢字は造語力があり細かなことまで表現することができます。

精確さ厳しさを表現するには漢字のほうが適しています。
公式記録に漢語を使用したのがわかる気がします。

書き物として詳細を残す必要がある場合には漢字をたくさん使ったほうが格が上がります。

役所の公式文書や申請書類がまさしくそれですよね。


反対に話し言葉で伝える場合には「やまとことば」を中心に使うととても分かりやすくなります。

訓読み漢字は音で聴けばひらがなですから、とても聞きやすい流れになります。

話し言葉の中で音読み漢字をたくさん使うと話の内容がとても分かりにくくなります。

昔の役人の演説がまさしくこれで、音読み漢字のオンパレードです。

音読み漢字をたくさん使える方が格が高いと思われていたんですね。


また、同じ訓読み漢字でも文字にして伝えるときは漢字の特徴を知っておくとより伝わりやすくなります。

がっちりしたこと激しいこと強調したいことなどは漢字で書くとその雰囲気が出ますし、やわらかいこと漠然としたことなどはひらがなのほうが雰囲気が出ます。

たとえば「きびしい」と「やさしい」で見てみましょう。

「厳しい」と「きびしい」はどちらがよりきびしく見えますか?
「優しい」と「やさしい」はどちらがよりやさしく見えますか?

「厳しい」と「やさしい」になりませんか?


今は漢字変換ソフトあるので、字を知らなくてもキーひとつで漢字にしてくれます。

特にプレゼンテーションや人前で話す機会のある人は漢字とひらがなの使い方一つで、伝わり方が変わってくると思いますよ。



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