心に残るPRコピーってありますね。
私が好きだったのはJRの「いい日旅立ち」でした。
谷村新司と言う稀代の日本語使いの詞を山口百恵が歌ったものでした。
すでに国鉄からJRになっていたと思います。
このコマーシャルに思い出があるのはJRのせいでもあります。
JRと聞いたときにはなんとなく日本国有鉄道のJNRが民営化されて、JR(Japan Railway)になったのだろうと割とすんなり受け入れていました。
1987年だったと思います。海外事業部への異動を希望し、英語に興味を持って何とか身につけようとしていたころだったと思います。
日本語に対しての興味はほとんどなかったころです。
それでも強烈に印象に残っています。
そのあとはJR西日本の「そうだ京都行こう」だったと思いますが、同じく谷村新司の三都物語という曲が印象に残っています。
テレビのコマーシャルではコピーよりも音楽のほうが記憶に残るようですが、この2つのCMはとてもさわやかなイメージで記憶に残っています。
余談になりますがJRとJAは会社の名前として私の大嫌いなものです。
日本国内を相手にする歴史ある会社がなんでこんな名前を付けるのでしょうか。
しかも読み方はカタカナで「ジェイアール」「ジェイエー」なんて、よほど日本であることに対して劣等感でもあるのでしょうか。
今の広告はどうもカタカナやアルファベットのほうが多くてわかりにくいと思います。
内容よりも目を引くことを主眼に作られているからなのでしょう。
テレビのCMでは音という耳に訴える効果も使えますが、ポスターやチラシの広告は目に訴えることしかできません。
そうなれば当然のごとく、話し言葉よりは目で見て印象的なアルファベットやカタカナや漢字のほうを使いたくなります。
また、日本人が持っている感性として外国語は何となく高級で程度が高いというものがあります。
同じ英語でもカタカナで書くよりはアルファベットで書いた方が、レベルが高いという感覚を持ってしまいます。
レベル感で考えると以下の順番でしょうか。
外国語(アルファベット)、外国語(カタカナ)、漢字、カタカナ(日本語)、ひらがな
特にひらがなの場合は、同音異義語がたくさんあるために単にその言葉だけでは特定できないものがたくさんあります。
広告という手法が広まってから、どんどんひらがな言葉が目に見えるところから消えていっています。
同じ広告でも昔は内容を読ませるものが多かったと思います。
一つのことに目を留める時間がどんどん少なくなっていき、瞬間的なアイキャッチを求めることが広告の目的になっています。
テレビのCMは15秒が標準になっています。
新聞の見出しもそうですね。
スポーツ新聞の見出しなどは広告なのか見出しなのかわからないものがたくさんあります。
みじかい文字数で内容を伝えるためには漢字は最適です。
文字自体に意味がありますからほとんどの場合は一瞬で理解できます。
本当に便利な言葉です。
これだけアルファベット、カタカナ、漢字が氾濫する中でひらがなの広告に触れるとホッとしませんか?
ひらがなだけでなくとも漢字の訓読みがあるとホッとしませんか?
訓読み漢字にひらがなで送り仮名があってもいいのです。
漢字が書けないからひらがなで表現するのではないはずです。
自動漢字変換は当たり前になっています。
あえてひらがなを使ってみる工夫も必要なのではないかと思っています。
やまとことばに触れると人は穏やかになるものです。
そのほうが日本人の感性に訴える広告ができると思うのですが。