2013年6月22日土曜日

世界で一番大きな言語「日本語」

第二言語を身につけようとしたときに、もともと持っている母語よりも大きな言語は身につけること

ができないことはすでにご案内した通りです。

仮にできた人がいたとしたら、その努力は並大抵のものではないと想像できます。

それでは、世界の主要言語のうちで一番大きな言語はなんでしょうか?


まだ、検証はできていませんが私は日本語が一番大きな言語ではないかと思っています。

少なくとも中国語(漢語)と英語に対しては間違いなく日本語のほうが大きいと言えると思います。

細かな理由を述べなくとも歴史が物語ってくれると思います。

もともとの日本には少ない音で構成された話し言葉しかなかったと推察されます。

漢語の導入によって文字としての言語ができました。

すべてが漢語にならなかったことが今の日本語の礎を作ってくれました。

当時の世界の最先端の文明である中国の文化を取り入れるために、その媒体としての漢語がどう

しても必要でした。

本来ならば大きくて便利な文化が導入さると、必然的にそこで使用される言語に今までの言語が

取って代わられることになります。

これは世界のどの歴史を見ても明らかです。

もちろん、公式文書や高官の言語がかなりの割合で漢語に置き換わっていたことは、資料的にも

明らかです。


むしろ、話し言葉しかなかった時代において資料として残せる言語は導入された漢語しかなかった

といえるでしょう。

それにもかかわらず、当時の日本人は話し言葉を重視し、漢語を読むための補助語としてのカタ

カナと話し言葉を表すためのひらがなを作り出しました。

一つの奇跡です。

これによって漢語は日本語に取り込まれ、それまでの日本語はひらがなとして完全に保存され

ることになりました。

すなわち日本語の一部として導入された漢語が存在することになります。

明らかに、漢語よりも日本語のほうが大きな言語ということができます。


それでは英語に対してはどうでしょうか。

明治維新の時に一斉に西洋文化の導入が行われました。

当時の世界の最先端文化はヨーロッパにありました。

法律から議会政治の在り方まで丸ごとヨーロッパの文化を一気に導入しました。

当然、それまで日本に存在しなかった言葉や物が押し寄せてきました。

当時の高官や文化人はこれらの言葉に対して、見事に漢字での造語とカナカナでも対応で乗り切

りました。

本来の概念とは微妙なずれを持ちながらも、漢字(漢語)とカタカナで新しい言葉に対応し、それま

での日本の言葉をひらがなで守ってきました。

そして太平洋戦争後はアメリカ英語の怒涛の侵略です。

もちろん、明治以前からも有りましたが、漢字とカタカナに加えてさらにはアルファベットで新しい言

葉に対応して、日本古来の言葉をひらがなで守り続けました。


すべてとは言いませんが、中国語(漢語)や英語についてはかなりの部分をすでに日本語として取

り込んでしまっています。

さらに古来の日本語を加えると、どう考えても日本語のほうが中国語(漢語)や英語よりも大きな言

語であると言わざるを得ないと思います。


通常会話の90%を理解しようとすると、英語では3000語を理解してなければできないといわれて

います。

フランス語では2000語です。

これが日本語になると、なんと10000語が理解できないと通常会話の90%を理解することができ

ないそうです。


母語として日本語を持つことの強みはこんなところにもあらわれているのかもしれないですね。

英語を使いこなしたければ、まずしっかり日本語を使いこなすことが一番の早道になるんでしょう

ね。

そもそも、思考は母語でしかできないのですから、母語として大きな日本語を持つ我々はいつでも

英語を使える様になると言えるのではないでしょうか。

母語としての日本語をより磨くことが、これからますます大切になってくると思われます。