2016年2月27日土曜日

「ひらがな」を使いこなせ

日本語の基本的な特徴がよく現れてくるのが「ひらがな」であることは何度となく触れてきました。

文字としてはひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットを使いこなしながらも日本語としての基本的な感覚を継承し表現しているものは「ひらがな」によるものです。

どの様な表現をしようとしても、日本語としての表現をしている以上かならず現れてしまう傾向というものが存在しています。

その傾向を作っているのが「ひらがな」なんですね。


日本語だけの環境にいる場合においては、日本語における表現の違いで論理的な内容であったり情緒的な内容であったりするのにふさわしい表現をしようとしています。

その感覚の違いは日本語を母語とする者でなければ理解できないような微妙なものにもなっていることでしょう。


日本語が持っている基本的な感覚は直感的であり情緒的な表現に適しているものでもあります。

その日本語が明治維新を契機としてヨーロッパをはじめとした先進文明に触れながら新しい言葉や使い方を生み出していくことになりました。

新しい感覚はそれまでの日本語と比べたら論理的であり主観的なものです。

それらに対応するために新しい言葉として漢字やカタカナ・アルファベットを利用しました。


しかし、文の基本的な構成や新しい言葉をつなぐ文法に変化があったわけではありません。

新しい言葉として生み出されたり導入されたものはほとんどが名詞です。

名詞は表現の中の大事な要素ですが名詞だけで表現ができるわけではありません。


むしろ、要素としての名詞同士がどのような関係にあるのかの方が内容を理解するためには必要な場合が多くなります。

客観的に具体的な物を表現するときには名詞がなければできませんが、感覚的なことや状況を説明する時にはそれ以外の要素の方が重要になることすらあります。

これらのことを行なっているのが「ひらがな」なのです。


日本語の基本が「ひらがな」であることを確かめる一つの方法があります。

短い内容でいいので、あなたが伝えたいと思うことを書き出してみてください。

自分で伝えたいと思う言葉で構いません。


そこで書かれた言葉の一つ一つを「ひらがな」のことばで置き換えてみてください。
話しことばで問題ありません。

特に漢字で書かれた言葉やカタカナ・アルファベットで書かれた言葉に注目してください。

ひとことで置き換えられる場合もあればじれったくなるくらい長い表現になることもあると思います。

「ひらがな」にはなったものの何のことだかよく分からいものもあるかもしれません。


基本的にひとことに近い形で「ひらがな」になっていない場合はその言葉が自分の物になっていない場合が多くなっていると思います。

自分自身でよく理解できていない言葉なのです。

そんな言葉を使って伝えてもみても聞き手は理解できないのです。

自分が伝えようと思っている言葉が自分自身でしっかりと解釈できていないとしたら、相手にキチンと伝わるわけがありません。


ひとつの単語ですらこのようなことですので、そのような単語がいくつか登場してきたらもうほとんど内容は伝わらないということになります。

瞬間的に音読み漢字の熟語やカタカナ言葉、アルファベットや略語を使ってしまうことはあると思います。

そんな場合であっても「ひらがな」ことばで言い換えたり付け加えたりすればいいだけのことです。


漢字の熟語やカタカナ・アルファベットを使って表現をしているとなんとなく専門用語を使いこなしているような錯覚に陥ることがあります。

本当の専門家は同じことを誰でもが分かるような表現で伝えてくれます。

それが「ひらがな」ことばであることは以外に気づかれていないことではないでしょうか。

わかり易さを追求していくと最後はすべてが「ひらがな」になります。


単語としての言葉が「ひらがな」で表現できるようになったら、次に気をつけるのは普段は無意識に使っている助詞や接続詞としての「ひらがな」です。

この「ひらがな」たちが論理や言葉同士の関係を作っているからです。

「わたし」の「は」であり、「経済」の「が」であり、「しかし」「さらには」「なぜなら」などのひらがながとても大切な役割を果たしているのです。

言葉同士の関係や、前後の言葉や文章の関係を教えてくれるのがこれらの「ひらがな」ことばなのです。

「しかし」の画像検索結果

更には、気持ちや思いを表す言葉は動詞や形容詞として使われる言葉の語尾の表現で行なわれているのです。

文章の最後に登場することが多くなるこれらの表現は、最後までしっかりと話を聞かないと分かりません。

そのためには伝える方も意識して語尾のひらがなをきちんと伝えてあげる必要があるのです。


話し言葉は漢字やカタカナ・アルファベットとしては決して伝わりません。

「ひらがな」の音としてしか伝わらないのです。

聞き手は、伝わった「ひらがな」の音を頼りにして漢字やカタカナ・アルファベットを思い浮かべているにすぎないのです。

「ひらがな」の音を頼りにして言葉を見つけていることになります。

もともとが「ひらはな」ことばで有ればより正確に伝わる事は間違いありませんね。


どうしても意識が行ってしまうのが文字としての漢字やカタカナ・アルファベットです。

これは仕方のないことです。

人の情報は視覚から入ってくるものが圧倒的に多いからです。

さらに馴染みの薄いもののほうに目が採られてしまうのは仕方のないことでもあります。

しかし、肝心なことは一番気に留めていない「ひらがな」によって行なわれているのです。


母語として日本語を習得して日常言語として使用している私たちは、どんなに他の言語を学ぼうとも日本語による以上の知的活動を行なうことは不可能です。

知的活動としては日本語で行なうことが一番質の高い活動ができることになります。

そのためには「ひらがな」の使い方をもっと上手にできるようにしておいた方がよさそうです。


そういえば実際に読み書きとしての「ひらがな」を学んだのはあっという間でしかなかったようです。

更に「ひらがな」による表現についてはほとんど学んだ記憶すらありません。

漢字や英語に比べたらはるかに少ない学習期間だったにもかかわらず一番大切なことばだったのですね。

あらためて意識してみませんか「ひらがな」。

日本語のチカラは「ひらがな」にあるようですよ。


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