2016年2月24日水曜日

言語の性格で異なる発想ツール

今回は発想という活動に絞って考えてみました。

発想が知的活動の一つであることに異論はないと思われます。

知的活動は言語によってなされていることになりますので、言語が持っている基本的な性格は発想の仕方にも現れてくることになると思われます。

したがって、言語が持っている性格をうまく活用した方がより効果的な発想が可能となると思われます。


また、人によっても何かの活動をするときに無意識に選択しやすい傾向としての性格が存在します。

この性格については先天的なものと後天的なものがあると思われ、持って生まれた先天的な基本的な性格に対して経験によって形成されていく後天的なものが影響していくものだと思われます。

先天的な性格としてはバースデーサイエンス(株式会社バースデーサイエンス研究所)によってかなり集約されていると思われますので参考にしていただきたいと思います。

この人の持って生まれた先天的な性格分類が言語の持っている基本的な性格に対しても応用できるものではないかと考えています。


人の性格を決める後天的な要素として最も大きなものが母語として習得した言語だと思われます。

持って生まれた性格と母語として持っている言語の基本的な性格を軸として経験によって修正されていくのがその時点でのその人の性格となると思われます。

経験によって変化していくのが前提ですので固定的な性格とはならないと思います。

それでも、持って生まれたものや言語による基本的な傾向は何をするにしても影響を及ぼしているのでしょう。


先天的な性格に対して母語として身につけた言語が同じような基本的な傾向を持ったものであればその特徴はさらに顕著に出てくるものとなると思われます。

その傾向は何を重視するのかどのようなアプローチをするのかという選択において無意識に働いていることが多くなります。

理屈抜きに受け入れやすい思いつきやすい選択肢ということになると思われます。


パッと思いついた内容などはほとんどが自分の基本的な傾向に沿った活動となっていますので、自分の持っている基本的な傾向から外れることはほとんどないと思われます。

そのような活動を続けていること自体が基本的な傾向をさらに強める活動になっていることが考えられます。


発想は、今までの自分の傾向とは違った新しいものを求める時に必要なものです。

パッとした思い付きによる同じ傾向の発想ではないものを求めていることになります。

自分では思いつきにくいものを引っ張り出す活動になります。


しかし、引っ張り出すためのアプローチはやりやすいものである必要があります。

そのための傾向があるのではないかと思います。


結果重視型の性格の人は、マインドマップを利用した発想が適していると思われます。

求める結果を明確にしてそこに至る過程やそこから広がる先を描くことは結果重視型の人にとってはとても馴染みやすい無理のない方法になります。

言語としての結果重視型の典型は英語だろうと思われます。

マインドマップの発祥がイギリスであり、その手法がアメリカで発展したことは決して偶然ではないと思われます。


日本人でも持って生まれた性格的な傾向が結果重視型である場合にはマインドマップによる発想は効果的だと思われます。

しかし、日本語自体が持っている基本的な正確は結果重視型ではなく直感重視型だと思われます。

したがって、マインドマップを日本語を使って行なうことは決して適していることとは言えません。

マインドマップを利用するときには英語で行なった方がさらに効果が高いということができるでしょう。

ただし、言語に対する習熟度が母語とは違いますので英語を母語とする人たちほど上手く使いこなせないことになると思われます。


では、直感重視型の言語と思われる日本語を母語とする人に適した発想法とはどのようなものでしょうか。

それは、KJ法に代表される直感的な項目羅列発想になります。

自分以外の人の発した言葉や音をヒントとしながらも全く関係のないものをどんどん引き出していく直感的な方法が適しています。

「KJ法」の画像検索結果

良く行われるブレインストーミングでは、発想側の得意な人とまとめる側の得意な人に分かれるのではないでしょうか。

発想側の人は直感重視的な傾向を持った人が多く、まとめる側の人は結果重視的な傾向を持った人が多くなっていると思います。

他の言葉との関係性や結果との関係性を意識することなく思いつくままに発想を広げる方法です。

その間を取り持っているのが人柄重視型の傾向を持った人ではないでしょうか。


人柄重視型の傾向を持った人の発想に適した方法は要素の関係に注目した関係図による発想です。

大勢の参加者の中では要素の羅列が得意な直感重視型やとにかく結果を求めたい結果重視型の間で、各要素の関係を重視する人柄重視型の存在はとても貴重なものとなるでしょう。

発想においても要素間の関係を重視することから次の要素を発想していくといった方法が適していることになります。

良い関係だけを選択するにではなく判断するときの基準として関係性が重視されることなる性格と言えるでしょう。

「関係図法」の画像検索結果

どんな発想ツールが使いやすいのかによっても自分の基本的な性格や傾向を知ることができると思われます。

どの型をとっても完全にそのものの場合はむしろ稀であり、どちらかといえばそんな傾向ではないかという程度のことも多いのではないかと思われます。

合わない発想に無理やり慣れようとすることよりも、使いやすい発想法の法が効率が良いことは間違いないですよね。

こんなことも参考になるのではないでしょうか。