2014年4月20日日曜日

正解はない、確率で判断する

世の中の変化のスピードが一段と速くなってきているように感じます。

それだけ自分が自由に使える時間が、カウントダウンのように減ってきているということだと思ってます。

世の中の変化も早まれば自分の残り時間も減ってきており、相乗効果で体感としては猛烈な変化が日々起きていることになるのではないでしょうか。


学生の頃は、社会の変化や時間の感覚は意識したことはありませんでした。

与えられたテーマに対しての正解を探しだすことが主たる活動でした。

その正解は自分が持っている場合もあれば、誰かが持っている場合もあります。

どこかに埋もれている場合もあれば、ネットで見つかる場合もあります。

正解探しの上手な奴が成績が良かっただけのことでした。


正解探しの巧拙とスピードが評価の対象となっており、そのために行われる試験において限られた時間での詰め込んだ知識からの正解探しの比べっこをさせられてきました。

必ずどこかに正解がありますので、それ以外のものは評価の対象外です。

正解がないものは、違うという評価ができませんので問題とすることができません。

評価する側が簡単に評価できる形の問題だけが残っていくことになります。


世の中の変化がゆっくりで、経済成長が続いていた時代は、正解が目の前にありました。

どこかで成功したことと同じことをやっていれば正解だったのです。

市場が拡大を続けていますので、いち早く同じものを出せれば、市場の拡大に伴って伸びていったのです。


ところが、これだけ細分化され環境や自己内での変化も激しい現代では過去の成功例は全く役に立たなくなってしまったのです。

環境も自己も全く異なってしまっているため、過去の成功例は再現性がありません。


社会に出てからも正解探ししかできない人がいます。

自分が正解探しをしていることにすら気がついていない人がいます。

評価を気にせずに申し上げると、公務員、教員、大企業にその多くが存在しています。

社会の変化に対して機敏に変化しなくとも存在している組織です。

組織内の存在価値だけで、自分の価値が決まってしまう環境です。

そこには組織内にしか通用しない正解が存在しているからです。



しかも、世の中の学生の中から優秀だと言われる人たちを数多く集めてしまう組織ですので、なおさら始末が悪いのです。

学生たちの人気就職先を見ると面白いことがわかります。

社会環境の変化に対して自己の変化をゆったりと対応できるところこ集中しています。

彼らは感覚で、自己と同類のところをかぎ分けているのではないでしょうか。

彼らの得意とする正解探しで生きていける環境をかぎ分けているのではないでしょうか。


正解がない以上はとにかくやってみなければ何もわかりません。

何かをやって何らかの結果を出さないと、次の手が打てません。

常に市場に、顧客に働きかけ、トライアルを繰り返してより確率の高いものにしていくことしか方法がありません。


ない正解を探していても時間の無駄です。

その間に何かをやって何らかの結果を得て、経験を積んでいった方がより高い確率を手にすることができます。


確率を高める最高の方法が経験の積み重ねです、言い方を変えれば失敗の積み重ねです。

よりい多くの失敗を経験した方がより高い確率を手にすることができます。

さらに感性が加わるかもしれません。


しかも環境に変化は待ったなしですので、遠い過去の失敗経験はほとんど役に立ちません。

より短い時間のなかで、いかに多くの失敗を繰り返すという経験を重ねていかなければ確率は高くなりません。

同じ失敗経験であっても、経過した時間によって次の判断に対する価値は変わってくるのです。


物を売るということはその物自体を提供するのではなく、そのものによって解消できる、付加できるサービスを販売することです。

狙ったターゲットに狙ったサービスで価値を提供できるかどうかがビジネスの元です。

商品分野や競合環境にもよるのでしょうが、このことを決めるのに1ヶ月もかかっていたのでは話しにならないでしょう。



絶対安心な間違いのない信頼性の高い商品を作って提供していた会社がどんどん危うい状況になっています。

テストマーケティング的に市場に頻繁に商品を出しながらマイナーチェンジを繰り返している会社が元気です。

全社はコストがかかっていますので価格は高いです。

後者はスピード勝負で低コストですので価格は低めです。

日本全体が前者になってきています。

アジアの国々の後者の元気に押されている状況です。


身軽にして、スピードをもって、コストを掛けずに正解を求めずに、少しでも確率が高いと判断できることを選択しながら高速回転で活動を回すことが求められていることではないでしょうか。

企業だけでではないですね、個人においても同じことではないでしょうか。

正解探しの巧拙だけで生きてこれた人は、その場を離れた時の生き方が大変苦しいのではないかと思います。

少しでも早く、確率で判断し行動に移し結果を確認して確率を高めることを身につけることが必要になってきています。

一種のパラダイムシフトと言えるのかもしれませんね。

気づいて、行動して、継続して、習慣化して、何も考えなくとも当たり前にこのような行動が採れるようになっておかないといけないですね。

そうなって初めて自分のものになったということではないでしょうか。