2014年4月16日水曜日

自分の思考の癖を見つけよう

誰でもが思考することに対しての癖(パターン)を持っています。

その思考によって行動がコントロールされています。

単純な行為ならばすぐに修正できるかもしれませんが、長い間かかって築きあげてしまった思考の癖は、自分でも知らない間にできてしまっていることがほとんどです。



思考の癖は決して悪いことではありません。

良い面も悪い面も含めて、今の自分を作っているのが思考の癖です。

その思考の癖によって危機を回避していることもありますし、反対に固定概念となってしまっていて取り組まずに切り捨てていることもあります。

今の自分の延長でそのまま生きていければ、あえて持っている思考の癖を知る必要もないと思われます。


今までの自分と違う新しい自分への挑戦(これを成長というのかもしれません)をしようとする場合には、今までの自分からの変化が必要になります。

その変化のためには、今まで持っていた思考の癖を取り払う必要があります。

取り払うべき思考の癖がわかっていなければ、新しい自分に挑戦しても結局は元の行動に戻ってしまうことになります。


思考の癖は、脳が「不快」と感じていることを避けていたことから出来上がっています。

それも無条件で反応してしまうくらいに刷り込まれている「不快」です。

脳が「不快」と感じてしまう原因は感情です。

怖い、恐ろしい、恥かしい、大嫌いなどの感情です。



その多くは、自分の中での判断が不確かな時に受けた周りからの強烈なマイナス評価によってできていることがほとんどです。

そのようなことの原体験によって受けた感情に対して、二度とそれを味わいたくないために同じような環境になると、その場を避ける方向に思考が向くようになってきます。

ひとたびそれで避けられたと思うと、そのことが成功体験となって積み重ねられていきながら思考の癖となっていきます。

その結果として行動に表れていくことになります。


思い切って今までと違う行動をしてみることはとても大切です。

しかし、その行動に対して脳が「不快」と感じていたんでは単なる意志の力の無駄使いとなってしまいます。

意志の力は有限であると言われています。
(参照:どこまで使える意志のチカラ)

いつまでも意志のチカラに頼らなくともいいように、習慣化が大切になってくると思われます。


脳が「不快」と感じている、自分の思考の癖を知ることが成長のためには必要なことになってきます。

そのためには、脳が「不快」と感じるようになってしまった原体験を知る必要があります。

これを知らないと、新しい行動をしてみようとしてみても刷り込まれている固定概念からは一歩も出ていませんのですぐに戻ってきてしまいます。


自分に対するいくつかの簡単な質問で、自分の思考の癖と原体験を見つけることができます。

まず一つ目は「今の10倍の成果を上げるために、自分はどうしなければならないか?」という質問です。

10倍でも100倍でもいいのですが、今の延長では絶対に成し遂げることができないことをやるために、自分はどう変わらなければいけないのかを決めます。

正月に今年の自分はこうありたいと思うようなことですね。

具体的な行動に落とし込めていると一段と分かりやすくなりますが、内容にはあまりこだわらなくともいいと思います。

その理由はすぐにわかると思います。


次には、今の質問で出てきた答えができていない自分がいることを確認します。

できていないから変わった自分ではできるようになっていたいという答えのはずですので、簡単なことだと思います。

そして、「いつからそのことができなくなっていたのか、その時に何があったのか?」を質問します。


色々な体験が思い起こされますが、その時点でもすでに刷り込まれていて癖がついていることが多くあります。

その前はどうだったか?とどんどん遡っていくことが大切です。

これを繰り返していくと、やがて本当の原体験に行きつきます。


自分にとっては強烈な原体験であったことが思い出されるのではないでしょうか。

ほとんどの場合は思い出したくないので、その体験に触れることを避けてきていることが多いと思います。

その時味わった感情を二度と味わいたくないために、同じような状況を作らないように思考→行動がなされているはずです。


一番初めの質問の回答内容にあまりこだわらなくともよいと言ったのはこのためです。

最初の質問は、原体験を探すためのきっかけにすぎませんので、そこで一生懸命掘り下げる必要はないのです。

このことのみをよくやらされてきた記憶はありますが、なにも役に立っていないこともみんなが経験していることですね。


最近の若い人の場合は、強烈な原体験がない場合が多くあります。

その場合は同じようないくつかの体験が繰り返されて、思考の癖ができていることがありますので気がつきにくいこともあります。

まさに自分でも知らないうちにできてしまった思考の癖ということができるでしょうね。


原体験が見つかれば後は簡単ですね。

「その原体験の時の感情と、それを避けるために取り始めた思考と行動はどんなことなのか?」という質問によって、自分でも気づかなかった思考の癖を見つけることができるようになります。

気心の知れた仲間とやってみると、知らずにできてしまっていた固定概念や癖が本当によく見えてきますよ。


新しい自分や成長を目指す場合に避けて通ることができないのが、固定概念を破ることです。

自分の固定概念がどんなものだかわからないと、破るべきものがわかりませんよね。

世の中で一般に言われている固定概念と自分の持っている固定概念は違うものであることを知っておかないと、有限である意志のチカラを無駄使いすることになってしまいますね。


すべての人が常に固定概念を持っています。

成長していく人は、人の話をよく聞き自分の意見もよく話しますが、実績や過去のことに囚われていませんね。

何度も固定概念を破っていくと、人はどんどん素直になっていくようですね。


見つけた思考の癖や固定概念を破る方法は世の中にたくさん出ています。

その一つが習慣化ですね。

まずは自分の思考の癖をしっかりと見つめてみませんか。