新卒の就活のスタートが切られました。
4月からの新学年で大学3年生か大学院の1年生になる学生が対象ですね。
いったい卒業までに何年先になるのでしょうか?
その間の社会情勢の変化などによっては、一時見られた大量の内定取り消しのような事態が再び起こらないとも限りません。
特にこの4月以降は消費税値上げの反動やそのあとの経済政策の行く末によっては、日本経済そのものがどんな状況になって行くのか全く分かりません。
早い企業ですとこの夏過ぎに内定を出すところが出てくるのでしょうが、彼らが実際に会社に入って来るのは1年半も先のことになります。
学生に人気のある大企業ほど内定決定が遅いようですが、それでも入社までは1年以上の期間があります。
内定を獲得した学生は、この間に卒業に必要な単位の獲得をしますが、この時の学習や研究はどのようなモチベーションで行われているのでしょうか。
二人の子どもの就活を経験してきた私としては、比較的うまくやってくれた部類でないかと思っていますが、ほとんど1年間を就職活動に充てている期間は学業に身が入らないのではと感じていました。
上の娘も下の息子も、偶然に同じ大学でともに大学院まで行きましたが、大学院の1年目(M1)はすべてのことに就職活動が優先します。
本人だけの問題ではなくなっており、家族全体が成り行きに一喜一憂しながら落ち着かない期間を過ごします。
何とか卒業のための単位や論文を仕上げたようですが、その間に卒業旅行など最終学年でのイベントはかなりあったように記憶しています。
はたしてこの大学院の2年間で修士としての専門性はどの程度身についているのでしょうか。
娘の時に聞いたことがありましたが、学卒も院卒も就活での扱いは一緒のようですね。
あくまでも、ポテンシャル採用ということになっており、学会等で認められたよほど秀でた専門性がない限りはあまり関係ないようです。
面接が進んでいくにしたがって面接官が専門分野に近い役員になって行く程度のことのようです。
何百というエントリーシートを提出し、ネット経由で一般試験を受けて、面接にいたる一握りの中をのりこえて最終面接に向かっていく姿は、瞬間は頼もしさを感じることもありますが、あまりに長い就職活動には気の毒に思うことの方が多いくらいです。
最終面接に行くまでは、それ以外の場面においてはすべて拒否され続けているわけですから、書類審査のレベルまで入れれば何十何百という不合格通知を受け続けることになります。
精神的によほどタフでないとモチベーションを維持していくことが大変になります。
家庭全体での就職活動とならざるを得ません。
我が家於いて子どもたちを見ていて一番の心配事は、人とのコミュニケーション技術でした。
二人とも理系ではありますが、上の娘は積極的に人とコミュニケーションが取れるようで、時にはおせっかいなくらいですので鬱陶しく思われることもあるのではないかと思っていました。
下の息子は口数が足りないくらいで、聞かれたことには答えますが、それでも説明が足りないくらいの返事しか返ってこないような感じですので面接でのアピールは難しいでしょう。
それでも何とかなるものですね。
今では二人とも、楽しみながら仕事に向かっているようで安心しています。
最近では、書類エントリーの代わりに短い動画によるエントリーを受け付けている企業もあります。
企業側の説明によれば、応募者にはできる限り面接したいのだが、現実として時間や要員などの対応がすべてと面接することができない状況になっているために、ある程度書類で絞らざるを得ないとのことです。
30秒程度の動画は、本人のキャラクターも見え、あえてスーツ姿にしていないものも多いようです。
30秒程度の動画であれば、書類審査の1件分よりも時間がかからないのかもしれませんね。
今後は増えていくのでしょうか?
企業自体が変化していかないと生き残っていけない環境にあります。
名前は存続していても、事業の実態が変化している企業がたくさんあります。
同じ業界で活動しながらも、社会環境に合わせてその内容が変化していかないと生き残ってはいけなくなっています。
今までは、うまくいったことを真似してさえいれば生き残っていく程度のことはできました。
これからは、それでは生き残っていけなくなっています。
現存の企業には、まだまだ変化を阻害する要素がいたるところに残っています。
慣れ親しんだやり方も浸透しています。
ここ数年の新入社員に求められているものは、自らが積極的に変化していくことです。
これからの時代は、自らで事業を起こすことよりも、企業に勤めることのことの方が苦労する可能性がありそうです。
来月から、新入社員に対しての入社研修のサポートを何件かすることになりました。
トータルでは百人以上に会うことになるでしょう。
どんな新人に会えるのか楽しみです。
また、表現力や言葉の実験と確認ができるのでしょう、その面でも楽しみです。