2014年1月16日木曜日

英語を小学校3年生から教えるって!

今朝のテレビを見てビックリしました。
私たちが習った英語が古くて恥ずかしいものなっているとのことでした。

例えば名前を聞かれた時や自己紹介の時に使っていた、My name is ・・・が笑いを誘う表現になるのだそうです。

日本語にすると「拙者、・・・と申す者でござる。」というきわめて古臭い表現になるようです。

公式の場であっても、I'm ・・・が標準だ黄な表現となっているようです。



このテレビ番組の中で、ある高校の英語の授業と文部科学省の英語教育担当者へのインタビューが取り上げられていました。

授業自体が英語で行われており、会話が中心になっています。
英語圏の覇権維持の戦略に乗せられた教育指導要領によるものですね。

英語を学ぶ必要がないことは、このブログでも何回も取り上げて来ました。
是非とも参照していただきたいと思います。

 参照:これからは日本語力・・・英語との付き合い方
    :英語との付き合い方(1)~(3)
    :英語圏の言語戦略


そのテレビ番組のなかで、文部科学省が小学校3年生からの英語授業の導入を考えているということが出てきました。

大反対です。
そもそも、今の5年生から教えること自体にも大反対なのです。

中学校から大学までで、専門課程を除けば8年間は英語を学んできています。

しかし、
英語を実際に使う機会はどれだけあるのでしょうか。
その時に学んだ英語は役に立っているのでしょうか。


英語は太平洋戦争後の教育改革から徐々に取り込まれていったものです。

世界標準語としての地位を獲得した英語は、その地位を維持するために政治的にも外交的にも経済的にもあらゆる力を行使します。

他国の学校教育の内容にも口出しをして、あらゆる力を使って変更させたりします。

このあたりのことは英語圏の言語戦略を是非読んでいただきたいと思います。



日本語の習得には、日本人であっても多くの時間を必要をとします。
基本的なことの習得だけでも最低10歳頃までかかっています。

日本語は世界最高の言語であり、日本語を使いこなせる者は、いくつになっても比較的簡単に他の言語を使いこなせるようになることがわかっています。

この貴重な日本語を身につける機会は、思ったよりも少ないのです。


日本の国語教育にもたくさんの問題がありますが、道具としての英語の習得は使う場面に出会ってからで十分間に合うのです。

日本の国語教育についてはかなり詳しく国語教育の問題について(1)~(5)で述べていますので参考にしていただきたいと思います。


言語に優劣をつけることがどんな意味を持つのかわかりませんが、日本語は私の知る限りでは世界で一番大きな言語です。

小さな言語での母語話者は、より大きな言語については生涯かかっても使いこなせることはありません。
大きな言語の母語話者は、より小さな言語についてはどんな言語であっても比較的簡単に使いこなせるようになることがわかっています。

思考は言語で行われます。
日本語での思考は、英語での思考よりもはるかに大きな思考ができているのです。

英語圏での研究者の中にはこのことを分かっている人がたくさんいます。

その研究者の中には、自分の子供に母語として日本語を身につけさせている人もいます。



日本語が英語よりも言語として劣っているのであれば話は別です。
日本語は世界最高の言語なのです。

言語同士を比較するのに適切な表現が見つかりませんが、日本語>英語 であることは言語上の何をとっても明らかなのです。

日本語は身につけて使いこなせるようになるのはとても大変です。
日本語は大きすぎて、すべての日本語話者が使っている日本語が、すべて違う日本語とも言えるほどです。

日本語話者の使っている言語の集まったものが「日本語」です。
これが日本語ですと言える具体的な物はないのです。

あまり気が付きにくい日本語の特徴についても、つい最近述べています。
参考にしていただき、日本語についての理解を深めて広げていただきたいと思います。
(参照:気づかなかった日本語の特徴(1)~(6)) 


情報影響力のあるテレビで、既成事実のように小学校3年生から英語の授業が始まるように報じられていることに腹が立ちます。

コメントされている文化人の方が、それよりもしっかり日本語を学んでくださいと言っていたことに一安心したところです。