2013年8月10日土曜日

伝える言葉

言葉の分類の仕方も人によっていろいろあるようですが、今回は使うも目的によって分けてみました。

伝える言葉と残す言葉です。

今回は伝える言葉を中心に、残す言葉と比較しながら考えてみたいと思います。


伝える言葉の基本は話し言葉ですね。

場面によっては話し言葉を補うために、スライドや資料を使ったりもしますね。

伝える言葉が残す言葉と一番違うところが、そのために使える時間です。

伝えるべき相手が聞く姿勢を維持してくれている時間で伝えなければなりません。

時には決められた時間があるときもあるでしょう、また時には一瞬の時もあるでしょう。

そして話し言葉はそこにと留まることをしません、次から次へと流れていきます。

それをカバーするためにスライドを使ったりするわけですが、伝える言葉はフローです。

受け取る側が受け取る意思を持たなければ意味もなく流れていきます。

受け取り側が受け取りやすい工夫は必要になってきますね。

一番伝わりやすい言葉は「やまとことば」です。

もともと会話で使われてきた言葉ですから、受け取る側も自然に抵抗なく素直に受けることができます。

注意すべきは漢字ですね。

特に音読みです。

話し言葉にしているときは、聞こえているのはすべてひらがなで言われているのと同じことです。

伝えている側はある漢字を思い浮かべてその音読みで伝えても、受け取る側はひらがなで音を聞いてから漢字を探すという作業が頭の中で起こります。

もともとひらがなである言葉や漢字であってもで訓読みであれば、その言葉自体に意味がありますから置き換えはいりません。


訓読みのほとんどは「やまとことば」ですから素直に入ってきます。

漢字の音読みは音自体には意味がありませんので、伝える内容を理解するには意味を付けなければならなくなります。

よく使われる言葉で、音読みの音からすぐに意味を見つけられる場合もありますが、通常は音読みで伝わってきた音を漢字に置き換える作業が必要になります。

いったん漢字に置き換われば意味は分かりますので次を聞くことができます。


ところが日本語には同音の漢字がたくさんあります。

置き換える漢字がいくつか出てきてしまった場合は、前後の脈絡から推察するという新たな作業が
必要になります。

そして意味を確認して次の言葉を聞いていくんですね。


これだけのことが頭の中で瞬間に行われていることになります。

瞬間とはいえ間があります。

音読み漢字の意味を考えている間に、次の言葉が発せられると聞き逃すことになります。

特にその言葉が「う行」で始まる言葉ですと、一段と聞き逃す確率が高まります。

「う行」の中でも「す」と「ふ」が更に聞き取りにくい音です。

母音の種類によっても伝わり方が違いますので知っておくといいと思います。

詳しくは「母音によって異なる伝わり方」をご覧ください。


伝える言葉として漢字の音読みを使った場合は、耳だけでなく目の感覚を利用することを考えるといいと思います。

スライドや映像を使うこともいいですね。

漢字は音よりも字そのものに意味があります。

見せることが可能であれば、視覚に訴えるのが一番確実な方法です。

見せることができない場合は、音読み漢字を使った後は次の言葉を話す前に少し間を取ったらいいですね。

あるいはその言葉の意味を補足してあげることもいい方法です。

外国語、外来語、省略語なども同様に考えたら伝わりやすくなりますよ。