今回は少し視点を変えてみます。
JR東海が「のぞみ」を命名した時の話です。
仮称は「スーパーひかり」だったことは覚えていらっしゃる方がいるのではないでしょうか。
この仮称が結構広まってしまって定着しそうになった時に、JR東海の中で「スーパーひかり」を何とか回避しようという動きがありました。
その時の第一候補に挙がっていたのが「きぼう」だったそうです。
名称の選考メンバーの一人に阿川佐和子さんがいらっしゃいました。
彼女が列車好きの父・弘之さんに相談したところ、「日本の国鉄の列車の名前は、歴代すべてやまとことばでつけられてきた。」とアドバイスされたそうです。
阿川さんは選考会の席でそれまで候補に挙げられていた「きぼう(希望)」について、
「やまとことばにすると のぞみ ですよね。」
といった発言をされ「のぞみ」に決まったそうです。
途切れそうになったやまとことばの歴史が一つ繋がりました。
美しく心に響く言葉ですね「のぞみ」。
その後どこまで続いたのかは分かりませんが、「カシオペア」は違いますね。
「こまち」はやまとことばですね。
できる限りつづけていって欲しいものです。
JRの公共性を考えると、JRが使う一つの言葉の影響力はとても大きいものがあります。
そもそも会社名が「JR」しかもアルファベットで読ませて「ジェイアール」です。
どうも Japan Railway の短縮形のようですが、どこの国の会社なのでしょうか?
農協の「JA」とともに私の大嫌いな名前の一つです。
どこで活動をする会社なんでしょうか?
田舎から出てくるおばあちゃんに「品川の駅の中のエキュートの・・・」と言って待ち合わせができるでしょうか?
目黒駅のビルの名前は「Hilltop Garden MEGURO」だそうです。
息子を東京に行かせた両親が初めて上京する時に、この前で待ち合わせはできるでしょうか?
全国に鉄道網を持つ責任ある会社が率先してこんなことをやってはいけないと思います。
一方で「のぞみ」を生み出すことができるだけに残念でなりません。