子供は2歳前後になる急にたくさんの言葉を発し始めます。
このことを言葉の噴火と言ったりします。
まだ文にはなりません。
身近なものの名詞ばかりです。いわゆる赤ちゃん言葉ですね。
言葉を発するまでは、初めのうちは意味もなく手に触れるものをつかみます。
やがて体の発達とともに玩具やタオルや髪の毛など周りにあるものを、自分の意志で握るようになります。
この時はまだ遊び方もわからず一人で触ったりなめたりしている自分と物との関係となっています。
この時に周りの者が、一緒に玩具をいじったり音を出したり言葉をかけたりすることによって、もの以外の人が加わります。
言葉を発する前の幼児はこの「自分と物と人」との関係の中において言語能力を培っていきます。
通常であれば一番たくさんの言葉をかけてくれるのは母親であり、次が周りにいる肉親です。
子供自身はまだ言葉を発することはできませんが、この時期にしっかり話しかけて言葉の吸収を助けてあげることが必要です。
そして2歳前後に言葉の噴火が起こります。
個人差がありますので半年くらいのずれはあるようですね。
周りの子供に比べて言葉の発達が遅いと心配になるものですが、ここでの差はその後の言語の発達においては関係ないと言われています。
では、この時にどのような言葉で話しかけてあげたらよいのでしょうか。
普通はいわゆる赤ちゃん言葉ですね。
「わんわん」「まんま」「ぶーぶー」みたいな。
これって本当にいいことなんでしょうか?
赤ちゃん言葉が広く使われていることは知られていますが、その効果や研究はあまりされていないようです。
ただし同じ音韻を繰り返している短い言葉は、とてもリズムが良く覚えやすい言葉です。
赤ちゃん言葉は幼児期のみのことばであり、すぐに使われなくなります。
それならば最初からきちんとした言葉で話したほうがいいのではないかという意見もあります。
繰り返し、擬音、擬態の表現のことをオノマトペと言うそうですが、日本語にはもともとオノマトぺがたくさんあります。
赤ちゃん言葉もたくさんのオノマトペでできています。
せっかくこの時期だけに使われる特別な言葉ですから意味がないとは思えませんが、その効果については今後の研究を待ちたいと思います。
根拠はないのですが、私は何となく母語の原点に赤ちゃん言葉がかかわっているのではないかと思っています。
自分に子供ができたときには習わなくとも赤ちゃん言葉が出てきます。
記憶のどこかに母親や周りの人にかけてもらった言葉が残っているのでしょうね。
ちなみに英語でも赤ちゃん言葉があって「good night」は「night-night」(ナイ、ナイと言うのでしょうが日本語みたいですね)と言ったりするそうです。
「はいはい」「くっく」「ないない」「ねんね」「ぽんぽん」「あんよ」「たっち」「ぶーぶ」などの赤ちゃん言葉と、オノマトペの「きらきら」「ひらひら」「ふらふら」などの言葉はかなり近い関係だと思います。
「母語のもとは赤ちゃん言葉です。」こんなことが発見されたらとても楽しいですね。
少し探ってみようかな?