いま、私が一番いいかなと思っているイメージがデコレーションケーキです。
いつかはもっとわかりやすいイメージがお伝えできるかもしれませんが、今回はデコレーションケーキで説明させていただきます。
デコレーションケーキはスポンジの生地の上にまんべんなくクリームの下地を塗りますよね。
そしてその上にいろいろなデコレーションを施していきます。
脳の周りに最初に塗られた薄いクリームが「母語」というイメージです。
そして、この母語の上に第一言語の日本語がかなりの部分で母語と同化しながらデコレートされていきます。
第一言語には母語に同化していく部分と、第二言語と同じように伝達のための道具として母語の上に飾られる部分があります。
同じように薄いクリームの下地の上に第二言語がデコレートされてい行きます。
第二言語は第一言語の上にデコレートされることが多いと思います。
こちらの場合は同化できる部分は少ないですから、クリームの上に飾られた果物のようなものでしょうか。
幼児の脳は生まれたときはスポンジ生地のままです。
人によっては少しクリーム下地が塗られているとする考え方もあるようですが、ここではどちらでもいいでしょう。
おぎゃあと生まれたときから主に母親の言葉を聞きながら、周りの音を聞きながら耳から入ってくる音を中心に少しずつクリーム下地が塗られていきます。
このころはまだ思考することはできません。
脳は生きるための基本的な反応をするだけです。
やがて2歳くらいになってくると、使える言葉が増えてきて会話をすることができるようになります。
初めのころは名詞の短い言葉だけだったのが、コミュニケーションができるようになると一気に言葉の爆発が起きます。
そして、2歳から5歳頃にかけてクリームの下地を塗り広げていきます。
5歳頃までにほぼまんべんなくクリームの下地が塗られることになります。
母語の基礎は5歳頃までに完成してしまうと言われています。
そのあとはここで塗られたクリーム下地の上に塗り重ねたり、果物を盛ったり飾りを付けたりしてデコレーションをしていくことになります。
脳は思考するときには一番近くを覆っているクリームの下地を使っておこないます。
外からのどんな刺激も脳に達するときには必ず「母語」というクリームの下地を通過します。
脳からの発信も必ず「母語」というクリームの下地を通過することになります。
小学校になると薄く塗られた「母語」の基礎の生地の上に、一部は「母語」のクリームの重ね塗りが行われたり、違った飾り付けがされたりしていきます。
ほとんどの飾りつけは言語によってなされますから、小学校の低学年のうちは国語がとても大切になってきます。
第一言語ですね。
小学校のころは国語の成績がいい子供は、他の学科の成績もいいものです。
他の学科もすべて言葉を媒体にして学びますから当然のことなのです。
教科書はすべて国語の学習に合わせた言葉で書かれています。
国語の学習が遅れてしまうとすべての教科の学習に影響するのです。
低学年を担当される先生方はこのことをよく知っておられます。
低学年を担当される先生はベテランが多くないですか?
低学年は吸収することが中心であり、まだ思考することには慣れていません。
ここで学校生活以外にもどれだけたくさんのことを経験できたかが、将来を大きく左右することになります。
経験したことの中からしか嗜好が決まらないからです。
幼児のころから出始めた好き嫌いがある程度固定されてくるのがこのころからです。
嫌な思いや痛いことを経験したことの多かったものが嫌いになり、楽しい思い気持ちのいい思いを経験したことの多かったものが好きになっていくのです。
経験したことのないものは、実際の経験をした段階で判断をしていきますが、大きくなってから初めて経験したことはそれほどはっきりとした好き嫌いの対象にはならないようですね。
「母語」のクリーム下地の上に様々なものが飾り付けられていきます。
すべてのベースは「母語」です。
母国語としての国語である日本語のベースにあるのも「母語」なんですね。
今回はデコレーションケーキをイメージして「母語」を語ってみました。
もっとわかりやすいイメージができたらまたご案内しますね。