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2013年11月9日土曜日

日本語の言葉遊び(3)

今回の言葉遊びは定型の文の中で違った言葉を隠すものを取り上げてみます。
定型と言えば五・七・五の俳句が思い浮かびます。
特に季語を意識しませんので、言い方としては川柳ということになるのでしょうか。
面倒ですので、どちらも句と読んでおきましょう。

まずは国名隠しです。
日本の昔の国の名を句の中に隠していますが、句としても成立しているものです。

秋の蚊が吸おうとするが身の終わり

ひらがなで書いてみると分かりやすくなるかもしれません。

あきのかがすおうとするがみのおわり

「安芸」の「加賀」「周防」と「駿河」「美濃」「尾張」と6つの国名が隠されていました。
ここまで多くの国名を入れ込むのはかなり難しいと思いますが、3つくらいならできるかもしれませんね。

 

長々と姉妹で語る回顧談
(ながながとしまいでかたるかいこだん)
「長門」「志摩」「甲斐」の3つが隠れていました。

威勢よき若さの終わり鏡告げ
(いせいよきわかさのおわりかがみつげ)
「伊勢」「伊予」「若狭」「尾張」「加賀」の5つが入っています。

難しい前置き聞いて胃が痛む(むつかしいまえおききいていがいたむ)
「陸奥」「隠岐」「紀伊」「伊賀」

現代においてはむかしの国名がわからなくなっていることが多いので、県の名前を入れ込んで考えてみるのもいいと思います。
むかしの国名には音で2音のものが沢山ありますので、入れ込み易かったと思われます。
県名でで作ろうとすると、一生懸命考えないといけませんね。
動物の名前や干支を入れ込むものもあります。


もう一つは、同じく五・七・五を定型としながらも、前半の五・七と後半の七・五で全く違った内容になるものです。
それでも全体としての五・七・五でも成り立っていなければなりません。
これも例を見た方が早いですね。

梅雨あけてはちがつきたる花の芯
(つゆあけてはちがつきたるはなのしん)

前半の五・七では「梅雨あけて八月来る」ということになります。
後半の七・五では「蜂が付きたる花の芯」となります。
真ん中の七の部分が二つの意味を持つ同音異義語(文)になるわけですね。



二日酔いしょくよくないなこの不況
(ふつかよいしょくよくないなこのふきょう)
前半部は「二日酔い食欲ないな」です、後半部は「職良くないなこの不況」になります。

ビキニ着たひとみつめたいコンタクト
前半部は「ビキニ着た人見つめたい」です、後半部は「瞳冷たいコンタクト」になります。


最後は五・七・五の丸ごと回文(前から読んでも後ろから読んでも同じ文)の例です。
これも自分で作るとなるとかなり大変ですね。

新年だ 今朝のこの酒 断念し
(しんねんだ けさのこのさけ だんねんし)



こんなののもあります。

阪神は ダメだよダメだよ阪神は
(はんしんは だめだよだめだ はんしんは)
ここまで言わなくてもいいと思いますが、阪神ファンの自虐でしょうか。

今回は五・七・五の定型句での言葉遊びを見てみました。
また面白いものが見つかったら、書いてみます。

 




2013年8月8日木曜日

日本語の言葉遊び

今回は日本語の言葉遊びをいくつか取り上げてみたいと思います。

それぞれの言葉遊びから日本語の持つ懐の広さを(大きさ)を感じてもらえるのではないかと思います。


まずは「山号寺号(さんごうじごう)」と呼ばれるものです。

これは落語の演目の一つでもあります。

ほとんどの寺院には「〇〇山△△寺」という呼び名があることを利用して行う言葉遊びです。

例:
・車屋さん、広小路

・おかみさん、拭き掃除

・時計屋さん、今何時

・看護婦さん、赤十字

・お肉屋さん、ソーセージ など



次は「なぞかけ」です。

「〇〇とかけて△△と解く。その心は××」という例の奴ですね。

ほとんどの場合は全く関係のないと思われる〇〇と△△を提示して、最後に共通点として「その心はどちらも××という如し」となります。

有名な例として2つほど挙げておきます。


例:
・やくざのケンかと掛けて、おっぱいと解く。その心はすったもんだで大きくなった。

・ミニスカートと掛けて、結婚式のスピーチと解く。その心は短いほど喜ばれる。

「なぞかけ」は単純な言葉遊びから始まったと思われますが、後付けで一つの方法論が出来上がっています。

〇〇=××、△△=××、したがって〇〇=△△を言葉で表すと「なぞかけ」ができるとなっています。

とこかで見たことありませんか?

そうです、あの三段論法です。
「なぞかけ」を練習すると論理に強くなるのは本当のようですね。


また、「たいこめ」という言葉遊びがあります。

ある文を後ろから逆に読み返ると、全く違う意味の通る文のことです。

先に例を挙げた方がわかりやすいと思います。

例:
・「鯛釣り船に米押しダルマ」(たいつりぶねにこめおしだるま)

反対から読むと・・・ となります。

この例文の赤い文字を取って「たいこめ」と言われるのだそうです。

普段口にするのがはばかられるような言葉を反対読みに隠して遊んだんでしょうね。

もう一つだけ例を挙げておきます。

・「雲雲崖にこんち旅無し」(くもくもがけにこんちたびなし)

時代や地方によってさまざまなものが存在したといわれています。


「無理問答」という言葉遊びもあります。

一休さんで「ソモサン」「セッパ」とやっている掛け合いですね。

例:
・問い「そこにあるのに犬(居ぬ)とはこれいかに」
・答え「近寄ってきても猿(去る)と呼ぶがごとし」

・問い「トラックが1台でも荷台(2台)とはこれいかに」
・答え「トラックが2台でも重大(10台)事故と言うがごとし」

問いに対してなるべく近いものを持ってきたほうが効果が高そうですね。

これあたりはかなり頭の回転が要求されますね。

古いところでは徳川家光が東海寺を訪れたとき沢庵和尚と交わしたとされる問答が残っています。

家光「海近くして東(遠)海寺とはこれいかに」

沢庵「大軍を率いて将(小)軍というがごとし」


また、「折句(おりく)」という言葉遊びもあります。

ある文章の中に別の意味を持つ言葉を織り込む言葉遊びですね。

一般的には行書きした先頭の文字(句頭)を利用したものが多いようです。

現代でも谷川俊太郎の詩などが例に挙げられます。

例:
くびがでるわ

やけがさすわ

にたいくらい

んでたいくつ

ぬけなあなた

べってころべ


頭の文字をつなぐと「あいしてます」となり、詞の内容とは反対の意味が隠されているのがわかります。


「いろは歌」に隠された「咎無くて死す」は句尾を使ったものですね。

詳しくは「いろは」に隠された怨念をご覧ください。

最後は「地口(じぐち)」と呼ばれる語呂合わせ・言葉合わせです。

リズムをよくするために発音の似た意味のない言葉や、一部から想像できる言葉をつけて遊んだものです。

例:
・美味かった(うまかった:馬勝った)、牛負けた。

・美味しかった(おいしかった:大石勝った)、吉良負けた。

・見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし。

・いわぬが花の、吉野山。

・けっこう毛だらけ猫灰だらけ、ケツの周りは糞だらけ。

素直には面と向かって言いにくい言葉をおちゃらけて表現する場合もこれに含まれますね。

例:
・ありがた山のホトトギス

・すいま千円

・おそれ入谷の鬼子母神

・当たり前田のクラッカー


有名な言葉をもじって遊んだものもありますね。

例:
・舌切り雀 → 着たきり娘

・しづ心なく花の散るらん → しづ心なく髪の散るらん


これらに限らず日本語の言葉遊びはあちこちにたくさんあるようです。

ここでご紹介したのはほんの一部です。

一杯飲みながらのバカ話で「やまとことば」に触れながら遊ぶにはちょうどいい材料ではないでしょうか。

いざ、やってみると普段使っていない頭の部分が刺激されるのか、かなり気持ちいい遊びになりますよ。

決まった時の快感はたぶん脳科学でいうところのアハ体験につながるものがあるのではないかと思います。

今晩ビールを片手にでもやってみませんか。


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