今日は「やまとことば」を少し離れて、日本語の数字についてみてみようと思います。
日本語の数字の特徴、素晴らしさは1から10までの数字の発音を覚えると、そこで使われてる音で99まで発音できてしまうことにあります。
11から19は「10(じゅう)」に1から9をそのまま付けたものですね。
21から29は「2(に)+10(じゅう)」に1から9を付けたもの、31から39は・・・という具合ですね。
わずかに10個の音で99個の数字を表しきっているのです。
こんなことができるのはたぶん日本語だけではないでしょうか。
たとえばフランス語を見てみると、1はアン、10はディスですが、11は個別にオーンズという発音があります。
ドイツ語でも11はエルフと別の呼び方です。
英語も11はイレブンとなって1(ワン)と10(テン)を使って表すことはできません。
100の位も発音としては「ひゃく」と言う音が増えるだけですので、1から999までの数字の発音をわずか11個の音で賄ってしまいます。
日本語の数字の発音はきわめて規則正しいものがありますので、言葉で聞いてもすぐにその数字bを思い浮かべることができます。
頭の中で変に考える必要がなく、出てくる音を順番に聞き取ればその通りの数字を認識できます。
桁もそうですね。
「一」「十」「百」「千」「万」とここまでは一桁ずつ名称があります。
他の言語では日本語で言うと20百(2000)であったり、35千(35000)と言ったすることがあったりします。
また、言語によっては発音する数字のけたが逆転するもの、13を3と10というように発音するドイツ語のようなものもあります。
数字の読み方が複雑な言語を使う民族のほうが、数学の能力が高いといわれます。
そういう意味では日本民族は他の民族に比べて数学の感性は低いのかもしれません。
その分、単純な数字のおかげでとんでもない能力を身につけています。
算盤のおかげもあったのだと思いますが、3ケタの数字の読み上げ暗算ができるのは私の知る限り日本人だけだと思います。
特に算盤をやってきた人でなくても、1万円札で買い物をしてお釣りをもらう計算はすぐにできています。
分り易い数字の発音の規則性も少なからず影響しているのではないでしょうか?